专利摘要:

公开号:WO1991002381A1
申请号:PCT/JP1990/000999
申请日:1990-08-03
公开日:1991-02-21
发明作者:Shigetoshi Sugawa;Ihachiro Gofuku;Kazuaki Ohmi;Yoshiyuki Osada;Masato Yamanobe
申请人:Canon Kabushiki Kaisha;
IPC主号:H01L27-00
专利说明:
[0001] 細
[0002] 発明の名称
[0003] 光電変換装置
[0004] 北
[0005] 景技術
[0006] 枝術分野
[0007] 本発明は、 光電変換装置に係り 、 特に光生成されたキャ リ アを 衝突電離によ り増輻するァバランシ ( Av a l anc he ) 効果を利用し た光電変換装置に閭するものである。
[0008] また、 本発明は、 と りわけカメ ラの酒光用センサ、 或いはファ クシミ リ 、 複写機等の圉像読取装置用イメージセンサ、 又は、 光 通信装置等の受光センサ等に好適に用いられる低雑音の光電変換 装置に関するものである。
[0009] 閡連する背景技衛
[0010] 光を情報信号の媒体とする えば映像情報システム、 光通信、 その他の産業、 民生分野等の情報伝送技衛において、 光信号を電 気信号に変換する半導体受光素子は、 もっ とも重要で基 *的な構 成要素の一つであり 、 すでに数多く のものが実用化されている。 一般に、 半導体受光素子には、 その光電変换特性に対し、 高い信 号対雑音比を持つこ とが要求される。
[0011] このう ち、 ァバランシュ効果を利用したァバランシュフォ トダ ィオー ド (以下 A P D と称する ) は、 利得が高く 、 かつ、 応答速度 が早いので、 こ う した要求を满たす半導体受光素子の有力な候補 である。
[0012] この A P D は、 現在では、 特に光通信システムにおける半導体受 光素子と して、 I n G aA s等の化合物半導体を材料と して、 すでに多 数実用化されており 、 更に低雑音、 高速応答性、 高利得など素子 の基 *性能向上の開発が進められており 、 他の分野、 例えば、 可 視光受光素子などへの応用も望まれている。
[0013] 第 1 図は従来の光通信用 APD の構造を示す縱断面図である。 同図において、 101 は n+型 InP 層、 102 は n型 InGaAs曆、 103 は n型 InP 層、 104 は p+型 InP 曆である。 ここで、 n型 InGaAs曆 102 、 n型 InP 屠 103 、 p+型 InP 屠 104 の曆はメサ型に形成され ている。 P+型 InP 屠 104 の上面には、 窓 105 を残して P電極 106 を形成し、 n+型 InP 曆 101 の裏面には n電極 107 を形成する。
[0014] 108 はパッ シベーシ ヨ ン膜である。 こ こで p電極 106 及び n電極 107 を逆方向にバイアスしておき、 窓 105 から光照射すると、 光 は n型 InGaAs屠 102 (光吸収曆となる) で吸収され、 光-電気変 换が行われる。 すなわち、 n型 InGaAs屠 102 で形成された電子- 正孔対は各 々 n 電極 107 及び P 電極 106 に 向か っ て走行す る。 n型 InP 曆 103 (増倍層となる ) は強い電界を有しているた め、 正孔の走行過程で多数の電子 -正孔対を形成するナダレ現象 を生じ、 光子 1锢に対して複数個の電子 -正孔対を形成する増倍 作用が生じる。 この結果、 微弱な入射光でも検知できる。 しか し、 従来の構造においては、 実用上の増倍は約 2程度と小さく 、 また、 增倍邁程に内在するゆらぎのため、 過剰増倍雑音が発生し 信号対雑音比を低下させてしまう といった 2つの欠点を有してい ァバラ ンシュ增倍遏程において発生する雑音は、 例えば、 IEEE Transactions on Electron Devi cesの第 13版(1966 年 1 月号) の 164 〜 168 ページに掲載されている R. J.McIntyreの論文によれ ば、 電子のイオン化率 ctと正孔のイオン化率 3の比 k = /3 / aに 強く伕存するこ とが知られている。
[0015] ここで電子のイオン化率とは、 電子が電界により加速されたと き衡突電難によ り電子 -正孔対が生成される割合である。 正孔の イ オン化率とは、 正孔による衝突電離の割合である。 さ らに, こ の論文によれば、 低雑音の APD を得るためには、 電子増倍を行な う と きには kを小さ く 、 また、 正孔増倍を行なう と きには kを大 き く すればよいこ とが明らかにされている。 すなわち、 キャ リ ア (電子ないしは正孔) のイ オン化率が大き く 異なる材料で、 ィ才 ン化率が大き い方のキヤ リ ァのみをアバラ ンジェ増倍する こ と 力 APD において高い信号対雑音比を得るために重要である。 ま た、 この論文によれば、 一方のキャ リ アのみをアバラ ンシェ増倍 したと きに達せられる低雑音化の極限と して、 過剰雑音指数 Fが 2 となるこ とが述べられている。 雑音が全く 発生しない理想的な 場合には F は 1 と なるはずであ り 、 F = 2 と い う極限には、 ま だ、 雑音を発生させる何らかの機構が存在するこ とを暗示してい る。 ご の機構と しては、 アバラ ンシェ増倍を行なう際にアバラ ン シュ増倍の素過程であるイ オン化 (逆オージュ発生) の起こる場 所が個々にゆらぎ、 それが積算されて全体と して増倍率のゆらぎ を引き起こすという現象が考えられる。
[0016] 以上のこ と を考え合わせる と 、 雑音を発生させないアバラ ン シェ増倍を行なう ためには、 ①その素過程であるイ オン化を起こ す場所を素子の中で特定し、 かつ、 ②前記イ オン化を起こす場所 におけるイ オン化の確率を特定するこ とが必要になる。 さ らに、 高利得のアバラ ンシヱ增倍を行なうためには、 そのイ オン化の確 率を限り なく 1 に近づけることが重要である。
[0017] 前述し た増倍の程度の小さ さ、 及び信号対雑音化 (SN 比) の 低下という 2つの欠点を鑑みて光通信用 APD と して、 例えば、 F . Capasso らは特開昭 58 - 1571 79 号公報や I EEE El ectron Devi ce Let t ers の第 EDL 3版 (1982 年) の 71〜73ページに、 分子線ェピタ キシー (MBE) 法など用いて、 主に ΠΙ— V族に属する化合物半導体 を用いて作成される光通信システムに使用可能な低雑音 APD を提 案している。
[0018] その素子は、 その構成材料の組成比 (例えば、 ffl— V族に属す る化合物半導体がその構成材料ならば、 ΙΠ族の半導体と V族の半 導体の組成比) を変化させるこ と によ り 、 バン ドギャ ップを狭い 側から広い側へと連続的に変化させた半導体層を多数重ね、 その 際に形成されるエネルギ帯の階段状遷移部 (以下ステップバッ ク 構造と略す) を利用してイ オン化を促進する多層へテロ接合構造 を特色と している。 そこで提案されている素子の概略的構造を第 2図 (a) 〜(c) を用いて説明する。
[0019] 第 2図 (a) は、 この素子の縦断面図であり 、 増倍層となる 5つ の層から成るステップバッ ク構造層 201, 203,205.207 及び 209 が 光吸収層と なる P型半導体層 211 及び n型半導体層 215 で挟ま れ、 電極 213 が P型半導体層 211 に、 また、 電極 214 が n型半導 体層 215 にそれぞれ才一ミ ッ ク接触している。
[0020] 第 2図(b) は、 この素子の無バイ アス時のバン ドギャ ップ傾斜 層のエネルギ帯の構造図であり 、 3つのバン ドギャ ップ傾斜層が 示されている。 各層は、 狭いバン ドギャ ップ Eg2 から広いバン ド ギャ ッ プ Eg3 へと直線的にバン ドギヤ ッブを変化させる組成を有 してレゝる。
[0021] 伝導帯及び価電子帯のステ ッ プバ ッ クの大きさは、 それぞれ Δ Ec, Δ Ενで示されている。 なお、 後で説明するよ うに、 主に電 子をイオン化しやすく するために、 Δ Ecの方を Δ Evよ り も大き く と ってレゝる。
[0022] 第 2図 (c) は、 この素子に逆バイ アス電圧を印加したと きのェ ネルギ帯の構造図である。 尚、 逆バイ アス電圧は、 前述の第 1 図 に示した APD と比べて強い電界である必要がない。 こ こで、 P型半導体層 211 よ り光入射する と、 P型半導体層及 び各ステ ップバッ ク構造層で吸収された光は、 前述の APD と同様 に光電変換が行われ、 形成された電子一正孔対は、 おのおの n型 半導体層 215 、 P型半導体層 211 に向かって走行するが、 前述の 第 1 図に示した APD との相違は各ステップバッ ク構造のエネルギ 段差 A Ec (電子の場合であり、 ホールの場合は Δ Εν) がイオン化 エネルギよ り大き く なる と き、 電子はイオン化され、 電子一正孔 対を発生し、 増倍作用を生ずる。 むろん、 ステップバッ ク構造層 各々 が、 同様の作用をするために、 增倍はその層数 η に対して 2 。 生ずる。 例えば、 理想的には Δ Ec》 Δ Εν= 0 とするこ とで、 正孔のイ オン化率が、 電子のイオン化率に比べ非常に小さ く 抑え られるので、 前述の APD と比べて低雑音となる。
[0023] 即ち、 バイ アス電圧は、 ステップバッ ク構造層バン ドギャ ップ 傾斜層 201, 203, 205 および 209 が少なく と も空乏化し、 かつ、 バ ン ドギャ ップ傾斜層内ではキャ リ アの ド リ フ ト は起こるがイ オン 化は起こ らない程度の電界 ( ド リ フ 卜電界) が生じるよ うに印加 されている。 光 h Vは、 P型半導体層 211 の次の空乏領域、 すな わち、 バン ドギャ ップ傾斜層 203 で吸収され電子を伝導帯に、 正 孔を価電子帯にそれぞれ発生させる。 発生した電子は層 203 内を 第 1 の伝導帯のステ ッ プバッ クに向かって ド リ フ 卜する。 ステツ ブバッ クのと こ ろには既に Δ Ecなるエネルギ段差があり 、 電子は イ オン化を起こすのに必要なエネルギをこのエネルギ段差分だけ 補う こ とが出来るので、 ステップバッ クのすぐ後ろで電子がィォ ン化を起こす確率が高く なる。 こ こで、 この A Ecが電子のイ オン 化工ネルギに等しいかまたはそれよ り も大きい場合には、 また、 たと え電子のイ オン化エネルギょ り も小さい場合でも、 ド リ フ 卜 電界から不足分のエネルギを供給できる場合には、 ステッ プバッ クの後ろでィ オン化を起こす確率を十分に 1 に近づけるこ とがで きる。 イ オン化を起こすと 1 つの電子が 2つの電子と 1 つの正孔 になる。 2 つ 電子はバン ドギャ ッ プ傾斜層 2 03 の中を第 2 の ステ ッ プバ ッ ク に向かっ て ド リ フ 卜 していき、 第 2 のステ ッ プ バッ クで上記と同様の現象を起こす。 一方イ オン化によ りバン ド ギャ ッ プ傾斜層 2 03 内の前方で発生した正孔は電子とは逆に前方 に ド リ フ 卜 してゆき、 第 1 のステ ップバッ クに達する。 も しも、 第 1 のステ ッ プバッ クの価電子帯に正孔がイ オン化を起こさない 程度のエネルギ段差 Δ Evがあらかじめ存在していれば、 ド リ フ ト してきた正孔は理想的にさ らにそのま ま前方へ進む。 第 2図 (c ) のよ うな正孔から見て前方に正のエネルギ段差があれば、 正孔は ステ ップバッ クのこ と ろで散乱ないしは蓄積されるがイオン化は 起こさない。 このよ うに して、 電子の ド リ フ ト とイオン化、 正孔 の ド リ フ トを各バン ドギャ ップ傾斜層およびステップバッ クで繰 り返し起こ し、 キ ャ リ アの数は増倍されていく こ とになる。 最終 的には、 イ オ ン化によ り増倍された電子は Ν型半導体層に達し、 Ν型半導体層 に ォー ミ ク接触 さ れた層か ら電子電流 と し て、 また、 正孔は Ρ型半導体層に達し、 Ρ型半導体層にォー ミ ツ ク接触された層から正孔電流と して取り出される。
[0024] 以上のよ う な、 その構成材料の組成比を変化させる こ と によ り 、 バン ドギヤ ッブを狭い側から広い側へと連続的に変化させた 半導体層を多数重ね、 その際に形成されるステップバッ クを利用 してイ オン化を促進する多層へテロ接合構造によ り 、 上述したよ う な、 イ オン化を起こす場所を特定し、 イ オン化の確率を限り な く 1 に近づける という思想を具現化した、 低雑音の APD を構成で きるこ とが理解される。
[0025] 以上説明したよ う な素子構造は低雑音の APD を実現化するため の一つの手段であるが、 こ う した構造を持った素子を作成するに は実際にはさ まざまな制約をうける。
[0026] まず、 上述したよ う な、 イオン化を促進できるよ うなステップ バッ ク構造層を持った素子を、 その構成材料の組成比だけを変化 させるこ とによって得るためには、 構成材料、 作成方法が限定さ れてしま う。 例えば、 ΠΙ— V族の化合物半導体の、 GaSbの基板上 に A l GaAsSb/GaSb を成長させたもの、 I nP の基板上に I nGaAlAs/ I nGaAsを成長させたもの、 GaSbの基板上に I nGaAsSb/GaSb を成長 させたもの、 また、 格子整合基板上に Π — VI族の化合物半導体の HgCdTeを成長させたものなどがこ う した構造を持った素子を構成 できる材料と してあげられる。
[0027] しかしながら、 こ こで使われる、 Ga, As . Hg, Cd などは毒性が強 く 、 また、 希少高価な元素であるので、 工業的に取り扱うには問 題の多い材料である。
[0028] また、 これらはいずれも、 分子線エピタキシー法(MBE法) で作 成されているが、 MBE 法は、 超高真空を必要と し、 また、 半導体 の成長速度も遅く 、 大面積化にも不向きであり 、 量産化が困難で あっ た。 さ らに、 MB E 法は半導体の成長温度は典型的には 500 °C〜 650 °Cと高く 、 既に集積回路などが作成されている半導体装 置上にこ う した受光素子を積層化して作成するよ うなこ と も、 そ の既存の半導体装置に何らかのダメージを与えてしま う問題点を 有している。
[0029] さ らにまた、 こ う した低雑音の APD を作成するには、 ステ ップ ノ ッ クのと ころで必ずイ オン化を起こさせるよ うに、 これらの材 料の組成比を変化させなければならないわけであり 、 そのために は、 ヘテロ接合界面の ト ラ ップ準位を生じさせないよ うな格子整 合性、 および、 イ オン化エネルギ程度以上のステッ プバッ クエネ ルギ段差を持つよ う な電子親和力を考慮して材料の組成比を決定 する必要が生 じ る。 その結果、 実際に作成でき る APD のバ ン ド ギャ ップに制約をうけて し ま う。
[0030] 例えば、 まず、 最初にあげた材料を使用した場合、 実験によれ ば、 格子整合構造の場合、 バン ドギャ ッ プの最も狭い材料(GaSb) のバン ドギャ ッ プは 0.73eVであり 、 バン ドギャ ップの最も広い材 料(A1 , .0 Ga0. 0 Aso. oa Sbo.92) のノ ン ドギヤ ヅ ブ i 1.58eVであ り 、 最大バ ン ドギ ャ ッ プ差は伝導帯側で 0.72eV、 価電子帯側で 0.13eV、 電子ィォン化工ネルギは 0.80eV (GaSb)であるこ とが確か められている。 ステップバッ クにおける電子のイ オ ン化エネルギ に対する不足分の 0.08eVは、 電子の ド リ フ ト電界から供給される こ とになる。 かかる素子においては、 光を照射していないと きに 発生する漏れ電流 (暗電流) 信号が生じやすく 、 これが雑音成分 を増やすため、 結局低雑音化をはかれないという大きな問題を有 している。 暗電流が発生する原因と しては、 ォーミ ッ ク接触した 層 (素子外部電極) から注入されるキャ リ ア、 素子内部で欠陥準 位、 ヘテロ界面準位などを介して熱的に発生するキャ リ アなどが あげられる。 かかる素子においては、 まず、 注入キャ リ アを阻止 する効果が結果的に P型半導体層および N型半導体層を設置する こ とによ り引き出されているが、 この点に関して意識的かつ十分 な配慮がなされておらず、 この効果は十分とはいえない。 また、 熱的に発生するキ ャ リ アの量は、 欠陥準位密度、 界面準位密度な どに依存するが、 本質的にはバン ドギャ ップの大きさに依存し、 一般にはバン ドギヤ ジブが大きいほど熱的に発生するキヤ リ ァの 量は少なく なるこ とが知られている。 しかしながら、 かかる素子 において、 熱的発生キ ャ リ アを抑制するには最小バン ドギヤ ッ ブが狭すぎる と いう欠点も有している。 また、 こ う したバン ド ギャ ッ プを持った半導体受光素子は、 】· 0 から 1.6 の波 長領域の受光には適しているが、 他の波長領域の受光素子、 例え ば可視光受光素子と して適しているとは言い難く 、 その応用分野 は限られてし まっていた。
[0031] 次に、 例えば、 2番目にあげた材料の組み合わせでは、 イ オン 化工ネルギが約 1 eVと高いにもかかわらず、 ステ ップバッ クにお ける伝導帯エネルギ段差はわずか約 0.6eV と小さいため、 有望で はない。
[0032] 上にあげた他の材料についても、 最初の材料と同様の欠点を有 している。 特に、 最後にあげた材料の組み合わせでは、 例えば、 Electronics Letters の第 18版 12号(1982 年 6月) の 512 〜514 ページに掲載されている T.P.Pearsallの論文によれば、 Hgと Gdの 組成比を変化させるこ とによ り、 最小バン ドギャ ップの 0.5eV と 最大バン ドギャ ッ プの 1.3 eVを持った素子を提案しているが、 か かる素子においては最小バン ドギャ ップが大変狭く 、 さ らに熱的 に発生する暗電流の影響を受けやすく なって しまっている。
[0033] したがって、 キャ リ アのイ オン化率比を拡大する構造を有する 低雑音の APD を有効に実用化するためには、 材料、 製法選択の自 由度、 暗電流の抑制、 広い受光波長領域を持ったバン ド帯構造な どが考慮されているこ とが必要である。
[0034] 即ち、 上述した APD の解決すべき技術的課題を要約すると以下 に示すとおり の性能上及び作成上の技術的課題が挙げられる。 素子の性能上の技術的課題と しては、
[0035] (1) 入射光が P型半導体層及び増倍層で吸収されるため、 光の入射波長によって増倍率が変わり 、 読み取り素子と しては不適当である。
[0036] (2) 光吸収層、 増倍層の禁制帯幅が小さいため、 動作時の 暗電流が高く 、 雑音が大きい。
[0037] ( 3 ) 光通信用を目的と しているために、 材料が制限され、 対応出来る光は約 800 〜1 60 Qnmであり 、 可視光など他の 波長光に対応できない。
[0038] 素子作成上の技術的課題と しては、
[0039] ( 1 ) 化合物半導体によ り 、 ステ ッ プバ ッ ク構造を作るに は、 組成変調が困難で、 かつ A Ec, Δ Ενの大きさに制限 があ り 、 低雑音化に限界がある。
[0040] ( 2 ) ΙΠ - V , Π — IV族等に属する化合物半導体を材料と し ているため、 材料の毒性、 価格など工業材料と しての問 題点を有している。
[0041] ( 3 ) 化合物半導体の形成方法は、 超高真空の必要がある、 高温 (約 500 〜6 50 V ) で成膜を行う必要がある、 大面 積化が揮難である等の問題を有し、 読み取り素子と して の製造-方法と して、 不適当である。
[0042] 等が挙げあられる。
[0043] 発明の概要
[0044] 本発明の目的は、 前記従来の技術的課題を解決し、 高速応答性 に優れ、 かつ、 特に可視部光に対して低雑音高感度で、 大面積化 が容易な新規な構成の光電変換装置を提供するこ と にある。
[0045] また、 本発明は、 暗電流の抑制された、 広い受光波長領域、 特 に可視光狻長領域で優れた特性を持った光電変換装置たる半導体 受光素子、 特に、 低雑音の APD を提供する こ と を目的と してい る。
[0046] 本発明は、 材 、 製法の自由度のある、 低雑音の APD を提供す るこ とを目的と している。
[0047] 本発明の他の目的は、 Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸収しホ 卜 キ ヤ リ ァを発生する光吸収層及び光を吸収して生じたキヤ リ ァ を增倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が 連続的に変化したステップバッ ク構造を一層或いは複数層積層し てなる増倍層を、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構 成した光電変換装置を提供するこ とである。
[0048] 本発明の他の目的は、 Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸収しホ ト キャ リ アを発生する光吸収層と、 光を吸収して生じたキャ リ アを 増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連 続的に変化したステ ップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数 層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに 積層して構成した光電変換装置であって、
[0049] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl と前記増倍層の最大禁制帯幅 Eg3 とを略等し く した光電変換装置を提供するこ とである。
[0050] 本発明の他の目的は、 Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸収しホ ト キ ャ リ アを発生する光吸収層と、 光を吸収して生じたキャ リ アを 増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連 続的に変化したステップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数 層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに 積層して構成した光電変換装置であって、
[0051] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl と前記増倍層の最小禁制帯幅 Eg2 とを略等し く した光電変換装置を提供するこ とである。
[0052] 本発明の他の目的は、 Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸取しホ ト キ ャ リ アを発生する光吸収層と、 光を吸収して生じたキ ャ リ アを 增倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連 続的に変化したステップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数 層積層してなる增倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに 積層して構成した光電変換装置であって、 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層された一方 の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記増倍層の 最大禁制帯幅 Eg3 と略等し く なるよ う に した光電変換装置を提供 する こ とである。
[0053] 本発明の他の目的は、 Egl なる禁制帯幅を有し光を吸収しホ ト キャ リ アを発生する光吸収層と、 光を吸収して生じたキャ リ アを 増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連 続的に変化したステップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数 層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに 積層して構成した光電変換装置であって、
[0054] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層された一方 の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記増倍層の 最小禁制帯幅 Eg2 と略等し く なるよ う に した光電変換装置を提供 するこ とである。
[0055] 本発明の他の目的は、 複数の光電変換部と、 前記光電変換部よ り発生した電気的信号を蓄積する蓄積手段、 前記光電変換部よ り 発生した電気的信号を走査するための走査手段、 前記光電変換部 よ り発生した電気的信号を読み出すための読み出し手段の内、 少 なく と も一つの手段を有する信号出力部とを有する光電変換装置 において、 '
[0056] Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸収しホ トキャ リ アを発生する光 吸収層と、 ¾ 光を吸収して生じたキ ヤ リ アを增倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステツ ブバッ ク構造を一層或いは複数層積層してなる増倍層と、 光吸収 層上に積層した電荷注入阻止層と前記信号出力部を形成した電荷 注入阻止機能を持つ基本との間に狭持するこ とで、 前記光電変換 部を構成した光電変換装置を提供するこ と である。 本発明の別の目的は、 増倍層とは独立した光吸収層をステップ バッ ク層と電荷注入阻止層に挟んだ為、 増倍層への光侵入が低減 され増倍層への光侵入による増倍率の変動が少ない光電変換装置 を提供するこ とである。
[0057] 本発明の別の目的は、 增倍層は、 その最大禁制帯幅 E g 3 と最小 禁制帯幅 E g 2 と の差の伝導帯エネルギ段差である△ E cが大きいス テ ツブバッ ク構造層で電子増倍され、 低雑音でかつ、 充分な増倍 率をと る こ とができ る光電変換装置を提供するこ と である。
[0058] 本発明の別の目的は、 比較的低温で成膜可能な成膜方法、 例え ばプラズマ C V D 法等で、 低温 (例えば、 2 00 〜 300 °C ) かつ大面 積基板に容易に作成され、 また禁制帯幅の制御も組成変調等が容 易にでき るため、 ステ ップバッ ク構造の増倍層も比較的容易にで きるだけでなく 、 熱等による原子の熱拡散等が抑制され、 比較的 確かなステ ップバッ ク構造が、 できる等、 多層に積層する上での 問題を低減する こ とができ る光電変換装置を提供する こ とであ る。
[0059] 本願の別の目的は、 光を吸収しホ トキャ リ アを発生する光吸収 層と、 前記キャ リ アを増倍する增倍層とを独立して有するため、 各層を形成する材料の選択の自由度が増加した光電変換装置を提 供するこ とである。
[0060] 本発明の別の目的は所望の波長の入射光に対する感度が高く 、 低雑音であり 、 大面積化が容易で薄型化可能な光電変換装置を提 供する こ とができ る。
[0061] 図面の簡単な説明
[0062] 第 1 図は従来の光通信用 AP D の構造を模式的に示す縦断面図。 第 2図 (a) はステ ップバッ ク構造の従来の光通信用 APD の縦断 面図、 第 2 図 (b ) は、 無バイ ァス時のバン ドギヤ ップ傾斜層のェ ネルギ帯の構造図、 第 2図(c) は、 逆バイアス電圧を印加したと きのエネルギ帯の構造図である。
[0063] 第 3図(a) は *発 ¾の光電変換装置の実 ¾例を示す概略的断面 構造図、 第 3図(b) は第 3図(a) に示す光電変換装置の熱バイァ ス状態のエネルギ帯図、 第 3図(c) はバイアス印加状蕙のェネル ギ帯図。
[0064] 第 4図(a) ,(b)は一般的なヘテロ接合にバイアス印加した時の 様子を示す説明図であり 、 第 4図(a),(b) はそれぞれ同型(n/n) 接合、 異型(P/n) 接合を示すものである。
[0065] 第 5図は pn接合において、 不純物濃度の分布が異なる場合の電 界 Eの分布 差を説明する説明図であ 。
[0066] 第 6図はへテロ接合においてバン ドギヤ ッブが傾 した構造を 持つ場合の影響を説明する説明図である。
[0067] 第 7図(a) は、 *発明の光電変換装置の実 ¾例を示す概略的断 面構造図であり 、 第 7図(b) は前記光電変換装置にバイアス電圧 を增倍曆に印加した状態のエネルギ帯図。
[0068] 第 8図〜第 1 0図は、 増倍層のエネルギ帯図。
[0069] 第 11図は、 本発明の光電変换装蠹の実麄例を示す回路構成図。 第 12図は光電変換装置の動作を説 ¾する ためのタイ ミ ング チヤ一卜 。
[0070] 第 13図、 第 15図、 第 16図は术発明の光電変換装置の実旄例を示 す概略的断面種造図。
[0071] 第 14図は本発明の光電変換装置の無バイァス状態のバン ドプロ フ ァ イ ルを示すエネルギ帯図。
[0072] 第 17図、 第 20図(a) は *発明の光電変換装置の実旄例を示す概 略的構造図。
[0073] 第 18図(a)、第 19図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。 第 18図(b)、第 19図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 第 20図(b)、第 20図(c) は本発明の光電変換装置の実旄例を示す 回路構成図。
[0074] 第 21図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロック図。
[0075] 第 22図、 第 25図(a) は *発明の光電変換装置の実尨例を示す概 略的構成図。
[0076] 第 23図(a)、第 24図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0077] 第 23図(b)、第 24図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 第 25図(b)、第 25図(c) は太発明の光電変換装置の実尨例を示す 回路構成図。
[0078] 第 26図は一般的な構成の光電変換装置に *発明を用いた場合の 構成を示すブロク図。
[0079] 第 27図、 第 30図(a) は *発 ¾の光電変换装置の実尨例を示す概 略的構造図。
[0080] 第 28図(a)、第 29図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0081] 第 28図(b)、第 29図(b) はバイアス印加状蕙のエネルギ帯図。 第 30図(b)、第 30図(c) は *発明の光電変換装置の実尨例を示す 回路構成図。
[0082] 第 31図は一般的な構成の光電変換装置に *発明を用いた場合の 構成を示すブロック図。
[0083] 第 32図、 第 35図(a) は本発明の光電変換装置の実 ¾例を示す概 略的構成図。
[0084] 第 33図(a)、第 34図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0085] 第 33図(b)、第 34図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 第 35図(b)、第 35図(c) は本発明の光電変換装置の実旄例を示す 回路構成図。 第 36図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロック図。
[0086] 第 37図、 第 40図(a) は *発明の光電変換装置の実旌例を示す概 略的構造図。
[0087] 第 38図(a)、第 39図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0088] 第 38図(b)、第 39図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 第 40図(b)、第 40図(C) は、 本発明の光電変換装置の実尨钧を示 す回路構成図。
[0089] 第 41図は一般的な構成の光電変換装置に *発明を用いた場合の 構成を示すブロック図。
[0090] 第 42図、 第 45図(a) は *発明の光電変換装置の実尨例を示す概 略的構成図。
[0091] 第 43図(a)、第 44図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0092] 第 43図(b)、第 44図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 第 45図(b)、第 45図(c) は本発明の光電変換装置の実尨例を示す 回路構成図。
[0093] 第 46図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロック図。
[0094] 第 47図、 第 50図は *発明の光電変換装置の実尨例を示す概略的 構造図。
[0095] 第 48図(a)、第 49図(a)、第 51図(a) は無バイアス状態のエネルギ 帯図。 '
[0096] 第 48図(b)、第 49図(b)、第 51図(b) はバイアス印加状態のェネル ギ帯図。
[0097] 第 53図、 第 55図(a) は术発明の光電変換装置の実尨例を示す概 略的構成図。
[0098] 第 52図(a)、第 54図(a)、第 55図(a) は無バイアス状態のエネルギ 帯図。
[0099] 第 52図(b)、第 54図(b)、第 55図(b) はバイアス印加状態のェネル ギ帯図。
[0100] 第 56図は太発明の光電変換装置の実旄例を示す概略的構成図。 第 57図(a)、第 58図(a) は無バイアス状態のエネルギ帯図。
[0101] 第 57図(b)、第 58図(b) はバイアス印加状態のエネルギ帯図。 発明を実施するための最良の形簾
[0102] 以下、 第 3図(a) 〜(c) を用いて、 本発明の光電変換装置の構 造及びエネルギ帯の構造を説明する と ともに术発明の作用につい て説明する。
[0103] 第 3図(a) は、 太発明の光電変換装置の構造を示す概略的断面 構造図であり 、 増倍層とは独立した光吸収層 310 と增倍層となる 複数のステップバック構造層 301 , 303 , 305 , 307 , 309 とが、 電荷注 入阻止層となる P型半導体屠 311 と n型半導体曆 315 とで挟ま れ、 P型半導体曆 311 と電極 313 、 n型半導体曆 315 と電極 314 が、 電気的に接続されており 、 ガラス基板 316 上に形成されてい る。 なお、 電荷注入阻止曆となる P型半導体層 311 は、 当然のこ とながら同様の劲果が期待できる、 降接する半導体屠とショ ッ ト キー接合を形成する金属でも良い。 またステップバック構造曆は 五層の場合を示したが、 これに限定されず、 ー曆或いはニ曆以上 であればよい。
[0104] 第 3図(b) は、 上記光電変換装置の無バイアス時の模式的なェ ネルギ帯図である。
[0105] 第 3図(c) は、 上記光電変換装置の逆バイアス時の模式的なェ ネルギ帯図である。 ァバラ ン シ ュ効果と呼ばれる増倍機構の動作原理は、 CapassD らの提案した従来例と同様であるが、 本発明の光電変換装置は、 特に次のよ う な作用を有する。
[0106] (1) 独立した光吸収層 310 をステ ップバッ ク層 301 〜309 と 光入射側に設けた電荷注入阻止層である P型半導体層 311 間に挟んだ為、 光入射側から見て、 前記光吸 5層よ り奥に 設けた增倍層への光侵入が低減され、 増倍層への光侵入に よる増倍率め変動が少ない。
[0107] (2) 増倍層は: 非単結晶性の材料からなるので Δ Ecがイ オン ィヒし き い値エネルギに近いか、 それよ り 大きいステ ッ プ バ ッ ク構造層 (電子増倍の と き 、 ホール増倍のと き は、 Δ Evが大きい) を作りやすく なり、 イ オン化が起こる場所 が特定でき、 かつそのィ オン化の確率を 1 に近づけるこ と ができるので低雑音でかつ、 充分な増倍率がとれる。
[0108] (3) 本発明の適用される光電変換装置の光吸収層及び増倍層 の構成材料と しては、 非単結晶材料が低温での形成及び大 面積化の点で望ま しい。 こ こで非単結晶材料とは多結晶材 料あるいは非晶質材料であ り 、 非晶質材料と しては、 いわ ゆる微結晶構造なるものをもその範疇に含むものとする。
[0109] こ こで微結晶構造とは、 粒径 30Α以上 500 Α以下の微小 な結晶が非晶質中に分散されたものと定義する。
[0110] 具体的には水素及びノ又はハロゲン元素によ り補償され た非晶質シ リ コ ン (以下 a- Si (H.X) と称す) 、 非晶質シ リ コ ンゲルマニウム (以下 a- SiGe(H,X) と称す) 、 非晶質シ リ コ ンカ一バイ ド (以下 a- SiC (H,X)と称す) 又は多結晶シ リ コ ン等であ り 、 又、 非晶質シ リ コ ン と しては、 その薄 膜の X線回折像が J、口一パター ンに加え、 Si [111〗 [220] [311] の各ミ ラー指数で特定されるピークを有するよ うな 結晶性を有する非晶質シ リ コ ンをも含む。
[0111] こ の よ う に 、 素子の構成材料が非単結晶材料であるた め、 プラズマ CVD 法等で、 低温 (例えば、 200 〜 300 °C ) かつ大面積基板に容易に作成され、 また禁制帯幅の制御も 組成変調等容易にできるため、 ステップバッ ク構造の増倍 層も比較的容易にできるだけでなく 、 熱等による原子の拡 散等が抑制され、 比較的確かなステップバッ ク構造ができ る等、 多層に積層する上での問題が低減される。
[0112] また、 特に、 電荷注入阻止層では、 比較的広い禁制帯幅 の材料、 及び ドーピング効果の高い結晶性を有するァモル フ ァスシ リ コ ン等の非単結晶材料で構成できるので、 暗電 流が低減される。
[0113] (4) 光吸収層を形成する材料の選択の自由度が大きいため、 光吸収係数が大きな材料 (例えば水素化アモルフ ァスシ リ コ ン "a-Si:H" 等) を用いるこ とができるため、 光吸収層 の膜厚が薄く でき 、 装置全体を薄く できる。
[0114] (5) 光吸収層の禁制帯幅も前記 (3) と 同様の理由で自由度 が、 増加するので、 種々の波長の入射光に対して、 高感度 の光電変換素子が構成できる。 特に光吸収層 310 の禁制帯 幅 Egl を、 可視部光に対応する禁制帯幅にする事で、 可視 部光に高感度を持たせるこ とができる。
[0115] (実施態様例)
[0116] [光吸収層 ]
[0117] 本発明における光吸収層は増倍層よ り も光入射側に設けられ、 入射した光を吸収してホ 卜キヤ リ アを発生する層である。
[0118] 光吸収層の材料と しては例えば a-Si (H.X) 、 a- SiGe(H,X)、 a - SiC (H. X)、 a- SiGeC (Η,Χ) 等の非晶質半導体材料や w c- Si (H,X)、 μ c- SiGe(H,X)、 p. c-SiC (H, X)等の微結晶質半導体材料や poly- Si、 poly-SiGe、poly- SiC等の多結晶半導体材料等の非単結晶半導体材 料を用いるこ とができる。
[0119] 本発明の光吸収層の禁制帯幅 Egl は可視光に対して高感度な光 電変換装置を提供するため好ま し く は l.leV 以上 1.8eV 以下、 よ り好ま し く は、 1.2eV 以上 1.8eV 以下であるこ とが望ま しい。 ま た、 可視光に加えて赤外光に対しても高感度を得るためには光吸 収層の禁制帯幅 Egl は好ま し く は 0.6eV 以上 1.8eV 以下、 よ り好 ま し く は Q.8eV 以上 1.2eV 以下とするこ とが望ま しい。 また、 可 視光に加えて紫外光に対しても高感度を得るためには光吸収層の 禁制帯幅 Egl は好ま し く は l.leV 以上 3.2eV 以下、 よ り好ま し く は 1.2eV 以上 3.0eV 以下とするこ とが望ま しい。
[0120] 光吸収層に求められる特性及び知見について以下に具体的に述 ベる。
[0121] 光吸収層は光電変換装置に入射する光を、 該光吸収層の全部ま たは一部で、 光電変換の対象と している波長領域の全ての入射光 を実質的に吸収し光電変換するための、 バン ドギャ ップと厚さ と を持っているこ とが望ま しい。 入射光がこれよ り も深く浸透し、 前記光吸収層以降の増倍層に達した光が該增倍層に吸収されホ 卜 キ ヤ リ ァを発生するに充分なエネルギを有する場合には、 増倍層 においてもホ 卜 キヤ リ ァが発生するためイ オン化場所のゆらぎを 引き起こす可能性があるからである。 一般に、 ある光波長ん以下 の光を吸収す るためには、 半導体受光素子は、 h をプラ ン ク定 数、 cを光速度とおく と Eg≤hc / λ = 1240nm-eV / ん [nm]なるバ ン ドギャ ッ プ Egを持たなければならないこ とが知られている。 ま た、 一般に、 受光層表面 (深さ 0 ) から受光層の深さ t までに吸 収される光の入射光に対する比、 すなわち、 光吸収率は、 光吸収 係数を α とおく と、 1 — exp ( — a t)で表わされるこ と も知られ ている。 これらから、 一般に、 例えば、 可視光波長領域 (光波長 約 400 〜 700nm)を対象と した受光を行なおう と した場合、 これら の光、 特に、 素子のよ り 内部まで浸透する長波長の約 700nm の光 のほとんど全てがこの受光領域で吸収され光電変換されるために は、 光電変換素子たる半導体受光素子の受光領域のバン ドギヤ ッ プは約 1.77eV以下が必要であり 、 また、 受光領域の厚さは、 今得 たい光吸収率を P とお く と、 -1/ a - ln (l-p) が必要であり 、 例 えば具体的には、 結晶シ リ コ ンを半導体受光素子の光吸収層 (受 光領域) に用いた場合で、 波長 700 nmの入射光の 90%をこの受光 領域で吸収し光電変換するためには、 実験的に得られている光吸 収係数 a の典型的な値である約 2 X libera— 1 を用いて計算する と、 約 1.15μ ιπ なる光吸収層の厚さが必要であるという知見が得 られる。 また、 この光吸収層で光電変換されて発生したホ トキヤ リ ア (電子と正孔) のうちよ り大きなイ オン化率を持ったキヤ リ ァの方が増倍層に輸送されァバラ ンシ 増倍を開始するよ うな、 ド リ フ 卜電界ないしは拡散電界がこの光吸収層に生じているこ と が望ま しい。
[0122] また、 本発明に使用 し得る光吸収層は、 所望の波長の光に対し て高い感度を持たせる と共によ り広い範囲の波長に効率よ く 対応 するために前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を不均一に変化させても よい。
[0123] 例えば可視光〜赤外光の波長領域に対して高い感度を持つ光吸 収層を形成するには、 該光吸収層の禁制帯幅 Egl を可視光に対し て高感度を得るに好ま しい Egl ' の領域と赤外光に対して高感度 を得るための禁制帯幅 Egl " (Egl' >Egl" ) 〜前述の Egl ' へと 禁制帯幅を変化させた領域と を設ければよい。 また可視光〜紫外 光の波長領域に対して高い感度を持つ光吸収層を形成するには同 様に禁制帯幅 Egl ' 〜Egl "' (Egl ' < Egl "'. ) へと変化する 領域を設ければよい。
[0124] こ こで、 禁制薪幅の変化する領域は前記光吸収層の端部に配す るこ とが望ま し く 、 禁制帯幅が前記光吸収層内では連続に変化す る こ と がキ ャ リ アの走行の点では好ま しい。
[0125] また、 入射する光をよ り効率よ く 吸収しホ ト キャ リ アを形成す るためには、 光の透過 - 吸収に対する禁制帯幅の関係を考慮し、 入射側で禁制帯幅が大き く 、 入射側とは反対側で禁制帯幅が小さ く なる よ う配する こ とが望ま しい。
[0126] —方、 光吸収層と増倍層との界面においても、 イ オン化を起こ させる場合には光入射側とは反対側で禁制帯幅を大き く してもよ い。 この場合、 雑音の発生を防ぐためには禁制帯幅を変化させた 光吸収層の最大禁制帯幅を增倍層の最大禁制帯幅と同程度とする のが好ま しい。
[0127] [增倍層]
[0128] 本発明における増倍層は光入射側から見て前記光吸収層の奧側 に設けられ、 前記光吸収層で生じたホ 卜キ ャ リ アが輸送される と いわゆる アバラ ンシェ効果によ り該キヤ リ ァを増倍する層であ る。
[0129] 本発明における増倍層は、 キャ リ アを ド リ フ ト させる領域とィ オン化を起こす領域とを有しており 、 例えば誘電率の高い層と誘 電率の低い層とを積層した構造であってもよいし、 最小禁制帯幅 Eg2 と最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステ ツ ブバッ ク構造であってもよい。
[0130] いずれの場合であっても増倍層中におけるイ オン化を起こす場 所を特定し得るため、 イ オン化の起こる場所のゆらぎによる雑音 の発生を抑える こ とができる。
[0131] まず誘電率の異なる層を積層して形成する増倍層につき説明す る。
[0132] 前記誘電率の異なる層を積層して形成した増倍層の構成は、 基 本的には、 誘電率の大きな材料と誘電率の小さな材料が交互に配 置されていればよ く 、 一つの例と して、 ァロイ材料で、 その組成 比を変化させるこ とによ っ て誘電率の大きい層と小さい層を形成 して も よい。
[0133] 例えば非晶質 ( アモルフ ァ ス) 窒化シ リ コ ン SizNi-z ( Zは組 成比) を用いて、 誘電率の大きい層と して SixN,— x 層 ( Xは 0.5 よ り大) 、 誘電率の小さい層と して SiyN-y層 ( y は 0.5 よ り小) を交互に配置するこ と によ ってアバラ ンシェ領域を構成してもよ い
[0134] また、 こ う したアバラ ンシヱ領域は上記非晶質窒化シリ コ ン以 外にも、 例えば非晶質炭化シ リ コ ン S d 2、非晶質シ リ コ ンゲル マニウム SizGe,-zなどによっても構成するこ とが可能である。
[0135] また、 本発明の光電変換装置を作成するための製法と しては、 一般には、 堆積法が容易であ り 、 蒸着法、 化学的気相析出 (CVD) 法、 気相ェピタキシ法、 スパク タ法、 分子線ェピタキシ法などの 気相成長による堆積法が利用できる。 また、 こ う した堆積法以外 にも、 イ オン注入法などを用いても構わない。 つま り 、 誘電率の 小さい層を形成するのに、 シ リ コ ンへの水素、 炭素、 窒素などの 打ち込み、 ガ リ ゥム砒素への水素打ち込みなどのイオン注入も有 用である。
[0136] その組成を変えるこ とによ り誘電率およびバン ドギヤ ッブを変 化させた層を容易に形成できる材料と しては、 アモルフ ァ ス材料 や Πί— V族化合物半導体材料などが挙げられる。
[0137] 特に、 アモルフ ァ ス材料に関しては、 グロ一放電法で作成され るのがよ り好ま しいが、 本発明の構造を有する素子を作成するに あた り 、 そ 作成儘度が低温なこ と、 すでに集積回路などが形成 されている半導体装置上にも積層して作成できるこ と、 格子整合 性をあま り気にするこ と なく 幅広く材料が選択でき、 高い自由度 を有するこ と 、 組成変化層を原料ガスの流量比を変化させるこ と だけによつて容易に形成できるこ と、 可視光領域の光に対して高 い感度を有する こ と、 無公害の工業的にも安価な材料も利用でき るこ と、 大面.積の成膜も容易に行えるこ となどの特徵を有してお り 、 したがって、 これを利用すれば、 従来の問題点を全て解決で きる。
[0138] アモルフ ァス材料においては、 さ らに具体的な例と しては、 テ ト ラ ヒ ドラル系のシ リ コ ン、 カルコゲナイ 卜系のセレンなどが ベース材料と して、 また、 シ リ コ ン酸化物、 シ リ コ ン窒化物、 シ リ コ ン酸化窒化物、 シ リ コ ン炭化物、 …などが誘電率の異なる層 やバン ドギャ ップを変化させると層との材料と して利用できる。 この際、 バン ドギャ ッ プ内局在準位を低減したバン ドギャ ッ プ 変化層を形成する には、 禁制帯幅調整剤と して作用するバン ド ギャ ッ プ変化原子の量は、 通常 0.01%以上含有させ、 好ま し く は、 1 〜60原子%、 よ り好ま しく は、 5〜 35原子%である。
[0139] 特に、 シリ コ ン原子をべ一ス材料にして、 グロ一放電法をその 作成方法に利用する場合には、 ベース原料ガスと しては、 Si! , 51 .512116,51 6,513118,31113 ,5丄2 2などの鎖状シラ ン化合物、 または、 Ha などの環状シラ ン化合物が有用で あ り 、 また、 誘電率の異なる層やバン ドギャ ッ プを変化させる 層を作成するための原料ガスと しては、 CH4, CH2F2, C6H6, C2IU, C2H2. Si (CH3) 4 . SiH (CH3) 3 などの炭素化合物、 N2. NH3. H2NNH2, HN3NH4N3, F3N. F4N, などの窒素化合物、 02. C02.N0,N02.fi20,03, N2O3. N2O4. NO3 などの酸素化合物、 GeH4,GeF4 などのゲルマニウ ム化合物、 SnH4などのスズ化合物などが有用である。
[0140] 成膜条件と しては、 a- Si系の成膜を行う際によ く 知られた条件 の範囲が使用可能である。 例えば、 基板の温度は 50〜600 °C、 好 ま し く は 150 〜400 °C、 放電圧力と しては 0.01~ 10Torr、 好ま し く は 0.1 〜 1 Torr、 高周波パヮ一と しては 0.01〜; lOW/cm2 、 好ま し く は 0.1 〜 1 W/cra2 が良い。 また放電周波数と しては、 DC. AC、 特によ く 使われる 13· 56MHzや、 2· 45GHz がよ く 使われるマイ クロ 波等がすべて使用できる。
[0141] さ らにまた、 アバラ ンシヱ領域や後述するブロ ッキング層 (電 荷注入阻止層) ドーピング材料と して使用される原子は、 シリ コ ンに対しては、 第 ΠΙ族および第 V族の原子が有用である。 具体的 には、 第 ΠΙ族原子と しては、 ほう素(B) 、 アルミニウム (Al)、Ga (ガ リ ウム) 、 In (イ ンジウム) 、 T1 (タ リ ウム) などをあげる こ とができるが、 特に好ま しいものは、 B、 Gaである。 また第 V 族と しては、 P (燐) 、 As (砒素) 、 Sb (アンチモン) 、 Bi (ビ スマス) な どをあげる こ とができ るが、 特に好ま しいものは、 P 、 As, Sb である。 こ う した原子の含有量は、 好ま し く は 5 %以 下、 よ り好ま し く は 1 %以下である。
[0142] 以上説明したよ う に、 電圧を印加した際にキャ リ アのイオン化 を起こさないよ うな電界が生じる第 1 の層をキヤ リ ァのィ オン化 を助長するよ う な電界が生じる第 2層で挟むよ うに積層させた、 または第 1 の層と第 2の層とを交互に積層させて複数の第 1 の層 を第 2 の層でそれぞれ挟むよ う に積層させたァバラ ン シ ヱ領域 (増倍層) によ って、 イ オン化を起こす場所を特定し、 イ オン化 の確率を限り く 1 に近づける と いう思想を具現化した低雑音の APD が実現できる。
[0143] こ こで誘電率の小さ い第 1 の層の層厚は好ま し く は 2 0 A以上 2 0 0 0 A以下、 よ り好ま し く は 50 A以上 2 00 A以下とするこ とが望 ま しい。
[0144] ま た、 誘電率の大き な第 2 の層の層厚は好ま し く は 3 0 A以上 3 0 0 0 A以下、 よ り好ま し く は 7 5 A以上 300 Aであるこ とが望ま し い。 第 1 の層と第 2の層との厚さの比は好ま し く は 1 . 5 倍以上よ り好ま し く は 2倍以上であるこ とが望ま しい。
[0145] 続いて最小禁制帯 Eg2 と最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続 的に変化したステップバッ ク構造の増倍層につき説明する。
[0146] 前記增倍層は前述したとお りの禁制帯幅が連続的に変化したス テ ツブバッ ク構造を少なく と も 1 つ有するものである。 こ こで前 記ステ ッ プバツ ク構造の数は所望される増倍率に応じて決定すれ ばよい。
[0147] 禁制帯幅を連続的に変化させたステ ッ プバ ッ ク構造の層 (ス テ ツ ブバッ ク層) を形成するためには該ステ ップバ ク層を形成 する主たる原子の組成を変化させればよい。
[0148] 例えば ΙΠ - V族化合物半導体中の周期律表第 ΠΙ族及び第 V族原 子の含有量を変化させるこ と によ り禁制帯幅を変化させるこ とが でき る。
[0149] また、 他の例と して、 アモルフ ァスシ リ コ ン合金系材料の場合 例えばゲルマ二 ;ゥム原子や炭素原子等の禁制帯幅調整剤と して働 く 原子を含有さ》せ、 所望によ り 、 その含有量を変化させてもよ い。
[0150] 最大禁制帯幅 Eg3 と最小禁制帯幅 Eg2 との差は、 イ オン化が起 こるに充分大き く 、 エネルギバン ド図で示すステップバッ クが、 急峻に変化した構造であるこ とがイオン化の起る場所を特定する ためには望ま しい。 しかしステ ッ プバッ クがある程度なだらかに なっても本願の增倍層と して使用するこ とができる。 前記ステツ プバッ クがなだらかである場合そのなだらかに変化する層領域の 幅 (層厚) は該層領域の材料における電子の平均自由行程以内で あるこ とが望ま しい。 具体的には 1 00 A以下よ り好ま し く は 50 A 以下であるこ とが望ま しい。
[0151] 前記ステ ッ プバッ ク層の層厚はキャ リ アが再結合せずに走行で きる範囲内の厚さであればよ く 、 好ま し く は、 50 A以上 1 m以 王、 よ り好ま し く は 2 00 A以上 1 Q 00 A以下とするのが望ま しい。
[0152] 本発明においては、 増倍層を形成する材料の選択の自由度を高 く するために、 ステ ッ プバ、ソ ク構造を有するステ ッ プバッ ク層 (傾斜バ ン ドギャ ッ プ層) 間に狭持され伝導性を制御する不純物 を高濃度に含有する高濃度不純物層を設けてもよい。
[0153] 前記高濃度不純物層は単層構成であっても多層構成であっても よ く 、 あるいは不純物を層厚方向に不均一に含んでいてもよい。 前記不純物を該層中に不均一に含ませる場合には、 傾斜バ ン ド ギ ャ ッ プ層内の不純物濃度を、 高濃度不純物層側から中央に向 かって連続的に変化させるこ とによ り 、 傾斜バン ドギャ ップ層間 の接合で得られるステップバッ ク部において、 バ ン ドのエネルギ 段差が、 キャ リ アのイ オン化エネルギに対してたとえ不足する場 合であっても、 前記不足する分のエネルギを補い、 ステッ プバッ ク部におけるキ ヤ リ ァのイ オン化を確実にし、 イ オン化の起こる 場所のゆらぎを抑制して、 低雑音化を図るこ とが可能となる。
[0154] なお、 傾斜バン ドギャ ッ プ層においてキャ リ アの ド リ フ ト に必 要なバイ アス以上にバイ アスを印加すると、 ステップバッ ク部に おいて確実にイオン化が行なわれるためバイ アス変動、 温度変化 に対する増倍率の変動がない。 このため、 光電変換装置の駆動法 と して光信号..キヤ リ アを光電変換装置の一端側に蓄積して読み取 るキ ヤ リ ァの蓄積動作が可能である。 また増倍率の温度補償の必 要がない。
[0155] また、 電子 ϋ¾力差によって生じるバン ド段差のエネルギだけ ではキ ヤ リ ァ 'ィオ ン化に必要なエネルギが得られない材料を用 いて低雑音の光電変換装置の作成が可能となるため、 材料の選択 の自由度が広がる。
[0156] 本発明に用いられる材料は、 傾斜バン ドギャ ップ層を形成する ために、 組成が自由に変えられる材料が望ま しい。 また、 高濃度 不純物層の材料は傾斜バン ドギヤ ップ層間の接合で得られるバン ドのエネルギ段差のキヤ リ ァのイ オン化エネルギに対する不足分 のエネルギを不純物添加によって変化するバン ドブロフ ィ ルの効 果を利用し行なう ため、 不純物添加が可能な材料でなければなら ない。 このよ う な条件を満たす材料と しては、 非晶質や多結晶質 等の非単結晶性の半導体材料が好ま し く 、 例えば水素化ァモル フ ァスシ リ コ ン (a-Si:H)系合金、 及び ΠΙ— V族や II 一 VI族の化合 物半導体材料があげられる。 それぞれ、 アモルフ ァスシ リ コ ン系 合金では、 a - SiGe:H, a - SiC:H, a - SiN:H, a - SiSn - H, a - SiO:H,及び a-GeC:H などがあ り 、 ffl— V族では、 A1 · Ga · As · Sb, In - As · Sb,
[0157] InGaAsSbや In -Ga-Aレ As や In · AsP · Sb, InGaAsSbや AlGaP など力 ^あ り 、 II 一 VI族では、 ZnSSe, ZnCdS, HgCdTeなどが利用される。
[0158] 高濃度不純物層ないし傾斜バン ドギャ ップ層内の不純物と して は、 以下に示すよ う なものがある。 アモルフ ァスシ リ コ ン系合金 に対しては P型制御に対して周期律表の第 Π1族原子、 N型制御に 対しては周期律表の第 V族原子が使用される。
[0159] 具体的には、 第 ΙΠ族原子と しては、 B (硼素) 、 A1 (アルミ二 ゥム) 、 Ga (ガ リ ウム) 、 I n (イ ンジウム) 、 Tl (タ リ ウム) 等 が挙げるこ とができ るが、 特に好ま しいものは、 B 、 Gaである。 また第 V族原子と しては、 P (燐) 、 As (砒素) 、 Sb (アンチモ ン) 、 B i (ビスマス) などが挙げるこ とができるが、 特に好ま し いものは P 、 Sbである。
[0160] 高濃度不純物層と しては、 アモルフ ァ スシ リ コ ン系合金のよ う に電子のイ オ ン化を図る場合にはワイ ドノ ン ドギャ ッ プ側を p 型、 ナロ ウバン ドギャ ッ プ側を n型と し、 正孔のイ オン化を図る 場合にはワイ ドノ ン ドギャ ップ側を n型、 ナロ ウバン ドギャ ップ 側を p型とする。
[0161] 高濃度不純物層の組成は、 傾斜バ ン ド ギャ ッ プ層の ワ イ ド ギャ ッブ側にある場合には、 傾斜バン ドギャ ップ層ワイ ドバン ド ギャ ップ端のバン ドギャ ッ プよ りノ ン ドギャ ップが小さ く ならな い様に決めてやる必要があ り 、 傾斜バン ドギャ ッ プ層のナロ ウ ギャ ッ プ側にある場合には傾斜バン ドギャ ッ プ層ナロ ウノ ン ド ギヤ ッ ブ端よ り バン ドギヤ ップが大き く ならない様に決めてやら なければらない。
[0162] 高濃度不純物層の組成の分布については、 ワイ ドバン ドギヤ ッ プ側ではステ ッ プバッ ク部分から傾斜バン ドギャ ッ プ層のワイ ド ギャ ップ端に向かってバン ドギャ ッ プが小さ く なる場合、 ェネル ギバ ン ド の傾斜がゆるやかになり 、 大き く なる場合には、 ステツ ブバッ ク部分で、 伝導帯側では電子親和力差を、 価電子帯側では 電子親和力差とバ ン ドギャ ッ プ差の和を最大の値で、 利用できな い。 またナロ ウノ Xン ドギャ ップ側では、 ステップバッ ク部から傾 斜バン ドギャ ッ プ層のナロ ウバン ドギャ ッ プ端に向かってバン ド ギ ヤ ッ プが大き く なる場合、 エネルギバン ドの傾斜がゆるやかに な り 、 小さ く なる場合にはステップバッ ク部分で、 伝導帯側では 電子親和力差を、 価電子帯側では電子親和力差とバン ドギャ ップ 差の和を最大の値で利用でき ない。 このため、 高濃度不純物層 は、 バン ドギャ ッ プが均一になるよ う組成を、 均一にするのが好 適である。
[0163] 高濃度不純物層における不純物濃度の分布については、 均一な 濃度分布を持つ場合に比べ、 不均一な分布をする場合は、 同等の 効果を得るために必要な最大不純物濃度が、 大き く なり不純物の 添加限界を考慮すると材料の選択の自由度を狭めるこ とがあるた め、 均一な分布が望ま しい。
[0164] 高濃度不純物層の膜厚は、 傾斜バン ドギャ ップ層の両端に高濃 度不純物層を有する場合は、 双方の膜厚の和 C + d aが、 また一端 にのみ高濃度不純物層を有する場合はその膜厚 dが、 キャ リ アの 平均自由行程以下であるよ うに決める。
[0165] 高濃度不純物層の不純物濃度は、 後述するよ うに高濃度不純物 層が完全空乏化した時にかかる電圧が、 ステッ プバッ ク部でキヤ リ アのィ 才ン化工ネルギに対して不足する分のエネルギよ り大き く なるよ う に決定される。 すなわち、 高濃度不純物層が傾斜バン ドギャ ップ層間に多層設ける場合と単層設ける場合とで、 以下の よ うに決められる。
[0166] ① 高濃度不純物層が傾斜バン ドギャ ップ層間に二層設けてあ る場合は、
[0167] E i on— ( x a - 7C i )
[0168] V D = ,
[0169] q
[0170] を満たすよ う な N,, N2 の組みあわせになる 上式において、 添字 1 , 2 はそれぞれワイ ドバン ドギャ ップ, ナロ ウノ ン ドギャ ッ プに対応する ものであ り 、 また、 ε , , ε 2 は高濃度不純物層の誘電率、 は高濃度不純物層の不純物濃 度、 C i , c 2 は高濃度不純物層の電子親和力、 Eionはキャ リ ア のイ オ ン化エネルギ、 e , は上記で決められた高濃度不純物層 の膜厚である。 ただし上式は電子電流の場合であり 、 正孔電流の 場合は、
[0171] Eion - ( 2 - % 1 ) 一 ( Egl ― Eg2)
[0172] VD=
[0173] q
[0174] である。 なお、 Egl . Eg2 は高濃度不純物層のバン ドギャ ップであ る。
[0175] ② 高濃度不純物層が傾斜バン ドギャ ップ層間に単層設けてあ る場合は、
[0176] 2 ε VD Eion- ( χ 2 - χ ι )
[0177] Ν > VD =
[0178] q - d2 q
[0179] で決め られている。 上式において、 ε は高濃度不純物層の誘電 率、 Νは高濃度不純物層の不純物濃度、 dは上記で決められた高 濃度不純物層の膜厚である。 ただし上式は電子電流の場合であり 正孔電流の場合は、
[0180] _ Eion - ( % 2 - X 1 ; 一 I tigi - Eg2)
[0181] V D =
[0182] q
[0183] である。
[0184] また、 こ こでは高濃度不純物層内の不純物濃度分布は均一とす る。
[0185] 傾斜バン ドギヤ ッ ブ層内での不純物濃度のブロフ アイルについ ては、 傾斜バン ドギャ ッ プ層の両端に異型の高濃度不純物層を持 つ場合には両端から中央に向かって不純物濃度を連続的に減少さ せ、 一端のみに高濃度不純物層を有する場合には一端から中央に 向かって不純物濃度を連続的に減少させる。 不純物濃度の変化の 関数は特に限定はないが、 高濃度側でゆるやかに、 低濃度側で急 峻に変化する方が望ま しい。
[0186] こ こでアモルフ ァ スシリ コ ン系合金を例とつて具体的な材料、 数値についてふれておぐ。
[0187] 材料と しては、 たとえば Si , Ge , C の合金で組成を変える事によ り 、 バン ドギャ ッ プは 1 · 1 eV から、 2.5eV 程度まで変化させる事 が可能であるが、 実用上問題のない領域と して、 1.2eV から、 2 · 2eV の範囲で傾斜バン ドギャ ップ層ができるものと考える。 こ れらの材料はバン ドギャ ップが結晶シ リ コ ンの 1. leV 以上あり 、 暗電流低減が図れるバン ドギヤ ッブが最小の 1.2eV,最大の 2.2eV が得られる組成比と してはそれぞれ、 GeZSi^ S , C Z Si二 1.5 であ り 、 作製ガスの流量比と してもほぼ同じ値となる。
[0188] 1.2eV のバ ン ド ギャ ッ プをもつ a-SiGe:Hと 、 2.2eV のノ ン ド ギャ ップをもつ a- SiC:H を不純物を非添加の状態で比べる と、 伝 導帯側のバン ドの段差 Δ Ec(| 3C , — χ 2 |) が 0.9eV、価電子帯側の バン ドのエネルギ段差 Δ Evが 0. leV であり 、 ィ 才ン化係数の大き い電子が輸送される伝導帯側のバン ド段差は、 イ オン化エネルギ である 1.2eV に約 0.3 V不足しているため、 このままでは傾斜バ ン ドギャ ップ層のく り返し構造を作っても、 ステップバッ ク部で 確実にイ オン化を起こすには不充分であり 、 高電界をかけるとィ オン化の場所のゆらぎが生じるこ と も充分予想される。
[0189] このため、 ステ ップバッ ク部でのイ オン化を確実にするため、 傾斜バン ドギャ ップ層の一端に高濃度不純物層を配し、 傾斜バン ドギヤ ッ ブ層中央に向かつ て不純物濃度が減少する構造をとるも のとする。 たとえば高濃度不純物層が a-SiC:H 側ならば、 P型不 純物の Bを添加する。
[0190] アモルフ ァ ス シ リ コ ン系合金では、 不純物層内で電子の平均自 由行程 んは、 典型的には 50A〜1G0 Aで るため、 高濃度不純物 層の膜厚は例えば ん以下の値である 50 A ^する。
[0191] イオン化に必要なエネルギの不足分 Είοη- (χ 2 — χ )は、 この 例では 0.3 eVであるから、 0.3 圧がかかる際に広がる空乏 層巾が、 平均自由行程以下であればよい。 実際には、 高濃度不純 物層が完全空乏化したと きにかかる電圧が、 0.3 V以上であれば よい。 比誘電率は約 6であるので、
[0192] 2 ε VD
[0193] N > = 0.8 1018 (cm"3)
[0194] q · d2
[0195] であればよい。 8.0 x 1018の不純物濃度を実現するには、 原料ガ スの SiH4と CH- に対して B2H6を 0.3 〜0.4 %添加してやれば良 い。
[0196] —方、 a- SiGe:H側に高濃度不純物層を配する場合には、 N型不 純物 Pを添加する。
[0197] 高濃度不純物層の膜厚は 50 A とする。 比誘電率は約 16である。 不純物濃度は、
[0198] N > 2.1 X 1019 (cm"3)
[0199] であればよい。 2.1 X 1019の不純物濃度を実現するには、 SiH4と GeH4に対し、 0.8 〜1.0 %の PH3 を添加してやれば良い。
[0200] 次に、 a- SiC:H 側に、 P型高濃度不純物層、 a- SiGe:H側に n型 高濃度不純物層がある場合を考える。
[0201] 高濃度不純物層の膜厚はそれぞれ 25 A とする。 同じ濃度の不純 物を添加する とする と、 q N ( ε N + ε 2 N )
[0202] d
[0203] 2 ε , · ε 2 N
[0204] = 1.3 x 10— 20 x N
[0205] q · N ( ε i + ε N )
[0206] V
[0207] 2 i · ε 2 N
[0208] = 1.3 Χ Ίΰ- 2° X N
[0209] すなわち、 VD = VD 1 + VD2 = 2.6 x 10一2 0 N > 0.3 Vとな り不 純物濃度は 1.2 X 1019以上あればよい。 この不純物濃度を実現す るには、 成膜時に導入するガス中に 0 · 5 〜 0.6 %以上の B2H6
[0210] PH3 をそれぞれ SiH4と Ci .Sii と GeH4に添加してやれば良い。
[0211] 以上本発明に好適に使用 し得る高濃度不純物層と してァモル フ ァスシ リ コ ン系合金を例と して説明したが本発明に使用 し得る 高濃度不純物層は前述の例のみに限定されるものではない。
[0212] 以下、 バン ドギヤ ッブ傾斜層間に高濃度不純物層を設けた場合 の作用及び効果について図面を用いてよ り具体的に説明する。
[0213] 第 4図 (a) , (b) は電子の増倍を前提と して導電帯側のエネルギ バン ドの変化をみるためにへテロ接合に、 ワイ ドバン ドギャ ッブ 側に負のバイ アスを印加し、 全層を空乏化させた時の様子を示す 説明図である。
[0214] キャ リ ア (電子) が接合部近傍で得るエネルギは、 接合部にお けるエネルギバン ド (伝導帯 : A Ec) に加えて、 接合部近傍の電 界でキャ リ アが加速されて得られるエネルギ、 すなわち接合部か らキ ヤ リ ァの平均自由行程の距離内におけるエネルギバン ドの曲 がり量の和となる。
[0215] 本発明によ り 、 第 4図 (a), (b) の破線円部で示すよ う に、 接合 部近傍に不純物添加がなされる と、 不純物濃度に応じてエネルギ バン ドの曲り が強められ、 接合部近傍でキャ リ アの得るエネルギ が大き く な り 、 イ オン化の確率が高まる。
[0216] 同型半導体の接合の場合には、 第 4図 (a ) のよ う に、 ワイ ド ギャ ッ プ側に強い電界が発生するが、 接合から離れる程電界が強 ま るため、 接合部以外でのイ オン化の確率が高まってしま う。 —方、 異型半導体の接合では、 第 4図 (b ) のよ う に接合部での 電界が最も強ま り 、 接合部でのイ オン化を促進し、 イ オン化の場 所のゆらぎを抑えるこ とができる。 即ち、 バン ドギャ ップ傾斜層 の接合でできるヘテロ接合部ではワイ ドギャ ップノナロ ウギヤ ッ ブで P / n接合、 或いは Pノ i 接合または i ノ n接合にする こ と で、 ステ ップバッ ク部において、 キャ リ アのイオン化に対する不 足分のエネルギを補う こ とができ、 キ ヤ リ アのイ オン化を確実に できる。 ホールの増倍の場合はその逆で η , ρ接合或いは i Z p 接合、 n Z i 接合が好適である。
[0217] 第 5図 (a) . ( b) は傾斜バン ドギャ ップ層内での不純物濃度の分 布が異なる場合のへテロ接合部における電界の変化を示す説明図 である。 それぞれ第 5図 (a) は段階的な変化、 第 5図 (b ) は連続 的な (一次関数的) 変化を示すが、 接合部で同じ電界を発生させ る時には、 ポアソ ン方程式から明らかなよ うに、 不純物濃度が接 合部からゆるやかに変化する方が接合部近傍以外の場所での電界 が小さ く なる。 即ち傾斜バン ドギヤ ッブ層の高濃度不純物層側で 不純物濃度をゆるやかに変えるこ とで、 接合部から離れた点での イ オン化の確率を下げ、 イ オン化の場所のゆらぎを抑えるこ とが できる。
[0218] 第 6図 (a) , ( b ) . ( c ) にへテロ接合部にバン ドギャ ッ プの傾斜を 考慮した概念図を示す。 第 6図(a) の実線は第 6図 (b) に示す均 一な不純物濃度をもつワイ ドギャ ップ層が空乏化した状態、 破線 は第 6図 (c ) に示す均一な不純物濃度をもつ傾斜バン ドギャ ップ 層のワイ ドギャ ッ プ側が空乏化した状態である。
[0219] 図のよ う に傾斜バン ドの方がバン ドギヤ ッブの減少のためにバ ン ドの曲がりがゆるやかになり 、 イ オン化においてはエネルギの 低下とゆらぎの增加をもたらすこ と となる。 このため傾斜バン ド ギャ ップ層端部に、 高濃度不純物層と してバン ドギャ ップの均一 な層を配する事でイオ ン化の場所のゆらぎを抑える事ができる。
[0220] 以上説明したよ う に、 発明によ り キャ リ アのイ オン化の確率 をステ ップバッ ¾ク部で 1 に近づけ、 イ オン化の起こる場所のゆら ぎを抑えるこ とができ、 低雑音化が実現でき る。 その結果と し て、 例えば材料、 製法の自由度のある、 低雑音の APD を提供する こ とが可能であ り 、 また暗電流の抑制された APD を提供するこ と が可能である。
[0221] [電極]
[0222] 本発明の光電変換装置に使用 し得る電極と しては、 まず光入 射側に配される電極材料は、 光電変換する波長の光に対して充 分透過率が高いこ とが望ま しく 、 例えば l n 203, Sn02 , ITO ( In 203 + Sn02 ), S i - Pd- 0 , Pd等の透光性導電材料が望ま しい。
[0223] また、 前記透光性導電材料上に、 く し歯状、 網状、 格子状等の 集電電極を更に設けるこ とによ り電気抵抗をよ り低く するこ と も できる。
[0224] また入射光側とは反対側に設けられる電極は通常の導電性材料 を用いるこ とができる。
[0225] [電荷注入阻止層]
[0226] 上述した電極には、 光吸収層又は増倍層から取り 出す信号とな るキ ャ リ アの走行方向には障壁とはならず電極とはォ一ミ ッ ク接 合するが、 前記信号となるキャ リ アの走行方向とは逆方向への暗 電流のキャ リ アの走行に対しては障壁となる P型、 又は n型の伝 導性を有する電荷注入防止層 (ブロ ッ キ ング層) を設けて も よ い 0
[0227] 前記電荷注入阻止層を設ける こ と に よ り電極からの不必要な キ ヤ リ ァの注入を阻止し得るので暗電流による雑音をさ らに減す こ とができる。
[0228] 前記電荷注入阻止層は光吸収層又は増倍層と同様の材料に伝導 性を制御し得る不純物を含ませた材料で形成するこ とができ る。
[0229] 電荷注入阻止層の厚さは好ま し く は 50 A以上 2 0 Q Q A以下、 よ り 好ま し く は 1 0 0 A以上 3 0 0 A以下とするのが望ま しい„
[0230] 電荷注入防止層に含まれる不純物は良好な才ーミ ッ ク接合と電 荷注入の阻止能を該層が有するために用いられ、 該層の導電率と して好ま し く は 1 0 S/ cm以上、 よ り好ま し く は 1 0— 3 S/ cm以上とさ れるのが望ま しい。
[0231] [バイ アス電圧]
[0232] 本発明の光電変換装置を作動させる際に印加するバイ アス電圧 は、 少なく と も增倍層を空乏化し得かつ、 バン ドギヤ ッ プ傾斜層 (ステ ッ プバッ ク層) 内又は低電界層内ではキャ リ アの ド リ フ ト は起こるが、 イ オン化は起こらない電界が生じる程度であってバ ィ ァス印加時に增倍層内のエネルギ準位の急変する箇所であるス テツプバッ ク領域においてイオン化を選択的に起こすよ う印加す る。
[0233] 実施態様例
[0234] (実施態様例 1 )
[0235] 以下、 本発明の光電変換素子について実施態様例に基づいて説 明する。
[0236] 第 7図 (a) は、 本発明を特徴づける光電変換素子の一実施態様 例を概略的に示す断面図である。 なお、 本素子の構成要素を明瞭に図示するよ うにしたため、 素 子の大きさ、 各層の厚さ等はある程度誇張されている。
[0237] 第 7図 (a) に示した素子は、 素子に電圧を印加するまたは信号 を取 り 出すための才ーミ ッ ク接触層、 いわゆる電極 1 および 6 と、 電極 1 からのキャ リ アの注入を阻止するためのブロ ッ キング 層 (電荷注入阻止層) 2 と、 電極 6 からのキャ リ アの注入を阻止 するためのブロ ッ キング層 5 と、 それらに挟まれた、 電極 1 側か ら本素子に入射した光に対して該光を吸収しホ 卜キャ リ アを発生 し光電変換を行なう ための受光層 3 と、 全体と して 4で示されて いる複数の誘電率変化層から構成されているァバラ ン シ ュ領域 (増倍層) と、 から構成されている。 さ らにァバラ ンシ 領域 4 は積層領域であ り 、 ある誘電率を持っ た層 7, 9, 11および 13 と、 それらよ り も小さい誘電率を持った層 8, 10および 12が交互 に配置される積層構成を取ってお り、 こ こで衝突電離によるアバ ラ ンシヱ増倍がおきる。
[0238] 第 7図 (a) で、 光入射側に配置されている電極 1 は、 光電変換 を行ないたい波長領域の光に対して十分透過率が高いこ とが望ま しい。 例えば、 可視光波長領域 (光波長約 400 〜 700nra)に対して は、 IT0 (イ ンジウムースズ酸化物) 、 パラジウム一ケィ素酸化 物、 パラジウムなどがこれにあたる。
[0239] 第 7図 (a) で、 ブロ ッ キング層 2 が光電変換機能を有してい て、 受光層 3の一部となっていてももちろん構わない。 ブロ ッキ ング層については、 本素子にと って暗電流成分となるキャ リ アの 電極からの注入に対してはそれを有効に阻止し、 一方では、 信号 電流成分となるキ ャ リ アの取り 出しに対しては電極とのォーミ ツ ク接触性を持っ ている こ とが望ま しい。 例えば、 一つの例 と し て、 ブロ ッ キング層 2が P型半導体、 ブロ ッ キング層 5が N型半 導体で構成される場合には、 ブロ ッ キング層 2 は電極 1 からの電 子の注入を有効に阻止し、 一方の正孔に対しては電極 1 との才ー ミ ッ ク接触性を有し、 また、 ブロ ッ キング層 5 は電極 6からの正 孔の注入を有効に阻止し、 一方の電子に対しては 6 とのォーミ ク接触性を有しているこ とが望ま しい。
[0240] 第 7図 (a) ではァバラ ン シ 領域 4は全体で 7つの層から構成 されているが、 この層の数は単なる一例であ り 、 所望の増倍率に 応じて増減出来る。 ァバラ ンシ 領域 4を構成する、 ある誘電率 を持った層 7, 9, 1 1および 13と、 それらよ り も小さい誘電率を 持った層 8, 10および 12それぞれの厚さは、 本素子に所望のバイ ァス電圧が印加されたときに、 ある誘電率を持った層 7, 9 , 1 1 および 13には主にキャ リ アの ド リ フ ト電界が、 また、 それらよ り も小さい誘電率を持った層 8, 10および 12には、 アバラ ンシェ増 倍を起こ したい方のキ ヤ リ ァのイオン化を促進するための電界が 生じるよ う に調整されている必要がある。 基本的には、 アバラ ン シェ領域 4が少なく と も空乏状態となるよ うに所望のバイ アス電 圧が電極 1 および 6 に印加されていなければならない。 こ う した 構成の場合、 厚さの限界値は、 よ く 知られているよ うに、 印加さ れるバイ アス電圧、 誘電率、 不純物 ドーピ ングや欠陥準位ゃ界 面準位などの空間電荷密度、 層の数によ っ て決定される。 アバ ラ ン シュ領域 4を構成する誘電率の異る各層の厚さは、 約 20 A〜 10000 Aであるのが望ま しいが、 上の条件を満たせば、 これよ り も厚く ても薄く てもよい。 これらの層の誘電率は、 一定値であつ ても、 変化しても構わないが後述するとお り 、 誘電率の異る各層 はその誘電率の比が 1 . 5 以上であるこ とが望ま しい。
[0241] また、 光吸収層で生じたホ 卜 キャ リ ア (正孔、 電子) の両者共 が増倍されるのではなく アバラ ンシェ増倍は、 よ り大きなイ オン 化率を持ったキャ リ アのみで起こるこ とが望ま しい。
[0242] 本素子で発生する暗電流のうち、 電極からのキャ リ アの注入成 分は上記のブロ ッ キング層 (電荷注入防止層) によ り有効に抑制 されるが、 も う一つの主原因である素子内部における熱的発生成 分も有効に抑制するためには、 本質的には、 素子を構成する材料 のバン ドギャ ップが大きい方が好ま しい。 例えば、 可視光波長領 域を対象と した半導体受光素子を構成する場合には、 好ま し く は、 結晶シ リ コ ンのバ ン ド ギ ャ ッ プの 1 . 1 2 eV程度以上のバ ン ド ギャ ップを持っているこ とが好ま しい。 例えば、 グロ一放電で作 られた、 水素が約 1 5原子%程度含まれたアモルフ ァ スシ リ コ ン は、 バン ドギャ ッ プが約 1 · 7 eV であり、 このよ う な条件を満たす 材料の一つと してあげられる。 本発明のよ うに、 こ う したバン ド ギャ ップを持つこ とによ り 、 素子内部での暗電流の熱的発生も抑 制するこ とができ、 半導体受光素子の低雑音化がさ らに促進され る。
[0243] 第 7図(b) に、 第 7図 (a) に示したよ うな素子構造を有する半 導体受光素子にバイ アス電圧を印加した場合の、 ァバラ ンシュ領 域の一部分のエネルギ帯構造を示す。
[0244] 第 7図 (b ) は、 層厚 £ ! 、 誘電率 ε , を持った層 2 1 , 23 および 25と、 それらヒ同じバン ドギャ ップ、 同じ電子親和力を持ち、 か つ、 層厚 £ 2 、 それらよ り も小さい誘電率 ε 2 を持った層 2 2およ び 24とから構成されている。 さ らに、 このと き、 これらのァバラ ンシュ領域を構成している各層は空乏化し、 また、 不純物 ドーピ ングゃ欠陥準位や界面準位などに起因する空間電荷が全く ないと している。 こ う した場合には、 各層に印加される電界は、 各層の 中の誘電率のみに依存し、 エネルギ帯は図に示したよ うに各層の 中で直線的に変化する。 かかる素子において、 アバラ ンシヱ領域 (增倍層) の両端に印加される電圧を V、 ァバラ ンシ 領域の誘 電率 ε 】 の層の総数を m十 〗 、 誘電率 ε 2 の層の総数を mとおく と、
[0245] 誘電率 ε , の層の電界 Ε,は、
[0246] Ε , = V/ ( (m + 1) · -β ! -I- m · ε ι / ε Ά 2 )
[0247] 誘電率 ε 2 の層の電界 E 2 は、
[0248] E2 = V/ ( (m+1) - ε 2/ ε , - Q + m ) と なる
[0249] これから、 誘電率の比 が大きいほど E iは小さ く E 2は大 き く なる こ とが分かる。
[0250] 従って、 誘電率 ε . が大き く 電率 ε が さいならば、 誘 電率 ε , の層の電界 は小さ く な誘る。 つま り誘電率 ε , の層は低 電界層となる。 この時誘電率 ε 2 の層は高電界層となる。
[0251] 特に、 例えば、 mが大きい と きには、 上式から、 E2と の比 EaZ E,は、 ε 2 と ε ! の比 ε 2 / ε 1 に近似的に等し く なるこ と がわかる。
[0252] かかる素子の、 好ま しい実施態様においては、 所望のバイ アス 電圧を印加したと きに、 Ε ,がキャ リ アの ド リ フ ト は起こすが、 ィ オン化閾値よ り は小さい電界、 £2がキャ リ ア (こ こでは電子) の イ オン化閾値とほぼ等しいかまたはそれよ り も大きい電界となる よ うに、 ε 1 / ε 2 が選ばれている。
[0253] これについて、 さ らに詳細に説明する。 イ オン化率とは、 換言 すれば、 単位距離あた り にイオン化の起こる平均回数のこ とであ り 、 したがって、 イオン化率と層厚との積がその層で起こるィ ォ ン化の平均回数となる。 そうすると、 誘電率 ε , の層の平均ィ 才 ン化回数は - Ά ! で表わされ、 また誘電率 ε 2 の層の平均 イ オ ン化回数は α 2 - ·6 2 で表わされる こ と と なる。 こ こで、 α 1 , α 2 はそれぞれ誘電率 ε t の層の電子のイ オン化率、 誘電 率 ε 2 の層の電子のイ オン化率である。 いま上述した好ま しい実 施態様においては、 少なく と も、 誘電率 ε 2 の層の平均イオン化 回数が、 誘電率 ε » の層の平均イ オン化回数よ り も大きいこ とが 必要であり 、 したがって、 α 2 · £ 2 > α , · ·6 , が満たされて いなければならない。 この不等式と、 実験的に広く 確かめられて いるイ オン化率の電界依存性の式 α ! = Αι - exp (-β,/Ε,) および α 2 = Α2 · exp (-Bz/E2) ( こ こで、 A B^A^Bs は材料固有のあ る定数) 、 さ らに、 Gauss の法則 ε , · Ε, = ε 2 · Ε2とから容易 に、 誘電率の小さい層の中ないしはその近傍でのみイ オン化を起 こすためには、 少なく と も誘電率の比 ε 2 / ε , が 1 よ り も大き く な らなければならないこ とが導かれる。 さ らに、 また、 層厚 Ά ! , β 2 の選釈の自由度、 素子設計の自由度をよ り広げるため には、 この誘電率の比 ε 2 ノ ε , はなるべく 大きい方がよ く 、 好 ま し く は、 1.5 以上、 よ り好ま し く は 2.0 以上とするこ とが望ま しい。
[0254] また、 よ り誘電率の小さい層の中ないしはその近傍で、 1 つの 層ごと にイ オ ン化がたかだか 1 回だけ起こ るよ う に、 その厚さ Ά 2 、 および、 印加されるバイ アス電圧が選ばれている。 した がって、 イ オンィヒを起こす場所を素子の中の、 誘電率 ε 2 の層の と ころに特定するこ とができ、 つま り 、 アバランシェ增倍の過剰 增倍雑音の発生原因の一つである、 イ オン化を起こす場所のゆら ぎをなく すこ とができるので、 低雑音のアバランシェ增倍を行な う こ とができる。 たとえ、 よ り小さな誘電率 ε 2 の層の電界がィ オン化閾値よ り も小 く ても、 よ り大きな誘電率 ε , の層の ド リ フ 卜電界から不足分を供給できるので、 この場合も、 イ オン化を 起こす場所を誘電率 ε 2 の層のごと く 近傍に特定する こ とがで き、 低雑音のアバラ ンシェ増倍を行なう こ とができる。 こ こで、 第 7図 (a) 、 第 7図 (b) に示した実施態様のアバラ ン シニ動作について簡単に説明する。 入射光は電極 1 を有効に透過 し、 受光領域、 すなわち、 ブロ ッ キング層 2または受光層 3また はアバラ ンシヱ領域 4の第 1層 7で吸収され、 キャ リ ア (電子と 正孔) を発生させる。 このうち、 イオン化率の大きい方のキヤ リ ァ (この場合電子と している) が、 ァバラ ンシ 領域の第 2層 8 に向かって ド リ フ 卜する。 層 8はよ り誘電率の小さい層であ り 、 上に述べたよ う に、 こ こないしはこの近傍で、 電子はイ オン化す る。 イ オン化して增倍した電子は、 よ り誘電率の大きい第 3層 9 中を第 4層 10に向かって ド リ フ トする。 こ う した、 よ り誘電率の 大きい層における ド リ フ ト と、 よ り誘電率の小さい層ないしはそ の近傍におけるイ オン化が各々の層で繰り返される。
[0255] かかるアバラ ンシェ增倍の層ごとの利得については、 電子がよ り誘電率の小さい層ないしはその近傍でイオン化を起こすごとに 正確に 2倍ずつになるこ とが、 さ らに低雑音のアバラ ンシヱ増倍 を行なう上は望ま しい。 実際には、 光学フ オ ノ ンの放出過程など がイ オン化過程と共存し、 層ごとのイ オ ン化の利得は 2— δ とな るこ とが避けられない場合が多い。 したがって、 実際には、 多く の場合、 かかる半導体受光素子の全利得は、 ァバラ ン シ 領域の よ り誘電率の低い層の数を mとおく と、 ( 2 — 5 ) m と なる。 ま た、 このと きの過剰雑音係数 Fは F = l + 0ノ ( 2 — 5 ) - ( 1 一 1 ノ ( ( 2 - ό ) m ) と なる。 δが約 0.1 以下の場合に は、 上式は、 F - 1 + δ · ( 1 — l Z S 1" ) / と、 近似でき、 さ らに、 mが大きければ F = 1 + δノ 2 と近似できる。 δは材料 によって固有の値である。 電子のイ オン化確率は、 電子の状態密 度と関連があるが、 一般には、 電子のエネルギがイオン化閾値ェ ネルギよ り も 0. leV 程度より大きければ、 イ オ ンィヒし、 δが 0.1 以下であるのが普通である。 本発明では、 誘電率の小さな領域に イ オン化エネルギょ り も大きな電界が集中するよ うにしているの で、 δ が 0 . 1 以下になるよ うにするのは、 たやすいこ とである。 よって、 本発明によれば、 上式から、 従来の APD の最小の過剰雑 音係数 F = 2 よ り も十分に過剰雑音係数の小ざい低雑音の APD を 実現するこ とができる。
[0256] また、 かかる半導体受光素子においては、 光の吸収または電子 のイ オン化によって発生した正孔が、 電界からイ オン化をするの に十分なエネルギを獲:得しないのが好ま し く 、 これは、 電子と正 孔のイ オ ン化率に差がある材料を用い、 かつ、 印加するバイ アス 電圧値を調整する こ とで実現でき る。 多結晶シ リ コ ンゃァモル フ ァスシ リ コ ンなどは電子と正孔のイ オン化率比が約 1 . 0 以上あ り 、 こ う した材料と して適している。
[0257] 前記イオン化率比の値と しては好ま し く は 5以上、 よ り好ま し く は 1 0以上とするのが望ま しい。
[0258] (実施態様例 2 )
[0259] 次に、 第 7図 (ai のァバラ ンシュ領域 (増倍層) 4を構成して いる各層に、 不純物 ドーピングや欠陥準位や界面準位などに起因 する空間電荷が存在する場合に対する第 2実施態様を示す。 この 場合、 アバラ ンシヱ領域 4が空乏化するよ うにバイ アス電圧を印 加したと きに各層に生じる電界は、 各層の誘電率と空間電荷量に 依存する。
[0260] 第 8図に、 第 7図 (a) に示したよ うな素子構造を有する半導体 受光素子のァバラ ンシ ュ領域の各層がある空間電荷を持つ場合 の、 アバラ ンシェ領域の一部分のエネルギ帯構造を示す。
[0261] 第 8図は、 層厚 β , 、 その層内では位置によ らず一定の全電荷 密度 Ρ ! 、 誘電率 ε ! を持った層 3 1 , 33 および 35とそれらと同じ バン ドギャ ッ プ、 同じ電子親和力を持ち、 かつ、 層厚 £ 2 、 全電 荷密度 P 2 、 それらよ り も小さい誘電率 ε 2 を持つ た層 32および 34とから構成されている。 いま一般に、 ある層の層厚が ·β、 全電 荷密度が一定値 Ρ 、 層数が 1 のと き、 その層にバイ アス電圧が印 加されその層の両端に電位差 Vが生じていたとすると、 その層内 の位置 X ( 0 < X < J2 ) における電界は P o i ss o n の方程式よ り 、 E = p / ε · ( X - β 2 ) + ν / £ となるこ とがわかる。 これ は、 空間電荷が存在する と きは、 電界が直線的に変化するこ とを 示している。 よって、 第 8図に示したよ うに、 アバラ ンシェ領域 の各層がある空間電荷を持つ場合には、 各層の電界は各層中で直 線的に変化し、 したがって、 各層のエネルギ帯は放物関数的に変 化する。 またこ 式から、 電界は、 全電荷密度と誘電率の比 Pノ ε に依存するこ と もわかる。 したがって、 比 ρ , / ε : よ り も比 Ρ 2 / ε 2 を大き く と るよ うにすれば、 層 3 1、 33 および 35には、 イオン化閾値よ り小さい ド リ フ ト電界を、 また、 層 32および 34に は、 イ オン化閾値よ り大きいかほぼそれに等しい電界を生じさせ るこ とができ、 イオン化を起こす場所を誘電率 ε 2 の層の中、 ま たはそのごく近傍に特定するこ とができるので、 低雑音のァバラ ン シヱ増倍を行なう こ とができる。 特に、 電界を集中させたい誘 電率 ε 2 の領域ないしはその近傍に電荷密度の大きな領域を作れ ば、 さ らに電界を集中してイ オン化を促進するこ とができるので 効果的である。
[0262] (実施態様例 3 )
[0263] 次に、 第 7図 (a) に示したよ う な素子構造を有する半導体受光 素子のアバラ ンシヱ領域を構成している各層において、 ある誘電 率を持った層と、 それよ り小さい誘電率を持った層との間にバン ドギャ ップ、 電子親和力の差がある場合の第 3実施態様を示す。 一般に、 誘電率の小さな材料は、 そのバン ドギヤ ッブが大きいと いう傾向にあるので、 アバラ ンシニ領域を構成する複数の誘電率 変化層を構成するために所望の誘電率を持つ材料を幅広く選択し よ う と した場合には、 このよ う に、 ノヽ'ン ドギャ ッ プ、 電子親和力 に差が生じるこ とが多い。 例えば、 ァバラ ンシュ領域を構成する 誘電率の大きな材料と小さな材料の組合わせと して、 シ リ コ ン と シ リ コ ン酸化物、 シ リ コ ン と シ リ コ ン窒化物、 シ リ コ ン と シ リ コ ン炭素ァロイ などがこれにあたる。
[0264] 第 9図に、 第 7図 (a) のアバラ ンシ 領域を構成している各層 において、 ある誘電率を持っ た層と 、 それよ り小さい誘電率を 持った層との間にバン ドギャ ップ電子親和力の差がある場合につ いて、 バイ アス電圧を印加したと きの、 アバランシ c領域の一部 分のエネルギ帯構造を示す。
[0265] 第 9図は、 層厚 Ά , 、 ある誘電率 ε , 、 あるバンギャ ッブ Eg l、 を持った層 41、 43および 45と、 層厚: β 2 、 それらよ り も小さい誘 電率 ε 2 、 それらよ り も大きいバン ドギャ ップ Eg2 を持った層 42 および 4 4とから構 されている。 また、 各層の接合部において は、 伝導帯には、 Δ Ε 価電子帯には Δ Ενなるエネルギ段差が生 じているとする。 き らに、 これらのアバラ ンシェ領域を構成して いる各層は空乏化し、 また、 不純物 ドーピングや欠陥準位や界面 準位などに起因する空間電荷が全く ないと している。 この場合に も、 先に述べた実施態様と同様に、 誘電率の大きい低電界層 4 1 , 43および 45ではキャ リ アの ド リ フ 卜は起こすがイオン化閾値よ り は小さい電界となり 、 また、 誘電率の小さい高電界層 42および 44 では、 隣接する,誘電率の大きな層のエネルギ帯間のエネルギ差が キ ャ リ アのィ ォン化閾値にほぼ等しいかまたはそれ以上となるよ うなよ り大きな電界が生じるよ う に、 誘電率の比 ε , ノ ε 2 が選 ばれている。 まず、 各層の接合部におけるエネルギ段差 Δ Ecない しは Δ Evが、 Bo l t zmann 定数を k、 温度を T とおいたと きに、 kT の数倍程度の範囲内にある場合は、 ある誘電率の小さい層に隣接 する誘電率の大き な層の伝導帯の電子ない しは価電子帯の正孔 が、 その接合部分で散乱や蓄積されるこ となく 、 その誘電率の小 さな層の中を十分有効に通過できるので、 第 7図 (b ) で述べた実 施態様と何ら変わ り なく 、 低雑音の APD を実現できる。 一方、 各 層の接合部におけるエネルギ段差 A Ecないし Δ Ενが、 kTよ り も充 分大きな場合には、 本実施態様において、 ある誘電率の小さい層 に隣接する誘電率の大きな層の伝導体の電子ないしは価電子帯の 正孔が、 その誘電率の小さい層の中を ト ンネル過程や熱的放出過 程によ り十分有効に通過できるよ うに、 その誘電率の小さい層の 厚さが選ばれている。
[0266] ま た、 本実施態様では、 その誘電率の小さ い層を通過する際 に、 なんらかの過程によって、 キャ リ ア (この場合電子) がその エネルギの一部を失ったと しても、 印加するバイ アス電圧を調整 する こ と によ り 、 その不足分を簡単に補う こ とができ る よ う に なっている。 したがって、 その誘電率の小さい層 (高電界層) に 隣接する誘電率の大きな層 (低電界層) のエネルギ帯間のエネル ギ差が電子のイ オン化閾値にほぼ等しいかまたはそれ以上となる よ うな、 よ り大きな電界を生じさせるこ とができる。 こ う した場 合の誘電率の小さい層の厚さは、 約 5〜200 Aが普通であるが、 上の条件が満たせれば、 これよ り も厚く ても薄く てもよい。 その 誘電率の小さい層によ り大きな電界が生じていればいるほど、 そ の層厚は厚く できる。
[0267] かかる半導体受光素子の実施態様のアバラ ン シ ニ動作につい て、 第了図 (a) および第 9図を用いて、 次に、 簡単に説明する。 入射光は電極 1 を有効に透過し、 受光領域、 すなわち、 ブロ ツ キ ング層 2 または光吸収層 3 またはアバラ ンシヱ領域 4の第 1 層 7 で吸取され、 キ ャ リ ア (電子と正孔) を発生させる。 こ の う ち、 イ オ ン化率の大きい方のキ ャ リ ア (この場合電子と して説明 する) が、 ァノ、 'ラ ンシェ領域の第 2層 8 に向かって ド リ フ ト す る。 この場合、 層 8 はよ り誘電率の小さい、 よ りバン ドギャ ッ プ の大きい層であ り 、 上に述べたよ うに、 電子は十分にこの層を通 過し、 よ り誘電率の大きい第 3層 9に達する。 層 7 と層 9のエネ ルギ帯に電子のイ オン化閾値にほぼ等しいかまたはそれ以上のェ ネルギ差が生じるよ う に、 バイ アス電圧を印加し、 誘電率の小さ い層 8 に大き な電界を生じさせているので、 たとえ、 このエネル ギ差が、 イ オ ン化閾値よ り も小さ く ても、 ド リ フ ト電界から不足 分を供給できるので、 こ こないしはこの近傍で、 電子はイ オン化 する。 イ オン化して増倍した電子は、 よ り誘電率の大きい第 3層 9中を第 4層 10に向かって ド リ フ 卜する。 こ う した、 よ り誘電率 の大きい層における ド リ フ 卜 と、 よ り誘電率の小さい層ないしは その近傍におけるイ オン化が各々の層で繰り返される。 このよ う に して、 ィ 才 ン化の場所を特定した、 低雑音の APD が実現でき る。
[0268] また、 かかる半導体受光素子においては、 光の吸収または電子 のイ オン化によって発生した正孔がイオン化をするのに十分なェ ネルギを獲得しないの、が好ま し く 、 これは、 電子と正孔のイオン 化率に差がある前述の材料を例えば用い、 かつ、 印加するバイ ァ ス電圧値を調整するこ とで実現できる。
[0269] また、 さ らに、 本実施態様において、 アバランシヱ領域を構成 している各層に、 不純物 ドーピングや欠陥準位置や界面準位など に起因する空間電荷が存在する場合は、 二つ目に述べた実施態様 に準ずる。
[0270] (実施態様例 4 )
[0271] 次に、 第 7図 (a) に示したよ う な素子構造を有する半導体受光 素子のアバラ ンシェ領域が、 その組成を変えるこ とによ り連続的 に変化するバン ドギャ ッ プを有したある誘電率を持つ層と、 それ よ り小さい誘電率を持った層とから構成される場合の第 4実施態 様を示す。
[0272] 第 10図 (a) に、 第 7図 (a) に示したよ うな素子構造を有する半 導体受光素子のァバラ ン シ ュ領域が、 層厚 5 , 、 ある誘電率 ε , を持ち、 かつ、 その組成を変え る こ と に よ り ある最小バ ン ド ギャ ップ Egl から最大バン ドギヤ ッ プ Egl ' まで連続的に変化し たバン ドギャ ップを持った層 51、 53 および 55と、 層厚 £ 2 、 それ らよ り も小さい誘電率 ε 2 、 それらよ り も大きいか等しいバ ン ド ギャ ッ プ Eg2 を持っ た層 52および 54とから構成されている場合 の、 ゼロバイ アスが印加されたと きのアバランシェ領域のェネル ギ帯の構造の一部を示す。
[0273] 第 10図 (b) には、 第 10図 (a) に示したよ うなエネルギ帯構造を 有するァバラ ン シ ュ領域を持った半導体受光素子にバイ アス電圧 を印加した場合のァバラ ン シ ュ領域のエネルギ帯構造の一部を示 す。
[0274] この実施態様においては、 大きい誘電率 ε , の層の最大バン ド ギャ ップのと ころ と小さい誘電率 ε 2 の層の接合部には、 伝導帯 には A Ec、 価電子帯には Δ Εν' なるエネルギ段差が生じ、 また、 大きい誘電率 ε , の層の最小バン ドギャ ップのと ころ と小さい誘 電率 ε 2 の層の接合部には、 伝導帯には A Ec' 、 価電子帯には Δ Ενなるエネルギ段差が生じるよ う、 大きい誘電率の層の組成が 変化されている。 さ らに、 このエネルギ段差のうち Δ Ecないしは Δ Ενは、 誘電率の大きな層の伝導帯の電子ないしは価電子帯の正 孔が、 誘電率の小さな層の中を十分有効に通過できるよ うにする ために、 kTの数倍程度の範囲内にあるよ うに、 大きい誘電率の層 の組成が変化されている。 さ らに、 これらのアバランシヱ領域を 構成 している各層はバイ アス電圧が印加されたと きには空乏化 し、 また、 不純物 ドーピングや欠陥準位や界面準位などに起因す る空間電荷が全く ないと している。 さ らにまた、 この実施態様に おいては、 '誘電率の比 ε : / ε 2 は、 バイ アス電圧が印加された 場合に、 誘電率の大きい層 5 1、 53 および 5 5ではキャ リ アの ド リ フ 卜 はき起こすがイ オン化閾値よ り は小さい電界とな り 、 また誘電 率の小さい層 52および 54では、 隣接する誘電率の大きな層のエネ ルギ帯間のエネルギ差がキャ リ ア (こ こでは電子) のイオン化閾 値にほぼ等しいかまたはそれ以上となるよ うに、 選ばれている。 この、 誘電率の小さい層の両側のエネルギ帯のエネルギ差は、 誘 電率の小さい層に生じている電位勾配と、 エネルギ段差 A Ec ' の 和である。 エネルギ Δ Ec ' の存在によ り 、 印加するバイ アス電圧 が低く でき 、 さ らに、 バイ アス電圧の変動に起因するアバラ ン シヱ増幅率の変動の抑制をするこ と もできる。 また、 本素子のァ バラ ンシヱ領域を構成する、 その組成を変化させるこ とによって バン ドギャ ッ プを変化させている層において、 組成を変化させる こ とによって、 その誘電率が変化してしまっても、 その層の誘電 率の最小の値が、 アバラ ンシニ領域を構成する小さい誘電率の層 の誘電率に等しいか、 それよ り も大きければ、 何ら支障はない。
[0275] かかる半導体受光素子の実施態様のァバラ ン シ ュ動作につい て、 第 7図 (a) および第 1 0図を用いて、 次に、 簡単に説明する。
[0276] 入射光は電極 1 を有効に透過し、 受光領域、 すなわち、 ブロ ッ キ ング層 2 または光吸収層 3 または増倍層 (ァバラ ンシュ領域) 4 の第 1 層 7 で吸収され、 キ ャ リ ア (電子と正孔) を発生させ る。 このう ち、 イ オン化率の大きい方のキャ リ ア (この場合電子 と して説明する) が、 アバランシヱ領域の第 2層 8 に向かって ド リ フ トする。 この場合、 層 8はよ り誘電率の小さい層であり 、 電 子は十分有効にこの層を通過し、 よ り誘電率の大きい第 3層 9に 達する。 層 7 と層 9のエネルギ帯には、 キャ リ アのイ オン化閾値 にほぼ等しいかまたはそれ以上のエネルギ差が生じるよ うにする ために、 誘電率の小さい層 8 に大き な電界を所持させているの で、 た と え、 このエネルギ差が、 イ オ ン化閾値よ り も小さ く て も、 ド リ フ ト電界から不足分を供給でき、 したがって、 こ こ ない しはこの近傍で、 電子はイ オン化する。 イ オン化して増倍した電 子は、 よ り誘電率の大きい第 3層 9中を第 4層 10に向かって ド リ フ ト する。 こ う した、 よ り誘電率の大き い層における ド リ フ ト と、 よ り誘電率の小さい層ないしはその近傍におけるイオン化が 各々 の層で繰り返される。 こ う して、 イ オ ン化の場所を特定し た、 低雑音の APD が実現できる。
[0277] 又、 かかる半導体受光素子においては、 光の吸収または電子の イ オン化によって、 発生した正孔がイオン化をするのに十分なェ ネルギを獲得しないのが好ま し く 、 これは、 電子と正孔のイオン 化率に差がある材料を用いるか、 または Δ Εν' を A Ec' よ り も小 さ く するかし、 かつ、 印加するバイ アス電圧値を調整するこ とで 実現できる。
[0278] また、 さ らに、 本実施態様において、 アバランシヱ領域を構成 している各層に、 不純物 ドーピングや欠陥準位や界面準位などに 起因する空間電荷が存在する場合は、 二つ目に述べた実施態様に 準ずる。 (実施態様例 5 )
[0279] 次に、 以上説明した構成に係る光電変換素子を二次元に配列し て構成した本発明の光電変換装置の一実施態様について図面を用 いて説明する。
[0280] すでに説明した光電変換素子 30、 読出しパルスおよびリ フ レツ シュパルスを光電変換素子 30に印加するためのコ ンデンサ 33、 光 電変換素子 30から蓄積電圧を読出すためのバイ ポーラ 卜 ラ ンジス 夕 34から構成された基本センサセル構造 35を二次元的に 3 X 3に 配列した光電変換装置の回路構成図を第 11図に示す。
[0281] 第 11図は、 基本セ ンサセル 35、 読出 しパルスお よび リ フ レ ツ シュパルスを印'加するための水平ライ ン 31. 31' , 31" 、 読出し パルスを発生させるための垂直シフ ト レジスタ 32、 基本センサセ ル 35から蓄積電圧を読出すための垂直ライ ン 38, 38' , 38" 、 各 垂直ライ ンを選択するためのパルスを発生する水平シフ ト レジス タ 39、 各垂直ライ ンを開閉するためのゲ一 卜用 M0S ト ランジスタ
[0282] 40. 40' , 40" 、 蓄積電圧をアンプ部に読出すための出力ライ ン
[0283] 41、 読出し後に、 出力ラ イ ンに蓄積した電荷を リ フ レ ッ シュする ための M0S ト ラ ンジスタ 42、 M0S ト ラ ンジスタ 42へ リ フ レ ッ シュ パルスを印加するための端子 43、 出力信号を増幅するためのバイ ポーラ, MOS , FET . J- FET 等で構成されたアンプ 44、 アンプの 出力端子 47、 読出 し動作において垂直ラ イ ン 40, 40' , 40" に 蓄積された電荷を リ フ レ ツ シュするための M0S ト ラ ンジスタ 48, 48' , 48" および M0S ト ラ ンジスタ 48, 48' , 48" のゲー ト にバ ルスを印加するための端子 49によ り構成されている。
[0284] この光電変換装置の動作について第 11図および第 12図に示すタ ィ ミ ングチヤ一 卜 を用いて説明する。
[0285] 第 12図において、 区間 61は リ フ レ ッ シュ動作、 区間 62は蓄積動 作、 区間 63は読出し動作にそれぞれ対応している。 時刻 におい て、 端子 49の電位 65は highレベルであり 、 M1JS ト ラ ンジスタ 48, 48' , 48" は導通状態に保たれ、 各光センサセルは、 垂直ライ ン 38, 38' . 38" を通して接地されている。 この状態でシフ ト レジ ス夕 32から波形 67のごと く パルスが水平ラ イ ン 31に印加される と 、 コ ンデンサ 33を通して 1 行目の光センサセルのベース電圧が 上昇し、 ノ イ ポーラ ト ラ ンジス夕 34が ON状態にな り 、 リ フ レ ツ シュ動作に入り 、 それ以前に蓄積されていた電荷がリ フ レ ッ シュ される。
[0286] 時刻 "において、 ノ ルス 67力 SLow レベルになる と、 1 行目の光 センサセルの ト ラ ンジス夕のベースはエミ ッ 夕に対して逆バイ ァ ス状態とな り 、 次の蓄積区間 62へ移る。 この際 2行目、 3行目の 光セ ンサセルについても、 1 行目の光センサセルと 同様に、 垂 直シフ ト レジス夕 32から、 パルス 67' , 67" が水平ライ ン 3Γ , 31" にそれぞれ印加されることによって リ フ レ ッ シュ動作が行わ れる。
[0287] 蓄積動作区間 62においては、 光照射によ り 、 すでに説明したよ う な光電変換動作および増倍動作が各光電変換素子内で行なわれ る。
[0288] 蓄積区間 62に次いで、 時刻 t3よ り読出し区間 63になる。 この時 刻 t3において、 M0S ト ラ ンジスタ 48, 48' . 48" のゲー ト端子 49 の電位 65を low レベルにする。
[0289] 時刻 t4では、 垂直シフ ト レジスタ 32の出力のう ち、 水平ライ ン 31に接続されたものが波形 69のごと く highレベルとなり 、 この水 平ライ ン 31に接続された 1 行目の 3つの各センサセルの読出し動 作が行われ、 各光セ ンサセルのベース領域に蓄積された信号電荷 によ り 発生した信号電圧はそのま ま垂直ライ ン 38, 38' . 38" に 現われる。
[0290] 次いで時刻 t5において、 水平シフ ト レジスタ 39の出力のう ち、 垂直ライ ン 38に接続された M0S ト ラ ンジスタ 40のゲ一 卜への出力 だけが波形 70のごと く highレベルとな り 、 M0S ト ラ ンジスタ 40が 導通状態とな り 、 出力信号は出力ライ ン 41を通して、 アンプ 44に 入 り 、 出力端子 47から出力される。 この様に信号が読出された 後、 出力ライ ン 41には配線容量に起因する信号電荷が残っている ので、 時刻 において、 M0S ト ラ ンジスタ 42のゲー ト端子 43にパ ルス波形 71のごと く パルスを印加し、 M0S ト ラ ンジスタ 42を導通 状態にして出力ライ ン 41を接地して、 この残留した信号電荷を リ フ レ ッ シュ してやるわけである。 以下同様にして、 スイ ッチング M0S ト ラ ンジス 40' , 40" を順次導通させて垂直ライ ン 38' , 38" の信号出力を読出す。 こ の様に して水平に並んだ一ラ イ ン 分の各光セ ンサセルからの信号を読出 し た後、 垂直ライ ン 38, 38' , 38" には、 出力ライ ン 41と同様、 それの配線容量に起因す る信号電荷が残留しているので、 各垂直ライ ン 38. 38' . 38" に 接続された M0S ト ラ ンジスタ 48, 48' . 48" を、 それのゲー ト端 子 49に波形 65で示される様に highレべルにして導通させ、 この残 留信号電荷を リ フ レ ッ シュする。 ' 次いで、 時刻 t8において、 垂直シフ ト レジスタ 32の出力のう ち、 水平ライ ン 3Γ に接続された出力が波形 69' のごと く highレ ベルとなり 、 水平ライ ン 3Γ に接続された各光センサセルの蓄積 電圧が、 各垂直ライ ン 38, 38' . 38" に読出されるわけである。 以下、 順次前と同様の動作によ り 、 出力端子 47から信号が読出さ れる。
[0291] 以上の説明に いては、 蓄積区間 62と読出し区間 63が明確に区 分されるよ う な応用分野に適用される動作状態について説明した が、 テレビカメ ラのよ う に蓄積区間 62における動作と読出し区間 63における動作が同時に行なわれるよ うな応用分野に関しても、 第 1 2図のパルスタイ ミ ングを変更する こ と によ り適用可能であ る。
[0292] 以上説明した実施態様ではセンサセルを二次元的に 3 X 3 に配 列した場合を示したが、 もちろん、 これに限らず、 配列するセン サセル数を増しても減してもかまわないし、 一次元的にセンサセ ルを配列してライ ンセンサを構成してもかまわない。 一次元的に セ ンサセルを配列してライ ンセンサを構成する場合は、 垂直シフ 卜 レジスタ 32は必要な く なる。
[0293] 以上のよ う な実施態様例の素子は、 そのァバラ ンシュ領域と し て、 基本的には、 誘電率の大きな材料と小さな材料が交互に配置 されていればよ く 、 それらを形成するためには、 様々な材料、 製 法が利用できる。 本素子の各層は、 微結晶でも、 多結晶でも、 ま た、 アモルフ ァスでもよい。
[0294] 尚、 前述の各実施態様例は增倍層と して誘電率の異なる層を積 層したものを例示したが、 本発明はこの誘電率の異なる層を積層 した増倍層に限定されるものではない。
[0295] (実施例 1 )
[0296] 本発明の第 1 の実施例と して f ig 7 (a)を参照し以下説明する。 ガラス基板上に、 電極 6 をクロム、 ブロ ッ キング層 5を N型ァモ ルフ ァ スシ リ コ ン、 アバラ ンシェ領域 4を真性アモルフ ァ スシ リ コ ン と アモルフ ァ ス窒化シ リ コ ン、 受光層 3を真性アモルフ ァス シ リ コ ン、 ブロ ッ キング層 2 を P型アモルフ ァ スシ リ コ ン、 電極 1 を IT0 から構成した素子を示す。
[0297] 本素子は以下の操作によ り作成した。
[0298] まず、 コ一二 ング社製の 7059ガラ ス基板上に、 蒸着装置によ り 、 クロム電極を形成し、 電極の形状が所定の形状になるよ うに エッチングした。
[0299] 次に、 容量結合型の堆積膜形成装置のァソ ー ド電極に基板を 設置し、 堆積室4 Λを約 10_6Torrに排気し、 ヒータによ り 基板を 300 °Cに加熱した。 基板が所定の温度になっ た後に、 ブロ ッ キン グ層形成用の原料ガスと して、 シラ ンガス SiI 30sccni、 および、 水素ガス H2で 500ppmに希釈したフ ォ ス ヒ ンガス PH330sccm を堆積 室に導入^る。 堆積室の内圧が 0.3 Torrになったこ とを確認して から、 高周波電力 (周波数 13.56 MHz ) 0.5 /cm2 を堆積室内に 投入した。 所定の時間グロ一放電を行って、 N型アモルフ ァ スシ リ コ ンからなるブロ ッ キング層を 500 A堆積した。 ブロ ッ キング 層が形成された後、 堆積室内を十分に排気し、 基板温度を室温に まで下げ、 基板を堆積室外へ取り 出し、 ブロ ッ キング層の形状を 所定の形状になるよ うにエッチングした。
[0300] その後、 再び堆積室にその基板を設置し、 ブロ ッ キ ング層と 同様の手順で、 アバラ ンシェ領域と して、 原料ガスシラ ン SiH4 30sccmから 200 Aのアモルフ ァ スシ リ コ ン層と、 原料ガスシラ ン SiH430sccmおよび、 ア ンモニアガス NH330sccra からアモルフ ァ ス 窒化シ リ コ ン層 50A を、 交互にそれぞれ計 6層、 5層を堆積し た。
[0301] さ らに、 つづけて、 同様の手順で、 受光層と して、 原料ガスシ ラ ン SiI 30sccraから 1.5 m のアモルフ ァ スシ リ コ ン層を、 ま た、 ブロ ッ キ ング層と して、 原料ガスシラ ン SiH430sccm、 およ び、 水素ガス H2で 300 ppm に希釈したジボラ ンガス B2H630sccmか ら 500 Aの P型アモルフ ァ スシ リ コ ン層を順次堆積した。
[0302] 最後に、 透明電極と して、 IT0 を蒸着した。
[0303] アバラ ンシヱ領域の各層のバン ドギヤ ッ ブおよび誘電率は、 光 学的に測定したと ころ、 アモルフ ァ スシ リ コ ンに対してそれぞれ 約 1.7eV および約 12、 アモルフ ァ ス窒化シ リ コ ン層に対しては、 約 2. OeV および約 5 であった。
[0304] 本実施例の光電変換素子は、 波長 550nm の光入射を行ったと こ ろ、 下記の比較例 1 に示す光電変換素子に比べて、 信号対雑音比 が約 4倍改善された。
[0305] (比較例 1 )
[0306] 実施例 1 のアバラ ンシニ領域作成時にアンモニアガスを堆積室 に導入しないよ う に した他は、 実施例 1 と同様に して光電変換装 置を作成した。 本比較例 1 には、 本発明の特徴である、 電界の集 中する、 よ り誘電率の小さい層が含まれていない。
[0307] (実施例 2 )
[0308] 本発明の第 2の実施例と して、 ガラス基板上に、 電極 6をクロ ムブロ ッ キング層 5 を N型アモルフ ァスシ リ コ ン、 アバラ ンシェ 領域 4を不純物の ドーピングされたアモルフ ァスシ リ コ ンと真性 アモルフ ァ スシ リ コ ン と アモルフ ァ ス窒化シ リ コ ン、 受光層 3を 真性アモルフ ァスシ リ コ ン、 ブロ ッ キング層 2を P型ァモルフ ァ スシ リ コ ン、 電極 1 を IT0 から構成した素子を示す。
[0309] 本素子は以下の操作によ り作成した。
[0310] まず、 コ一二ング社製の 7059ガラス基板上に、 蒸着装置によ り 、 ク ロム電極を形成し、 電極の形状が所定の形状になるよ うに エッチングした。
[0311] 次に容量結合型の堆積膜形成装置のァノ ー ド電極に基板を設 置し、 堆積室内を、 約 1(Τ6ΤΟΓΓに排気し、 ヒータによ り 基板を 300 "Cに加熱した。 基板が所定の温度になっ た後に、 ブロ ッ キン グ層形成用の原料ガスと して、 シラ ンガス SiH430sccm、 および、 水素ガス H2で 500 ppm に希釈したフ ォ ス ヒ ンガス PH330scctn を堆 積室に導入する.。 堆積室の内圧が 0.3Torr になったこ とを確認し てから、 高周波電力 ( 13.56 MHz ) 0.5W/cm2 を堆積室内に投入 した。 所定の時間グロ一放電を行なって、 N型ァモルフ ァ スシ リ コ ンからなるブロ ッ キング層を 5ϋ0 Α堆積した。 ブロ ッ キング層 が形成.された後、 堆積室内を十分に排気し、 基板温度を室温にま で下げ、 基板を堆積室外に取り 出し、 ブロ ッ キング層の形状を所 定の形状になるよ う にエッチングした。
[0312] その後、 再び堆積室にその基板を設置し、 ブロ ッ キ ング層 と 同様の手順で、 ァバラ ン シ ヱ領域と して、 原料ガスシラ ン SiH4 30sccmか ら 200 A の i 型アモルフ ァ ス シ リ コ ン層 (以下 i 層と 称す) と 、 原料 スシラ ン SiH430sccm、 および、 水素ガス H2で 300ppmに希釈したフ ォ スヒ ンガス ΡίΙ33 seem力、ら 20Aの P型ァモ ルフ ァ スシ リ コ ン層 (以下 P層と称す) と、 原料ガスシラ ン SiH4 30sccm、 および、 アンモニアガス NH330sccm からアモルフ ァ ス窒 化シ リ コ ン層 (以下 SiN 層と称す) 200 Aを、 i 層、 P層、 SiN 層、 P層、 i 層、 …一のよ うに、 つま り 、 SiN 層を P層が挟むよ う に、 ァバラ ン シュ領域の i 層が計 6層と なる まで順次堆積し た。
[0313] さ らに、 つづけて、 同様の手順で、 受光層と して、 原料ガスシ ラ ン SiH430sccm力 ら 1.5 Lt m のアモルフ ァ スシ リ コ ン層を、 ま た、 ブロ ッ キ ング層と して、 原料ガスシラ ン SiH430sccm、 およ び、 水素ガス H2で 300ppmに希釈したジボラ ンガス B2H630sccniから 500 Aの P型ァモルフ ァスシリ コ ン層を順次堆積した。
[0314] 最後に、 透明電極と して、 IT0 を蒸着した。
[0315] アバラ ンシヱ領域の各層のバン ドギャ ップおよび誘電率は、 光 学的に測定したと ころ、 アモルフ ァスシ リ コ ンに対してはそれぞ れ約 1.7eV および約 12、 アモルフ ァス窒化シ リ コ ン層に対しては 約 2.0eV および約 5であった。
[0316] 本実施例の光電変換素子は、 実施例 1 に示す光電変換素子に比 ベて、 信号対雑音比が約 1.2 倍改善された。 - (実施例 3 )
[0317] 本発明の第 3の実施例と して、 ガラス基板上に、 電極 6をクロ ム 、 ブロ ッ キ ング層 5 を N型ア モル フ ァ ス シ リ コ ン 、 ァ ノ ラ ン シェ領域 4を炭素原子の添加によ りバン ドギャ ップが変化させら れたアモルフ ァスシ リ コ ン とアモルフ ァス窒化シ リ コ ン、 受光層 3 を真性アモルフ ァ ス シ リ コ ン、 ブロ ッキング層 2 を P型ァモル フ ァスシ リ コ ン電極 1 を IT0 から構成した素子を示す。
[0318] 本素子は以下の操作によ り作成した。
[0319] まず、 コ一二ング社製の 7059ガラス基板上に、 蒸着装置によ り 、 クロム電極を形成し、 電極の形状が所定の形状になるよ うに エッ チングした。
[0320] 次に容量結合型の堆積膜形成装置のァノ ー ド電極に基板を設 置し、 堆積室内を、 約 10— 6丁 orrに排気し、 ヒータによ り基板を 300 °Cに加熱した。 基板が所定の温度になった後に、 ブロ ッ キン グ層形成用の原料ガスと して、 シラ ンガス SiH430sccni、 および、 水素ガス H2で 500ppraに希釈したフ ォ スヒ ンガス PH330sccm を堆積 室に導入する。 堆積室の内圧が 0.3Torr になったこ と を確認して から、 高周波電力 ( 13.56 MHz ) 0.5Wノ cm2 を堆積室内に投入し た。 所定の時間グロ一放電を行なって、 N型アモルフ ァスシ リ コ ンからなるブロ ッ キング層を 500 A堆積した。 ブロ ッ キング層が 形成された後、 堆積室内を十分に排気し、 基板温度を室温にまで 下げ、 基板を堆積室外に取り 出し、 ブロ ッ キング層の形状を所定 の形状になるよ う にエッ チングした。
[0321] その後、 再び堆積室にその基板を設置し、 ブロ ッ キ ング層と 同様の手順で、 アバラ ンシ ヱ領域と して、 原料ガスシラ ン S iH4 30sccmとメ タ ンガス CH450 〜 0 seem力 ら、 堆積するにしたがって メ タ ンガス量を連続的に減少せしめてそのパン ドギャ ップを変化 さ せた アモルフ ァ ス炭化シ リ コ ン層 500 A と 、 原料ガスシラ ン SiH430sccra、 および、 アンモニアガス NH330sccm 力 らァモリレフ ァ ス窒化シ リ コ ン層 50Aを、 それぞれ計 6層、 5層堆積した。
[0322] さ らに、 つづ ,けて、 同様の手順で、 光吸収層 (受光層) と し て、 原料ガスシ ン SiH430sccmから 1.5 m のアモルフ ァ スシ リ コ ン層を、 ま た、 ブロ ッ キ ング層と して、 原料ガスシラ ン SiH4 30sccm、 お よ び、 水素ガス H2で 300ppmに希釈したジボラ ンガス B2Hs30sccmから 500 Aの P型アモルフ ァスシ リ コ ン層を順次堆積 した。
[0323] 最後に、 透明電極と して、 IT0 を蒸着した。
[0324] アバラ ンシェ領域の各層のバン ドギャ ップは、 光学的に測定し たと ころ、 アモルフ ァス炭化シ リ コ ンに対してはそれぞれ最小バ ン ド ギ ャ ッ プ約 1 · 7eV 、 最大バ ン ド ギャ ッ プ約 2. leV 、 ァモル フ ァ ス窒化シ リ コ ン層に対しては約 2.0eV であった。
[0325] 本実施例の光電変換素子は、 実施例 1 に示す光電変換素子に比 ベて、 信号対雑音比が約 1.8 倍改善された。
[0326] (実施例 4 )
[0327] 第 13図、. 第 14図をも とに実施例 4を説明する。
[0328] 第 13図は本発明の光電変換素子の実施例 4の概略的断面図であ る。
[0329] ガラ ス基板 60 ( コ一ニ ング社製, #7059)上に、 スパ ツ タ法で Crの下部電極 61を 0.2 w ra 堆積させ、 所望の形状にパターニ ン グする。 その後、 容量結合型 CVD 装置にセ ツ 卜 し、 基板温度を 300 。C ίこセ ^ 卜 して、 SiH460sccm、 H2希釈 10% · PH320sccm を導 入し、 ガス圧 0.2Torr の条件で高周波で OJWZcni2 5分 30秒間放 電を行ない、 ホールのブロ ッ キング層 62 (膜厚 1000 A ) を形成し た。
[0330] 次に同じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセ ッ 卜 し て、 ガス導人は SiH4を 60sccm力 ら 6 sccm、 GeH4ガスを 0 sccm力 ら 54SCCH1に、 H2希釈 10% PH3 を 0 sccm力 ら 6 sccmに連続的に変ィ匕さ せて、 ガス圧 0.2Torr の条件で高周波 0.5Wノ cm2 で 5分 30秒間放 電 (堆積①) を行なった後、 到達したガス流量を保ったま ま 8秒 間放電 (堆積②) を続け、 最下層の傾斜バン ドギャ ッ プ層 63 (膜 厚 1000 A ) 及び n型の高濃度不純物層 (膜厚 25A ) 64a を形成し た (なお傾斜バ ン ドギャ ッ プ層を形成する場合、 本実施例では GeH4ガスが ϋ seemの状態があり 、 水素化非晶質シリ コ ン領域を含 んでいる。 後述する実施例でも同様である) 。
[0331] 続いて、 同じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度 300 °Cにセ ッ 卜 して、 SiH424sccm、 CH436sccm 、 H2希釈 10 % B2H66 seemを導入 し、 ガス圧 0.3ΤΟΓΓ の条件で高周波 0.2W/cni2 で 14秒間放電 (堆 積③) を行なった後、 SiH4, CH4 . H2希釈 10% B2H6のガス導入条 イチのみをそ tそれ 24sccm力 ら 60sccm、 36sccm力 ら 0 sccm、 6 seem から O sccniに変化させて、 9分 15秒間放電 (堆積④) を続け (な お傾斜バン ドギャ ップ層を形成する場合、 本実施例では Ci ガス が 0 scentの状態があ り 、 水素化非晶質シ リ コ ン領域を含んでい る。 後述する実施例でも同様である) 、 さ らにひき続き、 堆積 ①、 堆積②を行なって、 高濃度不純物層 64b (膜厚 25A ) 、 傾斜 バン ドギャ ップ層 63 (膜厚 2000 A ) 、 高濃度不純物層 64a (膜厚 25 A ) を 1 周期形成した。 この操作をも う一周期分 く り 返 した 後、 最後に堆積③、 堆積④を行なって最上層の高濃度不純物層 64b 及び傾斜バン ド ギャ ッ プ層 63 (膜厚 1000 A ) を形成し、 合計 3段のステ ツ プバッ クを形成した。
[0332] その後同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセ ッ ト して、 SiH430sccra. H230sccmを導入 し、 ガス圧 0.3 Torrの条件 で高周波 0.2WZcin2 で 75分間放電を行ない、 光吸収層 65 (膜厚 8000 A ) を形成した。
[0333] 続いて同じ ぐ容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセ ッ ト して、 SiH424sccm, I"希釈 10 % B 2H620 seem , CI 36sccmを導入 し、 ガス圧 0.3Torr の条件で高周波 0- 2WZcm2 で 5分間放電を行 ない、 電子のブロ ッ キング層 66 ( 膜厚 &00 A ) を形成した。
[0334] その後半導体層 62〜66を所望の形状にパターニングし、 半導体 層のアイ ソ レ一 ョ ンを行なった。
[0335] このあと、 容量結合型 CVD 装置で、 基板温度を 300 でに して、 水素希釈 10% SiH4ガスを lOOsccm . 99.999% ( NH3 ガスを
[0336] 100 seemの流量で、 ガス圧を 0.4 Torrに調節して高周波電力
[0337] 0.01W ノ cm2 で 1 時間放電し 3000 A SiNx膜による保護層 67を形成 した。 このあと SiHx膜をパターニングし、 上部電極用コ ンタク ト ホールを形成したのち、 スパッ タ法によ り IT0 の上部透明電極 68 を 700 A形成し素子を作成した。
[0338] 上記の様に して作成された光電変換素子について評価したと こ ろ次の様な結果を得た。
[0339] (1) 10V以上の逆バイ アスを印加ある事によ り、 8倍の増倍率 が得られた。 50V以上の高電界でも増倍率は 8倍のまま飽和 していた。 このため 15V程度の低電界で蓄積動作モー ドでセ ンサの駆動が可能である。 また光電流と暗電流の比は増倍の ない C- Sipnセンサとほぼ同等のものが得られた。
[0340] (2) 高濃度不純物層及び、 傾斜バン ドギャ ッ プ層内の不純物添 加がない光電変換素子に比べ 8倍の増倍率で雑音が約 1 / 2に 低減された。
[0341] (3) 温度変化 ( 5 °C〜 90°C ) に対する増倍率の変化がなく 、 通 常の APD では必ず必要であっ た温度補償が必要ない。
[0342] (実施例 5 )
[0343] 第 15図は本発明の光電変換素子の実施例 5の概略的断面図であ る。
[0344] ガラス基板 70 (コーニング #7059)上に、 スパッ タ法で Crの下部 電極 71を 0.2 m堆積させ、 所望の形状にパターニングする。 そ の後、 容量結合型 CVD 装置にセッ 卜 し、 基板温度を 300 °Cにセッ 卜 して、 SiH460sccm, H2希釈 10 % PH320sccm を導入 し、 ガス圧 0- 2Torr の条件で高周波で ノ cm2 5分 30秒間放電を行ない、 ホールのブロ ッ キング層 72 ( 膜厚 1000 A ) を形成した。
[0345] 次に、 同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセ ッ ト して、 ガス導入は SiH4を 60sccm力 ら 6 sccm、 GeH*ガスを 0 sccra力 ら 54sccmに、 連続的に変化させて、 ガス圧 0.2Torr の条件で高 周波(に 5WZ cm2 で 5分 30秒間放電 (堆積①) を行ない、 バ ン ド ギャ ップ傾斜層 73 (膜厚 ) を形成した。
[0346] 続いて、 同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度 300 °Cにセ ッ 卜 して、 SiH424sccm. CH436sccm. H2希釈 10 % B 2H66 sccmを導人し、 ガス圧 0.3ΤΟΓΓ の条件で高周波 0.2WZ cm2 で 28秒間放電 (堆積
[0347] ②) を行なっ た後、 SiH4, CH4 , H2希釈 10% B2H6のガス導入条件 のみをそれぞれ 24sccm力 ら 60sccni, 36sccm力 >ら 0 sccm. 6 sccm力 ら ϋ sccmに変化させて、 9分 15秒間放電 (堆積③) を続け、 さ ら に、 ひ き続 き 、 堆積①を行なっ て、 高濃度不純物層 74 (膜厚 5 ϋ Α ) 、 傾斜バン ド ギヤ ッ プ層 73 (膜厚 2000 A ) を一周期形成 し、 この操作をも う一周期分繰り返した後、 最後に堆積②、 堆積
[0348] ③行なって最上層の高濃度不純物層 74及び傾斜バン ドギヤ ップ層 73を形成し、 合計 3段のステッ プバ クを形成した。
[0349] その後、 同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 にセッ 卜 して SiH430sccm, H230sccmを導人し、 ガス圧 0.3Torr の条件 で高周波 cm2 で 75分間放電を行ない、 光吸収層 75 ( 膜厚 8000 A ) を形成した。 .
[0350] 続いて、 同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセッ 卜 して、 SiH424sccm. H2希釈 10% B2H620sccm, CH^ 36sccmを導人 し、 ガス圧 0.3Torr の条件で高周波 0.21ノ cm2 で 5分間放電を行 ない、 電子のブロ ッ キング層 76 (膜厚 500 A ) を形成した。
[0351] その後半導体層 62〜66を所望の形状にパターニングし、 半導体 層のアイ ソ レーショ ンを行なった。
[0352] このあと、 容量結合型 CVD 装置で、 基板温度を 300 °Cにして、 水素希釈 10% SiJ ガスを 100 seem, 99.999% CONH3 ガスを
[0353] 100 seemの流量でガス圧を 0.4 Torrに調節して高周波電力
[0354] 0.01W /cm2 で 1 時間放電し、 3000 Aの SiNx膜によ る保護層 77を 形成した。 このあと SiHxをバタ一ニングし、 上部電極用コ ンタク 卜 ホールを形成したのち、 スパク タ法によ り IT0 の上部透明電極 78を 700 A形成し素子を作成した。
[0355] 上記の様に して作成された光電変換素子について評価したと こ ろ、 増倍率 8倍で光電流と暗電流の比が増倍のない C-Sipnセンサ の約 3倍大きなものが得られた。 また、 雑音は傾斜バン ドギヤ ッ ブ層内の不純物添加及び高濃度層がない光電変換装置に比べ、 8 倍の増倍率で約 1 Z 1- 7 に低減された。 他の効果は実施例 1 と同 じであった。
[0356] (実施例 6 ) ;
[0357] 第 16図は本発明の光電変換素子の実施例 6の概略的断面図であ る。 ガラス基板 80 (コ一二ング #7059)上に、 スパ ツ 夕法で Crの下部 電極 81を 0.2 堆積させ、 所望の形状にパターニングする。 そ の後、 容量結合型 CVD 装置にセッ 卜 し、 基板温度を 300 °Cにセ ッ 卜 して、 SiH460sccm, H2希釈 10 % PH 32 Osccm を導入し、 ガス圧 0.2Torr の条件で高周波で ノ cm2 5分 30秒間放電を行ない、 ホールのブロ ッ キ ング層 82 ( 膜厚 ΙϋΟΟ A ) を形成した。
[0358] 次に、 同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセッ 卜 して、 ガス導人は SiH4を 60sccm力 ら 6 sccm、 GeH4ガスを 0 sccm力 ら 54sccmに、 H2希釈 10% PH3 を 0 sccm力 ら 6 seemに連続的に変ィ匕 させて、 ガス圧 0· 2ΤΟΓΓ の条件で高周波 0. 5«ノ^2 で 5分 30秒間 放電 (堆積①) を行なった後、 到達したガス流量を保ったま ま 16 秒間放電 (堆積②) を続け、 最下層の傾斜バン ドギャ ッ プ傾斜層 83 (膜厚 1000 A ) 及び n型の高濃度不純物層 (膜厚 50A ) 84を形 成した。
[0359] 続いて同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度 300 °Cにセ ッ 卜 して、 ガス導人は Siii4を 24sccm;^ら 60sccm, CH4 を 36sccm力 ら 0 seemに変化させて、 ガス圧 0.3Torr の条件で高周波 0.2 cm2 で 9分 15秒間放電 (堆積③) を続け、 さ らに、 ひき続き、 堆積 ①、 堆積②を行なって、 バン ドギャ ッ プ傾斜層 83 (膜厚 2000 )、 高濃度不純物層 84 (膜厚 50 A ) を 1 周期形成した。 この操作をも う一周期分く り返した後、 最後に堆積③行なって最上層の傾斜バ ン ドギャ ッ プ層 83 (膜厚 1000 A ) を形成し、 合計 3段のステップ バ、リ クを形成した。
[0360] その後、 同じ く 容量結合型 CVI) 装置で基板温度を 300 "Cにセッ 卜 して SiH430sccm, H230sccmを導人し、 ガス圧 0.3Torr の条件 で高周波 0- 2WZ Cra2 で 75分間放電を行ない、 光吸収層 85 ( 膜厚 8000 A ) を形成した。 続いて同 じ く 容量結合型 CVD 装置で基板温度を 300 °Cにセ ツ ト して、 Si(U24se0ra, ,.H2希釈 10% B2H620sccm. CH436sccm を導入 し、 ガス圧 0.3Torr の条件で、 高周波 0.2 cm2 で 5分間放電を 行ない、 電子のブロ ッ キ ング層 86 (膜厚 500 A ) を形成した。
[0361] その後半導体層の 82〜86を所望の形状にパターニングし、 半導 体層のアイ ソ レ一シ ョ ンを行なっ た。
[0362] このあと容量結合型 CVD 装置で、 基板温度を 300 °Cにして、 水 素希釈 10% SiH^ガスを 100 sccm, 99.999% ( NH3 ガスを
[0363] 100 sccmの流量でガス圧を 0.4 Torrに調節して高周波電力
[0364] 0.01 / cm2 で 1 時間放電し、 3000 A SiNx膜による保護層 87を形 成した。 このあと SiHx膜をパターニングし、 上部電極用コ ンタク 卜 ホールを形成:したのち、 スパ タ法によ り IT0 の上部透明電極 88を 700 A形成した。
[0365] 上記の様にして作成された光電変換素子について評価したと こ ろ、 増倍率 8倍で光電流と暗電流の比が增倍のない C- Sipnセンサ の約 10倍大きなものが得られた。 また、 雑音は傾斜バン ドギヤ ヅ ブ層内の不純物添加及び高濃度層がない光電変換装置に比べ、 8 倍の増倍率で約 1 ノ1.5 に低減された。 他の効果は実施例 4 と同 じであった。
[0366] (実施例 7 )
[0367] 以下、 第 17図及び第 18図 (a)、 (b) を用いて本発明の第 1 実施例 について説明する。
[0368] 第 17図は、 本発明の光電変換装置の第 1 実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0369] 第 17図において、 401 は Cr電極、 402 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型 a- Si ,— xGex:Hからなる電荷注入阻止層、 403 はキ ャ リ ア増倍を行う ための a- Si yCy:H の 組成を変化させた増倍領域、 404 は光を吸収しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 1 m の a- Si^— yCy:H からなる光吸収層、 405 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a-S — yCy:H か らなる電荷注入阻止層、 406 は酸化イ ンジウムを主体と した透明 電極である。
[0370] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 402 、 增倍領域 403 、 光吸収層 404 および電荷注入阻止層 405 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 402 が SiH4, GeH4. PH3, H2、 増倍領域 403 が SiH4, GeH4, Ci , H2、 光吸収層 404 が SiH4.CH4,H2 、 電荷注 入阻止層 405 が SiH4, CH4, B2H6,H2を用いた。
[0371] 増倍領域 403 は原料ガスのう ち CH4 と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 人の組成変化層 411.412, 413 の 3つの層か ら成っている。
[0372] 第 17図に示した第 1 実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 18図 (a), (b) に示すよ うなものである こ とが 想定される。
[0373] 第 18図 (a) は第 1 卖施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 2図 (b) はキャ リ ア增倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0374] 第 18図 (a) (b)は、 n型 a- Si,— xGex :H層 501 の禁制帯幅が Eg4 、 a - Si,— xGex:H〜a- Siい yCy:H 組成変化層 511 , 512 , 513 の 3つの層 からなる増倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 、 a- SinC H 層 503 の禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si ,-yCy:H 層 504 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0375] また、 第 18図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バィ ァス電圧が印加された状態では、 第 2図 (b) を見てもわかるよ う にキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キヤ リ ァの走行性を阻害 していない。
[0376] こ こで作成した a- Siい yCy:H 層 504, 503 の C組成比 y は約 0.4 であ り 、 禁制帯幅 Egl.EgO は と もに約 2.3eV であっ た。 組成変 化層 511, 512, 513 の う ちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層も
[0377] a-Si , -yCy :H であ り 、 Eg3 も約 2.3 であった。
[0378] また、 a-Si!— xGex:H層 501 の Ge組成比 xは約 0.6 であり 、 禁制 帯幅 Eg4 は約 1.3eV であっ た。 組成変化層 511, 512, 513 の う ちの 最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も a- Si nGex :!!層であり、 Eg2 も約 1.3eV であっ た。
[0379] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 540nm の光に対して約 4 X I03cra- 1 、 波長 350nm の光に対して約 3 X 104cm— 1 以上であ り 、 紫外部光の吸収が十分に行えている。
[0380] 本装置の増倍率は iOVのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 400nm 以下の紫外部光に対して、 波長を変化させて も增倍率の変化はなかった。
[0381] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約
[0382] 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0383] さ らにまた .応答速度は増倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と 同等であり 、'.高速であった。
[0384] 本実施例においては、 增倍領域内の組成変化層が 3層であった が、 これは単なる一例であ り 、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 增倍率に応じて決めてやればよい β.
[0385] また、 本実施:例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ッブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステ ップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0386] さ らに、 組成変化層の厚さは本実施例では約 200 Aであるが、 キヤ リ ァが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよい。 ただし、 薄いほうが印加バイ アスを低く するこ とができるので望 ま しい。
[0387] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 1 m と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸取係数によ り決められる。
[0388] ま た、 本実施の非晶質層の原料ガスには Siiし, B2H6.PH3,CH4,
[0389] GeH4を闬いすこが、
[0390] SiH4の力 3わ り に、 SiF4, Si2H6, Si2F6, Si3H8, SiH3F, Si2F2. ···等 の鎖状シラ ン化合物、 または5 1110.5^1112,5 1{8,〜等の環状シ ラ ン化合物等を使う こ とができ、
[0391] B2H6のかわ り に、 B (ホウ素) , A £ (アルミニウム) ,
[0392] In (イ ンジウム) , T (タ リ ウム) 等の第 III族原子を含むガス を使う こ とができ、
[0393] PH3 のかわ り に、 P (燐) , As (ひ素) , Sb (ア ンチモン) ,
[0394] Bi ( ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、 CH4 のかわ り に、 CH2F2. C2H6. C21U, C2H2, S CH3し, SiH (CH3) 3 等の炭素化合物、 N2,NH3,H2NNH2.HN3N1 N3. F3N, F4N等の窒素化合 物、 02, C02,N0,N02.N20, 03,N203, N204.N03等の酸素化合物を使う こ とができ、
[0395] GeH4のかわ り に、 GeF4等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ ィヒ合物を使う こ とができる。
[0396] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため ϋ〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。 また、 非晶質層の作成にはプラ.ズマ CVD 法のほかに EGR ブラズ マ法等も有用である。
[0397] また、 本実 例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶を用いてもよい。
[0398] 本実施例では 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 増倍領域の価電子帯側にステッブバツ ク構造が形成 されるよ うに レて、 電荷注入阻止層の n層側から光を入射し、 正 孔によ り増倍動作を起こさせてもよい。
[0399] 光吸取層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 2.3eV であるが、 C組成 比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られるよ うにするこ と もできる。
[0400] また、 電荷注入阻止層 ( P, n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの少数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ アの走行性が妨げられないように調製されていればよい。
[0401] (実施例 8 )
[0402] 以下、 第 19図を用いて本発明の第 8実施例について説明する。 第 19図 (a) , (b) は本発明の第 8実施例の理想的に想定されるェ ネルギバン ド構造図である。
[0403] 第 19図 (a) は第 8実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 3図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0404] 第 19図 (a) では、 601 が禁制帯幅 Eg4 ' の n型 a-Si!— y Cy: H 層 である こ と以外は、 第 18図 (a) と 同じであ り 、 a-SinGex:!!〜 a-SinCy.-H 組成変化層 611.612, 613 の 3層からなる増倍領域 602 の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si! -yCyrH 層 603 の禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si!-yCy:!! 層 604 の禁制帯幅が EgO である こ と を示している。
[0405] 本装置の増倍率は 10Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 400nm 以下の紫外部光に対して波長を変化させても 増倍率の変化はなかった。
[0406] さ らに暗時の リーク電流は 10Vのバイ アス印加時に約
[0407] 0. InA I cm2 以下と低かっ た。
[0408] さ らにまた光応答速度は増倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と 同等であ り 、 高速であった。
[0409] (実施例 9 )
[0410] 本実施例は、 実施例 7に示した光電変換装置を、 本発明者らが 既に特開昭 63-278269号公報に提案した走査回路、 読出し回路上 に積層した実施例である。
[0411] 第 20図 (a) は本発明の実施例の受光部付近の概略的断面図、 第 20図 (b) は一画素の等価回路図、 第 20図(c) は本装置全体の等価 回路およびブロ ッ ク回路図である。
[0412] 第 20図 (a) において、 n型シ リ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レクタ領域となる n_層 702 が形成され、 その中に Pベース領域 703 、 さ らに n +ェ ミ ッ タ領域 704 が形成されバィ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0413] pベース領域 703 は隣接画素と分離されており 、 また、 水平方 向に隣接する Pベース領域との間には酸化膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがっ て隣接する pベース領域 703 を各々 ソース - ド レイ ン領域と して pチャ ンネル M0S 卜 ラ ン ジスタが構成されている。 ゲー ト電極 706 は pベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシタ と しても働いている。
[0414] さ らに、 絶縁層 707 を形成した後、 エミ タ電極 708 、 および ベース電極 708' を形成する。 その後、 絶緣層 709 を形成し、 続いて電極 711 を形成し、 画素 ごと に分離する。 電極 711は電極 708' と電気的に接続してい る。 さ らに n型 a- S — xGex:H層 712 を形成して、 画素ごとに分離 する。
[0415] 続いて、 a - Sh - xGex a-Si i — yCy:Hの組成変化層 721, 722.723 を形成して增倍領域 713 を構成する。 次に光吸収層 a- S - y Cy : !! 層 714 を形成し、 p型 a-Si! - y Cy :H 層 715 を形成し、 センサにバ ィ ァス電圧を印加するための透明電極 716 を形成する。
[0416] また、 コ レクタ電極 717 が基板 701 の裏面にォーミ ッ ク接続さ れてレ、る。 „
[0417] したがって、 一画素の等価回路は第 4図 (b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成されるバイ ポーラ ト ラ ンジスタ 731 のベースに、 Pチ ャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 とキャパシタ 733 及び実施例 1 と 同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 pチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 および キ ャ パシタ 733 を騷動するための端子 736 と 、 センサ電極 737 と、 エミ ヅタ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0418] 第 20図 (c) は第 20図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 x 3の 2次元マ ト リ 、j、 クス配置した回路構成図である。
[0419] 同図において、 一画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 PM0Sト ラ ンジスタのゲー ト電極およびキャパシタ 電極は行ごとに駆動配線 743, 743' , 743" と接続され、 垂直シフ 卜 レジスタ ( V, S , R ) 744 と接続されている。 またェミ ッ タ 電極は列ごとに信号読出しのための垂直配線 746. 746' . 746" と 接続されている。 垂直配線 746, 746' , 746" はそれぞれ垂直配線 の電荷を リ セッ トするためのスィ ッチ 747, 747' .747" と読出し スィ ツチ 750, 750' , 750" に接続されている。 リ セッ トスィ ッチ 747. 747' , 747" のゲー ト電極は垂直配線リ セッ ト パルスを印加 するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直ラ イ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されてい る。 読出しスィ ッチ 750, 750' , 750" のゲー ト電極はそれぞれ配 線 751. 751' , 751" を介して水平シフ ト レジスタ ( H, S , R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ッチ 754 に接 続されている。
[0420] リ セ、:/ ト スイ ッ チ 754 は水平配線リセッ トパルスを印加するた めの端子 755 と水平配線リ セッ 卜電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0421] 最後にアンプ 757 の出力は端子 758 からと り出される。
[0422] 以下、 第 20図 (a) 〜(c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0423] 第 20図 (a) の光吸収層 714 で入射された光が吸 1Rされ、 発生し たキ ヤ リ ァが増倍領域 713 で増倍されて、 ベース領域 703 内に蓄 積される。
[0424] 第 20図 (c) の垂直シフ ト レジスタから出力される駆動パルスが 駆動配線 743 に現われる と、 キャパシ夕を介してベース電位が上 昇し、 1 行目 の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線 746 , 746' , 746" にそれぞれと り出される。
[0425] 次に、 水平シフ ト レジスタ 752 から走査パルスが 751, 751' , 751" に順次出力される と 、 スィ ッ チ 750, 750' .750" が順に ON. OFF制御され、 信号がア ンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出される。 この際 リ セ ッ ト スイ ッ チ 754 は、 スィ ッ チ 750 , 750' .750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を除去している。
[0426] 次に垂直ライ ン リ セッ トスィ ッ チ 747. 747' , 747" が ON状態と なり 、 垂直配線 746, 746' , 746" の残留電荷が除去される。 そし て垂直シフ ト レジスタ 744 から駆動配線 743 に負方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の PM0Sト ラ ンジスタが ON状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0427] 次に垂直シフ ト レジスタ 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743 ' に現われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り出 される。
[0428] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り 出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ と によ り本装置は動作をする。
[0429] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0430] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明の光電変換装置 を用いた場合について説明する。
[0431] 第 21図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロ ッ ク図である。
[0432] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であり 、 例えば実施例 1 , 実施例 2 に示した本発明の光電変換装置が用い られる。 光電変換部 801 は信号出力部 805 に接続される。 信号出 力部 805 において、 802 は光電変換部 801 よ り発生した信号電荷 の蓄積手段、 803 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は 走査手段 803 によ り転送された信号電荷を増幅 · ノ イズ補償回路 等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄積動作 を行う場合には必要となるが、 なく てもよい。
[0433] 以上説明したよ う に、 本発明の光電変換装置によれば、 Egl な る禁制帯幅を有し光を吸収する光吸取層と、 光を吸収して生じた キ ャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁 制帯幅が連続的に変化したステッ プバッ ク構造を有する層を一層 或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持 するよ う に積層して構成した光電変換装置であって、
[0434] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl と前記增倍層の最大禁制帯幅 Eg3 と を略等し く したこ とで、 バン ド不整合によ り生ずる種々の問題 が解消され、 增倍層を持たないホ 卜ダイオー ド と同様の高速応答 性が得られる と同時に光吸収層の禁制帯幅 Egl を特に紫外部光に 対応する禁制帯幅にするこ とで、 紫外部光に対し高感度とするこ とができた。
[0435] また、 ステップパッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができた。
[0436] また本発明の光電変換装置の構成要素を少なく と も Si原子を含 む単結晶から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積層 が可能となり 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とがで きた。
[0437] (実施例 10)
[0438] 以下、 第 22図及び第 23図 (a), (b) を用いて本発明の第 10実施例 について説明する。
[0439] 第 22図は、 本発明の光電変換装置の第 1 実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0440] 第 22図において、 401 は Cr電極、 402 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型 a-Si,— xGex :Hからなる電荷注入阻止層、 403 はキ ヤ リ ァ増倍を行うための a-SinGex.'H a-SinCy:!! の 組成を変化させた増倍領域、 404 は光を吸収しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 1 111 の3-5 - 3^6«:11からなる光吸収層、 405 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a-SinGex:!!か らなる電荷注入阻止層、 406 は酸化イ ンジウムを主体と した透明 極 し5ある。
[0441] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 402 , 増倍領域 403 , 光吸取層 404 および電荷注入阻止層 405 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 402 が SiH4, GeH4. PH3, H2、 増倍領域 403 が SiI , GeH4, CIU,H2、 光吸取層 404 が SiH4. Gei , H2、 電荷注 入阻止層 405 が SiH4, GelU, B2H6,H2 を用いた。
[0442] 増倍領域 403 は原料ガスのうち CI と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 411, 412, 413 の 3つの層か ら成っている。
[0443] 第 22図に示した第 10実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 23図 (a), (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0444] 第 23図 (a) は第 1 実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 23図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0445] 第 23図 (a) (b)は、 n型 a-SinG :}!層 501 の禁制帯幅が Eg4、 a- Si,— xGex:H〜a- SinCy:!! 組成変化層 511 , 512 , 513 の 3つの層 からなる增倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 、 a-Sii-xGex:!!層 503 の禁制帯幅が Egl 、 p型 504 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0446] こ こで作成した組成変化層 511, 512, 513 のう ちの最大禁制帯 幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a- Si! - yCy : !! であり、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0447] また、 a-Si, -xGex :H層 501, 503, 504 の Ge組成比 xは約 0.6 であ り 、 禁制帯幅 Eg4,Egl. EgO は約 1.3eV であった。 組成変化層 511. 512, 513 のう ちの最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も a-Si , - xGex: H層 であり 、 Eg2 も約 1.3eV であった。
[0448] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 800nm の光に対して 約 1 X 105 cm 1 、 波長 lOOOnmの光に対して約 2 X 104 cm— 1 以上で あ り 、 赤外部光の吸収が十分に行えている。
[0449] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して、 波長を変化させても増倍 率の変化はなかった。
[0450] さ らに暗時の リ ーク電流は 10Vのバイ ァス印加時に約 10nA/cm2 以下と低かった。
[0451] さ らにまた光応答速度は增倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と同等であり 、 高速であった。
[0452] 本実施例においては、 増倍領域内の組成変化層が 3層であった が、 これは単なる一例であり、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 増倍率に応じて決めてやればよい。
[0453] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テッ ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0454] さ らに、 組成変化層の厚さは本実施例では約 200 Aであるが、 キヤ リ ァが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよい。 ただし、 薄い方が印加バイ アスを低く するこ とができるので望ま しい。
[0455] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 l u m と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸収係数によ り決められる。 ま た、 本実施の非晶質層の原料ガスには SiH4, B2H6,PH3, CH4. GeH4を用いたが、
[0456] SiH4のかわ り に、 SiF4. Si2H6. Si2F6, SisHe. SiH3F, Si2F2, …等 の鎖状シラ ン化^物、 または5 111。,5161112.5 118,〜等の環状シ ラ ン化合物等を '使う こ と ができ、
[0457] B2H6のかわ り に、 B (ホウ素) ,A£ (アルミニウム) , In (ィ ンジゥム) ,T£ (タ リ ウム) 等の第 ΠΙ族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0458] ΡΗ3 のかわ り に、 P (燐) , As (ひ素) , Sb (アンチモン) 、 Bi (ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0459] CH4 のかわ り に、 CH2F2, C2H6. C2H4, C2H2. Si (CH3) 4. SiH (CH3) 3 等の炭素^合物、 N2,NH3,H2NNH2,HN3NI N3,F3N, F4N等の窒素化合 物、 02, C02.N0,N02,N20, 03,N203,N2(U,N03等の酸素化合物を使う こ とができ、
[0460] GeH4のかわ り に、 GeF4等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ 化合物を使う こ とができ る。
[0461] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため 0〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。
[0462] また、 非晶質層の作成にはプラズマ CVD 法のほかに ECR ブラズ マ法等も有用である。
[0463] また、 本実施例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶を用いてもよい。
[0464] 本実施例では、 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 增倍領域の価電子帯側にステップバッ ク構造が形成 されるよ うに しで、 電荷注入阻止層め n層側から光を入射し、 正 孔によ り增倍動作を起こさせてもよい。 光吸 JR層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.3eV であるが、 Ge組成 比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られるよ う にするこ と もできる。
[0465] また、 第 23図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 2 図 (b) を見てもわかるよ うにキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0466] また、 電荷注入阻止層 ( P , n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの少数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ ァの走行性が妨げられないよ う に調製されていればよい。
[0467] (実施例 11)
[0468] 以下、 第 24図を用いて本発明の第 2実施例について説明する。 第 24図 (a) (b)は本発明の第 2実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0469] 第 24図 (a) は第 11実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 24図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0470] 第 24図 (a) では、 601 が禁制帯幅 Eg4' の n型 a- Si , -yCy: H 層 である こ と以外は、 第 23図 (a) と 同 じであ り 、 a- Si,— xGex:H〜 a-Si, -yCy :H 組成変化層 611, 612, 613 の 3層からなる増倍領域 602 の最小禁制帯幅が Eg2、 最大禁制帯幅が Eg3、 a-Si. -xGex iH 層 603 の禁制帯幅が Egl 、 P型 a-SinGe^H層 604 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0471] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の赤外部光に対して波長を変化させても 増倍率の変化はなかった。 さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約 1 OnA/cm 2 以下と低かった.。
[0472] さ らにまた光応答速度は増倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であつた。
[0473] (実施例 12)
[0474] 本実施例は、 実施例 10に示した光電変換装置を、 本発明者らが 既に特開昭 63- 278269号公報に提案した走査回路、 読出し回路上 に積層した実施例である。
[0475] 第 25図 (a) は本発明の実施例の受光部付近の概略的断面図、 第 25図 (b) はー爾素の等価回路図、 第 25図 (c) は本装置全体の等価 回路およびブ ΰ V ク回路図である。
[0476] 第 4図 (a) において、 n型シリ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レクタ領域となる IT層 702 が形成され、 その中に Pベース領域 703 、 さ らに n +ェミ ッ タ領域 704 が形成されバィ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0477] pベース領域 703 は隣接画素と分離されてお り、 また、 水平方 向に隣接する Pベース領域との間には酸ィヒ膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがっ て隣接する pベース領域 703 を各々 ソース ' ド レイ ン領域と して pチャ ンネル M0S ト ラ ン ジス夕が構成されている。 ゲー ト電極 706 は pベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシタ と しても働いている。
[0478] さ らに、 絶縁層 707 を形成した後、 ェミ ッ タ電極 708 、 および ベース電極 708' を形成する。
[0479] その後、 絶縁層 709 を形成し、 続いて電極 711 を形成し、 画素 ごと に分離する。 電極 711 は電極 708' と電気的に接続してい る。 さ らに n型 a-Siい xGex:H層 712 を形成して、 画素ごとに分離 する。 続いて、 a-Si,— xGex:H~a- Si ,— yCy:Hの組成変化層 721, 722, 723 を形成して増倍領域 713 を構成する。 次に光吸収層 a- Si ! -xGex :!! 層 714 を形成し、 p型 a- Si , -xGe H層 715 を形成し、 センサにバ ィ ァス電圧を印加するための透明電極 716 を形成する。
[0480] また、 コ レクタ電極 717 が基板 701 の裏面に才一ミ ッ ク接続さ れている。
[0481] したがって、 一画素の等価回路は第 4図(b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成されるバイ ポーラ ト ラ ン ジス タ 731 のベースに、 Pチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 と キャパシタ 733 及び実施例 1 と同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 pチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 および キ ャ パシタ 733 を駆動するための端子 736 と 、 セ ンサ電極 737 と、 ェミ ッ タ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0482] 第 25図 (c) は第 4図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 x 3の 2次元マ ト リ ッ クス配置した回路構成図である。
[0483] 同図において、 一画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 PM0Sト ラ ンジスタのゲー 卜電極およびキャパシタ 電極は行ごとに駆動配線 743, 743' .743" と接続され、 垂直シフ 卜 レジスタ ( V , S, R ) 744 と接続されている。 またェミ ッ タ 電極は列ごと に信号読出しのための垂直配線 746, 746' .746" と 接続されている。 垂直配線 746, 746' , 746" はそれぞれ垂直配線 の電荷を リ セ ヅ 卜するためのスィ ッチ 747, 747' , 747" と読出し スィ ッ チ 750, 750' , 750" に接続されている。 リ セ ッ ト スィ ッ チ 747, 747' , 747〃 のゲ一 卜電極は垂直配線リ セッ トパルスを印加 するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直ラ イ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されてい る。 読出 しスィ ッチ 750, 750' .750" のゲー ト電極はそれぞれ配 線 751, 751' , 751" を介して水平シフ ト レジスタ ( H, S , R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ツチ 754 に接 続されている。
[0484] リ セッ 卜スィ ッチ 754 は水平配線リ セヅ 卜パルスを印加するた めの端子 755 と水平配線リ セッ 卜電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0485] 最後にアンプ 757 の出力は端子 758 からと り 出される。
[0486] 以下、 第 25図 (a) 〜 (c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0487] 第 25図 (a) の光吸収層 714 で入射された光が吸収され、 発生し たキャ リ アが増倍領域 713 で増倍されて、 ベース領域 703 内に蓄 積される。
[0488] 第 25図 (c) の垂直シフ ト レジス夕から出力される駆動パルスが 駆動配線 743 に現われる と、 キャパシタを介してベース電位が上 昇し、 1 行目の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線 746.
[0489] 746' , 746" にそれぞれと り出される。
[0490] 次に、 水平シフ ト レジスタ 752 から走査パルスが 751, 751' , 751 " に順次出力される と 、 スイ ッ チ 750 , 750' , 750" が順に ON. OFF制御され、 信号がアンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出される。 この際 リ セ ッ ト スィ ッ チ 754 は、 スイ ッ チ 750 , 750' , 750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を除去している。
[0491] 次に垂直ライ ン リ セ ッ ト スィ ッチ 747, 747' , 747" が ON状態と なり 、 垂值配線 746, 746' , 746" の残留電荷が除去される。 そし て垂直シフ 卜 レジスタ 744 から駆動配線 743 に負方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の PM0Sト ラ ンジスタが ON状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0492] 次に垂直シフ ト レジスタ 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743' に現われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り 出 される。
[0493] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り 出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ と によ り本装置は動作をする。
[0494] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0495] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明の光電変換装置 を用いた場合について説明する。
[0496] 第 26図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すプロ ヅ ク図である。
[0497] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であり、 例えば、 実施例 1 , 実施例 2 に示した本発明の光電変換装置が用 いられる。 光電変換部 801 は信号出力部 805 に接続される。 信号 出力部 805 において、 802 は光電変換部 801 よ り発生した信号電 荷の蓄積手段、 803 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は走査手段 803 によ り転送された信号電荷を増幅 ' ノ イズ補償回 路等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄積動 作を行う場合には必要と なるが、 なく てもよい。
[0498] 以上説明したよ うに、 本発明の実施例で示した光電変換装置に よれば、 Egl なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層と、 光を 吸収して生じたキ ャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制 帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステ ップバッ ク構造を 有する層を一層或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入 阻止層間に狭持するよ う に積層して構成した光電変換装置であつ て、
[0499] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl と前記增倍層の最小禁制帯幅 Eg2 とを略等し く したこ とで、 バン ド不整合により生ずる種々の問題 が解消され、 増倍層を持たないホ トダイオー ド と同様の高速応答 性が得られる と 同時に光吸収層の禁制帯幅 Egl を特に赤外部光に 対応する禁制帯幅にする こ とで、 赤外部光に高感度をもたせるこ とができる。
[0500] また増倍層へめ光入射が低減され、 増倍層への光入射による増 倍率の変動を低減するこ とができる。
[0501] また、 ステ ッ プバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができる。
[0502] また、 本発明の光電変換装置の構成要素を少なく と も Si原子を 含む単結晶から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積 層が可能となり、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とが できる。
[0503] (実施例 13)
[0504] 以下、 第 27図 び第 28図 (a) , (b) を用いて本発明の第 13実施例 について説明する。
[0505] 第 27図は、 本発明の光電変換装置の第 27実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0506] 第 27図において、 401 は Cr電極、 402 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型 a-Si xGex :Hからなる電荷注入阻止層、 403 はキャ リ ア増倍を行う ための a- Si ! a-Si i -yCy :!! の 組成を変化させた増倍領域、 404 は光を吸収しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 の3-5 11 3-5 -^ 11 の組成を変化さ せた光吸収層、 405 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの P型 a- Si :Hからなる電荷注入阻止層、 406 は酸化イ ンジウムを主 体と した透明電極である。
[0507] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 402 , 増倍領域 4ϋ3 , 光吸収層 404 および.電荷注入阻止層 405 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 402 が SiH4, GeH4. PH3, H2、 増倍領域 403 が SiH4, GeH4, CH4,H2、 光吸収層 404 が SiH4, CH4, H2 、 電荷注 入阻止層 405 が SiH4, B2H6,H2を用いた。
[0508] 増倍領域 403 は原料ガスのうち CH4 と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 411, 412, 413 の 3つの層か ら成っている。 光吸収層 404 は原料ガスのうち CH4 のガス流量を 連続的に変化させて形成している。
[0509] 第 27図に示した第 13実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 28図 (a), (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0510] 第 28図 (a) は第 13実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 28図 (b) はキャ リ ア增倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0511] 第 28図 (a) (b)は、 n型 a-Si , -xGex :H層 501 の禁制帯幅が Eg4、 a - Si ,— xGex:H〜a-Si 1-yCy:H 組成変化層 511 , 512 , 513 の 3つの層 からなる増倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 增倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 、 a- Si:H〜a- SinCy'.H 層 503 の最小禁制帯幅 が Egl 、 p型 a- Si :H層 504 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示して いる。
[0512] また、 第 28図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 2 図 (b) を見てもわかるよ うにキヤ リ アの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0513] こ こで作成した組成変化層 511, 512, 513 のう ちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層は C組成比 y が約 0.4 の a- Si i - yCy :H であ り 、 Eg3 は約 2.3eV であっ た。 a- Si: H〜 a-Si ,—yCy :H 層 503 の最大禁 制帯幅を与える層も a- Si,— yCy :H であった。
[0514] また、 a- Si, -xGex :H層 501 の Ge組成比 xは約 0.6 であ り 、 禁制 帯幅 Eg4 は約 1.3eV であった。 組成変化層 511, 512, 513 のう ちの 最小禁制幅 Eg を与える層も であ り 、 Eg2 も約 l,3eV であっ た-。 a- Si:H〜a- Si,— yCy:H 層 503 の最小禁制帯幅 Eg 1 を与える層は a-Si:Hであり 、 Egl は約 1.8eV であった。 p型 a-Si:H層 504 の辇制帯幅 EgO も約 1.8eV であった。
[0515] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 700nm の光に対して約 6 X 103cro- 1 、 波長 350nm の光に対して約 3 x 104 cm— 1 以上であ り 、 可視部から紫外部光の吸収が十分に行えている。
[0516] 本装置の増 ½率は 10 Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 700nro 以下の可視から紫外部の光に対して、 波長を 変化させても増倍率の変化はなかった。
[0517] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0518] さ ら.にまた光応答速度は增倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であった。
[0519] 本実施例においては、 増倍領域内の組成変化層が 3層であっ た が、 これは単なる一例であり 、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 増倍率に応じで決めてやればよい。
[0520] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テツ ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステ ッ プバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステ ップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0521] さ らに、 組成変化層の厚さは本実施例では約 200 Aであるが、 キヤ リ アが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよい。 ただし、 薄い方が印加バイ アスを低く するこ とができるので望ま しい。
[0522] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 2 u m と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸収係数によ り決められる。
[0523] また、 本実施の非晶質層の原料ガスには SiH4. B2H6, PH3, CH4, GeH4 を用いたが、
[0524] SiH4の力 わ り に、 SiF4, Si2H6. Si2F6, Si3H8, SiH3F. Si2F2, ···等 の鎖状シラ ン化合物、 または Si5H1 0, Si6HI 2, Si4HB,…等の環状 シラ ン化合物等を使う こ とができ、
[0525] B2H6のかわ り に、 B (ホ ウ素) , ΚΆ (アルミ ニウム) , In (ィ ンジゥム) ,T£ (タ リ ウム) 等の第 ΠΙ族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0526] ΡΗ3 のかわ り に、 Ρ (燐) , As (ひ素) , Sb (ア ンチモン) , Bi (ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、 CH4 のかわ り に、 CH2F2, C2H6, C2H4, C2H2, Si (CH3) 4, SiH (CH3) 3 等の炭素化合物、 N2.NH3, H2NNH2, HN3NI N3. F3N, F4N等の窒素化合 物、 02. C02, N0,N02, N20.03, N203.N204, N03等の酸素化合物を使う こ とができ、
[0527] GeH4のかわ り に、 GeF4等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ ィヒ合物を使う こ とができる。
[0528] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため 0〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。 また、 非晶質層の作成にはプラズマ CVD 法のほかに ECR ブラズ マ法等も有用である。
[0529] また、 本実施例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶を用いてもよい。
[0530] 本実施例では、 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 増倍領域の価電子帯側にステップバッ ク構造が形成 されるよ う に して、 電荷注入阻止層の n層側から光を入射し、 正 孔によ り增倍動作を起こさせてもよい。
[0531] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はここでは約 1.8 ~2.3eV であるが、 C組成比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得ら れるよ う にするこ と もできる。
[0532] また、 電荷注入阻止層 ( P, n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの小数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ アの走行性が妨げられないよ うに調製されていればよい。
[0533] (実施例 14)
[0534] 以下、 第 29図を用いて本発明の第 14実施例について説明する。 第 29図 (a) (b)は本発明の第 14実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0535] 第 29図 (a) は第 2実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 29図(b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0536] 第 29図 (a) では、 601 が禁制帯幅 Eg4 ' の n型 a- Si , - yCy: H 層 である こ と と 、 光-吸収層 603 の a-Si:H組成の領域が第 2 図よ り も広いこ と以外は、 第 28図 (a) と 同 じであ り 、 a - Si! -xGex :H〜 a-Si, -yCy:H 組成変化 611.612, 613 の 3層からなる増倍領域 602 の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si:H〜 a-Si!-yCy:H 層 603 の最小禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si:H層 604 の 禁制帯幅が EgO である こ とを示している。
[0537] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 700nm 以下の可視部から紫外部の光に対して波長を 変化させても増倍率の変化はなかつた。
[0538] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 1 nA/cm 2 以下と低かった。
[0539] さ らにまた光応答速度は增倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と 同等であ り 、 高速であっ た。
[0540] (実施例 15)
[0541] 本実施例は、 実施例 13に示した光電変換装置を、 本発明者らが 既に特開昭 63- 278269号公報に提案した走査回路、 読出し回路上 に積層した実施例である。
[0542] 第 30図 (a) は本発明の実施例の受光部付近の概略的断面図、 第 30図 (b) は一画素の等価回路図、 第 30図 (c) は本装置全体の等価 回路およびブロ ッ ク回路図である。
[0543] 第 30図 (a) において、 n型シ リ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レク タ領域となる rr層 702 が形成され、 その中に Pベース領域 703 、 さ らに π +ェミ ッ タ領域 704 が形成されバイ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0544] pベース領域 703 は隣接画素と分離されてお り 、 また、 水平方 向に隣接する Pベース領域との間には酸化膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがって隣接する pベース領域 703 を各々 ソース - ド レイ ン領域と して pチャ ンネル M0S ト ラ ン ジス夕が構成されている。 ゲー ト電極 706 は pベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシタ と しても働いている。
[0545] さ らに、 絶縁層 707 を形成した後、 ェミ ッ タ電極 708 、 および ベース電極 708' を形成する。
[0546] その後、 絶緣層 709 を形成し、 続いて電極 711 を形成し、 画素 ごと に分離する。 電極 711 は電極 708' と電気的に接続してい る。 さ らに n型 a- 712 を形成して、 画素ごとに分離 する。
[0547] 続いて、 a- Siい xGex:H~a- Si !— yGy:Hの組成変化層 721, 722, 723 を形成 して増倍領域 713 を構成する。 次に光吸収層 a_Si :H〜 a-Si .-yCyrH 組成変化層 714 を形成し、 p型 a- Si:H層 715 を形成 し、 センサにバイ アス電圧を印加するための透明電極 716 を形成 する。
[0548] また、 コ レク タ電極 717 が基板 701 の裏面に才一ミ ッ ク接続さ れている。
[0549] したがって、 一画素の等価回路は第 4図(b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成さ.れるバイ ボーラ ト ラ ンジスタ 731 のベースに、 pチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 と キャパシタ 733 及び実施例 1 と同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 p チ ャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 および キ ャパシタ 733 を駆動するための端子 736 と 、 センサ電極 737 と、 ェミ ッ タ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0550] 第 30図 (c) は第 30図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 X 3 の 2次元マ ト リ ッ クス IB置した回路構成図である。
[0551] 同図において、 一画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 PM0Sト ラ ンジスタのゲー ト電極およびキャパシタ 電極は行ごと に駆動配線 743, 743' , 743 " と接続され、 垂直シ フ 卜 レジスタ ( V, S , R ) 744 と接続されている。 またエミ ヅ タ電極は列ごとに信号読出しのための垂直配線 746, 746' , 746" と接続されている。 垂直配線 746, 746' , 746" はそれぞれ垂直配 線の電荷を リ セヅ 卜するためのスィ ッチ 747 , 747' , 747" と読出 しスィ ツチ 750, 750' , 750" に接続されている。 リ セッ トスイ ツ チ 747, 747' ,747" のゲ一 卜電極は垂直配線リ セッ トパルスを印 加するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直 ライ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されて いる。 読出しスィ ッチ 750, 750' , 750" のゲー ト電極はそれぞれ 配線 751, 75 Γ , 751" を介して水平シフ ト レジスタ ( H, S, R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ 卜するためのスイ ッチ 754 に接続されている。
[0552] リ セヅ 卜スィ ッチ 754 は水平配線リ セッ 卜パルスを印加するた めの端子 755 と水平配線リ セッ ト電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0553] 最後にアンプ 757 の出力は端子 758 からと り出される。
[0554] 以下、 第 30図 (a) 〜(c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0555] 第 30図 (a) の光吸収層 714 で入射された光が吸収され、 発生し たキャ リ アが増倍領域 713 で増倍されて、 ベース領域 703 内に蓄 積される。
[0556] 第 30図 (c) の垂直シフ 卜 レジスタから出力される駆動パルスが 駆動配線 743 に現われる と、 キャパシタを介してベース電位が上 昇し、 1 行目 の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線 746.
[0557] 746' , 746" にそれぞれと り 出される。
[0558] 次に、 水平シフ ト レジスタ 752 から走査パルスが 751, 751 ' . 751 " に順次出力される と 、 スィ ッ チ 750. 750' .750" が順に 0N.0FF制御され、 信号がアンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出される。 の際 リ セ ッ ト スィ ッ チ 754 は、 スイ ッ チ 750 , 750 ' , 750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を賒去している。
[0559] 次に垂直ライ ン リ セッ トスィ ッチ 747, 747' .747" が ON状態と なり 、 垂直配線 746, 746' .746" の残留電荷が除去される。 そし て垂直シフ ト レジスタ 744 から駆動配線 743 に負方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の PM0S卜 ラ ンジスタが ON状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0560] 次に垂直シフ 卜 レジスタ 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743' に現われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り 出 される。
[0561] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ とによ り本装置は動作をする。
[0562] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0563] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明の光電変換装置 を用いた場合について説明する。
[0564] 第 31図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロ ッ ク図である。
[0565] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であり 、 例えば、 実施例 1 , 実施例 2 に示した本発明の光電変換装置が用 いられる。,光電変換部 801 は信号出力部 805 に接続される。 信号 出力部 805 において、 802 は光電変換部 801 よ り発生した信号電 荷の蓄積手段、 803 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は走査手段 803 によ り転送された信号電荷を增幅 . ノ イズ補 償回路等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄 積動作を行う場合には必要となるが、 なく てもよい。 以上説明したよ う に、 本発明の実施例 13〜 15に示した光電変換 装置によれば、 Eg l なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステツブバッ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成した光電変換装 置であっ て、
[0566] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層された一方 の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記増倍層の 最大禁制帯幅 Eg3 と略等し く したこ とで、 バン ド不整合によ り生 ずる種々の問題が解消され、 増倍層を持たないホ 卜ダイオー ド と 同様の高速応答性が得られると同時に、 光吸収層の禁制帯幅 Egl を特に可視部光から紫外部光に対応する禁制帯幅にするこ とで、 可視部光から紫外部光に高感度をもたせるこ とができた。
[0567] また、 ステップバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができた。
[0568] また本発明の光電変換装置の構成要素を少なく と も S i原子を含 む単結晶から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積層 が可能となり 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とがで きた。
[0569] (実施例 16 )
[0570] 以下、 第 32図及び第 33図 (a) , (b) を用いて本発明の第 16実施例 について説明する。
[0571] 第 32図は、 本発明の光電変換装置の第 16実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0572] 第 32図において、 401 は Cr電極、 402 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型 a- S iい x Ge x : Hからなる電荷注入阻止層、 403 はキ ャ リ ア増倍を行う ための a- Si!— xGex:H a-Siい yCy :H の 組成を変化させた增倍領域、 404 は光を吸収しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 1 111 の3-5 11 3-5 -3466 11の組成を変化さ せた光吸収層、 405 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a- Si:Hからなる電荷注入阻止層、 406 は酸化イ ンジウムを主 体と した透明電極である。
[0573] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 402 , 増倍領域 403 , 光吸収層 404 および電荷注入阻止層 405 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 402 が SiH4, GeH4, PH3, H2、 増倍領域 403 力;SiH GeH4, CH4,H2、 光吸収層 404 力 5 SiH4 , GeH4 , H2、 電荷注 入阻止層 405 が SiI B2H6,H2を用いた。
[0574] 増倍領域 403 献原料ガスのうち CH4 と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 411, 412, 413 の 3つの層か ら成っている。 光吸収層 404 は原料ガスのうち GeH4のガス流量を 連続的に変化させて形成している。
[0575] 第 32図に示した第 1 実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 2図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0576] 第 33図 (a) は第 1 実施例の光電変換装置が無バイアス状態にあ ると きのエネルギ帯図、 第 33図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0577] 第 33図 (a) (b)は、 n型 a- :!!層 501 の禁制帯幅が Eg4 a-Siい xGex:H a- Si » -yCy :H 組成変化層 511.512 , 513 の 3つの層 からなる增倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 a-Si.'H a-S — xGex:H層 503 の最大禁制帯幅 が Egl p型 a-Si:H層 504 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示して いる。
[0578] また、 第 33図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 2図 (b) を見てもわかるよ うにキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0579] こ こで作成した組成変化層 511.512, 513 のうちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a- Si,—yCy:H であ り 、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0580] また、 a-Siい xGex:H層 501 の Ge組成比 xは約 0.6 であ り 、 禁制 帯幅 Eg4 は約 1.3eV であった。 組成変化層 511, 512, 513 のう ちの 最小禁制幅 Eg2 を与える層も a- Si,— xGex :H層であ り 、 Eg2 も約 1.3eV であっ た。 a- S^H a-Si,— xGex:H層 503 の最小禁制帯幅 を与える層も a- Siい xGex:Hであつ た。 a_Si: H〜 a- Si! - xGex: H層 503 の最大禁制帯幅 Eg 1 を与える層は a-Si:Hであ り 、 Egl は約 1- 8e であった。 p型 a- Si:H層 504 の禁制帯幅 EgO も約 1.8eV で あっ た。
[0581] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 400nm の光に対して約 1 10scni- 1 以上、 波長 lOOOnmの光に対して約 2 X 104 cm— 1 以上 であ り赤外部, 可視部, 紫外部光の吸収が十分に行えている。
[0582] 本装置の増倍率は 10Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あつた。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して、 波長を変化させても増倍 率の変化はなかった。
[0583] さ らに暗時の リ ーク電流は 10Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かっ た。
[0584] さ らにまた光応答速度は増倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であった。 本実施例においては、 増倍領域内の組成変化層が 3層であった が、 これは単なる一例であ り 、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 増倍率に応じて決めてやればよい。
[0585] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ツ ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0586] さ らに、 組成変化層の厚さは本実施例では約 200 Aであるが、 キャ リ アが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよい。 ただし、 薄い方が印加バイ アスを低く するこ とができるので望ま しい。
[0587] また、 本実施では光吸収層の厚さは約 l ii m と したが、 入射光 が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 こ の厚さは光吸取係数によ り決められる。
[0588] また、 本実施例の非晶質層の原料ガスには S iH4. B2H6 , PH3 , CH4 , GeH4を用いたが、
[0589] SiH4のかわ り に、 Sif4, Si2H6, Si2F6, Si3H8, SiH3F, Si2F2,…等 の鎖状シラ ン化合物、 または SisH10, Si6H i 2 , S Ηβ.…等の環状 シラ ン化合物等を使う こ とができ、
[0590] Β2Η6のかわ りに、 Β (ホウ素) ,A£ (アルミニウム) ,Ιη (ィ ンジゥム) ,T£ (タ リ ウム) 等の第 HI族原子を含むガスを使う こ とができ 、
[0591] PH3 のかわ り に、 P (燐) , As (ひ素) , Sb (アンチモン) 、 Bi (ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0592] CH4 の力 わ り に、 CH2F2, C2H6, C2H4, C2H2, Si (CH3) 4, SiH (CH3) 3 等の炭素化合物、 N2,NH3,H2NNH2.HN3NH«*N3.F3N, F4N等の窒素化合 物、 02, C02,N0,N02,N20,03,N203 ,N204,N03等の酸素化合物を使う こ と ができ、
[0593] GeH4のかわ り に、 GeF4等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ 化合物を使う こ と ができ る。
[0594] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため 0〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。
[0595] また、 非晶質層の作成にはプラズマ CVD 法のほかに ECR ブラズ マ法等も有用である。
[0596] また、 本実施例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶を用いてもよい。
[0597] 本実施例では、 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷.注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 増倍領域の価電子帯側にステツブバッ ク構造が形成 されるよ う にして、 電荷注入阻止層の n層側から光を入射し、 正 孔によ り增倍動作を起こさせてもよい。
[0598] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こ では約 1.8 〜; I.3eV であるが Ge組成比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得ら れるよ う にする こ と もできる。 ·
[0599] また、 電荷注入阻止層 ( P, n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの小数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ アの走行性が妨げられないよ う に調製されていればよい。
[0600] (実施例 17)
[0601] 以下、 第 34図を用いて本発明の第 2実施例について説明する。 第 34図 (a) (b)は本発明の第 2実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0602] 第 34図 (a) は第 2実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 34図(b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。 第 34図 (a) では、 601 が禁制帯幅 Eg4' の n型 a- S i! - y Cy: H 層である こ と と,、 光吸収層 603 の a- Si:H組成の領域が第 2図よ り も広いこ と以外は、 第 32図 (a) と 同 じであ り 、 a-Si!—xGex :H〜 a-Si i -yCy :H 組成変化層 611, 612, 613 の 3 層からなる增倍領 域 602 の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si:H〜 a-Si,— xGex:H層 603 の最大禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si:H層 604 の 禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0603] 本装置の増倍率は 10 Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して波長を変化させても增倍率 の変化はなかった。
[0604] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0605] さ らにまた光応答速度は増倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と同等であり 、 高速であった。
[0606] (実施例 18)
[0607] 本実施例は、 実施例 16に示した光電変換装置を、 本発明者らが 既に特開昭 63-278269号公報に提案した走査回路、 読出し回路上 に積層した実施例である。
[0608] 第 35図 (a) は本発明の実施例の受光部付近の概略的断面図、 第 35図 (b) は一画素の等価回路図、 第 35図(c) は本装置全体の等価 回路およびブロ ッ ク回路図である。
[0609] 第 35図(a) において、 n型シ リ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レクタ領域となる n-層 702 が形成され、 その中に pベース領域 703 、 さ らに n +ェミ ッ タ領域 704 が形成されバイ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0610] pベース領域 703 は隣接画素と分離されてお り 、 また、 水平方 向に隣接する Pベース領域との間には酸化膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがっ て隣接する pペース領域 703 を各々 ソース ' ド レイ ン領域と して pチャ ンネル M0S 卜 ラ ン ジスタが構成されている。 ゲ一 卜電極 706 は pベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシタ と して も働いている。
[0611] さ らに、 絶縁層 707 を形成した後、 ェミ ッ タ電極 708 、 および ベース電極 708' を形成する。
[0612] その後、 絶縁層 709 を形成し、 続いて電極 711 を形成し、 画素 ごと に分離する。 電極 711 は電極 708' と電気的に接続してい る。 さ らに η型 a- Si,— xGex:H層 712 を形成して、 画素ごとに分離 する。
[0613] 続いて、 3-5 66 11~3-511- 11の組成変化層721, 722 , 723 を形成 し て増倍領域 713 を構成する。 次に光吸収層 a- Si :H〜 a-S — xGex:H組成変化層 714 を形成し、 p型 a-Si:H層 715 を形成 し、 センサにバイ アス電圧を印加するための透明電極 716 を形成 する。
[0614] また、 コ レクタ電極 717 が基板 701 の裏面にォ一ミ ッ ク接続さ れている。
[0615] したがって、 一画素の等価回路は第 4図 (b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成されるバイ ポーラ ト ラ ンジスタ 731 のべ一スに、 P チャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 と キ ャパシタ 733 及び実施例 1 と同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 p チ ャ ンネル M0S ト ラ ン ジスタ 732 お よび キ ャ パシタ 733 を駆動するための端子 736 と 、 セ ンサ電極 737 と、 ェミ ッ タ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0616] 第 35図 (c) は第 35図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 x 3の 2次元マ ト リ ッ クス配置した回路構成図である。 同図において、 一画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 PM0Sト ラ ンジスタのゲー ト電極およびキャパシタ 電極は行ごと に駆動配線 743, 743' .743" と接続され、 垂直シフ 卜 レジスタ ( V, S, R ) 744 と接続されている。 またェミ ッ タ 電極は列ごと に信号読出しのための垂直配線 746, 746' .746" と 接続されている。 垂直配線 746, 746' .746" はそれぞれ垂直配線 の電荷を リ セッ トするためのスィ ッ チ 747 , 747' , 747" と読出し スィ ツチ 750, 750' , 750" に接続されている。 リ セッ トスィ ッチ 747, 747' , 747" のゲ一 卜電極は垂直配線リセッ トパルスを印加 するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直ラ イ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されてい る。 読出しスイ ッチ 750, 750' , 750" のゲー ト電極はそれぞれ配 線 751, 751' .751* を介して水平シフ ト レジス夕 ( H, S , R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ッチ 754 に接 続されている。
[0617] リ セ ッ トスィ ッ チ 754 は水平配線リ セッ 卜パルスを印加するた めの端子 7.55 と水平配線リ セッ 卜電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0618] 最後にア ンブ' 757 の出力は端子 758 からと り 出される。
[0619] 以下、 第 35図 (a) 〜(c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0620] 第 35図 (a) の光吸収層 714 で入射された光が吸収され、 発生し たキャ リ アが増倍領域 713 で増倍されて、 ベース領域 703 内に蓄 積される
[0621] 第 35図 (c) の垂直シフ ト レジスタから出力される駆動パルスが 駆動配線 743 に現われる と、 キャパシタを介してベース電位が上 昇し、 1 行目 の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線 746 , 746 ' , 746" にそれぞれと り 出される。
[0622] 次に、 水平シフ ト レジスタ 752 から走査パルスが 751, 751' , 751 " に順次出力される と 、 スィ ッ チ 750, 750' , 750" が順に 0N.0FF制御され、 信号がア ンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出さ れる 。 こ の際 リ セ ッ ト スィ ッ チ 754 は、 スィ ッ チ 750 , 750 ' , 750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を除去している。
[0623] 次に垂直ライ ン リ セッ トスィ ッチ 747. 747' ,747" が ON状態と な り 、 垂直配線 746, 746' .746" の残留電荷が除去される。 そ し て垂直シフ ト レジスタ 744 から駆動配線 743 に負方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の PM0Sト ラ ンジスタが ON状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0624] 次に垂直シフ ト レジス夕 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743' に現われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り 出 される。
[0625] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ と によ り本装置は動作をする。
[0626] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0627] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明の光電変換装置 を用いた場合について説明する。
[0628] 第 36図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロ ッ ク図である。
[0629] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であ り 、 例えば、 実施例 1 , 実施例 2 に示した本発明の光電変換装置が用 いられる。 光電変換部 80 1 は信号出力部 805 に接続される。 信号 出力部 80 5 において、 8 02 は光電変換部 8 0 1 よ り発生した信号電 荷の蓄積手段、 803 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は走査手段 803 によ り転送された信号電荷を増幅 · ノ イズ補償回 路等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄積動 作を行う場合には必要となるが、 なく てもよい。
[0630] 以上説明したよ うに、 本発明の実施例 1 6〜; 1 8に示した光電変換 装置に よれば、 E g l なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 E g2 、 最大禁制帯幅 Eg 3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる增倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成した光電変換装 置であって、
[0631] 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層された一方 の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記増倍層の 最小禁制帯幅 Eg2 と略等し く したこ とで、 バ ン ド不整合によ り生 ずる種々の問題が解消され、 増倍層を持たないホ トダイオー ド と 同様の高速応答性が得られる と同時に光吸収層の禁制帯幅 Eg l を 特に赤外部光から紫外部光に対応する禁制帯幅にするこ とで、 赤 外部光から紫外部光に高感度をもたせるこ とができた。
[0632] また、 ステ ッ プバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができた。
[0633] また本発明の光電変換装置の構成要素を少なく と も S i原子を含 む単結晶から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積層 が可能とな り 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とがで きた。 (実施例 19)
[0634] 以下、 第 37図及び第 38図 (a) , (b) を用いて本発明の第 19実施例 について説明する。
[0635] 第 37図は、 本発明の光電変換装置の第 1 実施例の光電変換部を 示す概略的縦断面構造図である。
[0636] 第 37図において、 401 は A 電極、 402 は電子注入を阻止する 機能を持つ基体と なる n型 C- Si基板、 403 はキ ャ リ ア増倍を行 うための a-Si,— の組成を変化させた增倍領 域、 404 は光を吸収しキャ リ アを発生させるための厚さ約 2 w m の a- Si:Hからなる光吸収層、 405 は電子注入を阻止するための厚 さ約 100 Aの p型 a-Si:Hからなる電荷注入阻止層、 406 は酸化ィ ンジゥムを主体と した透明電極である。
[0637] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 増倍領域 403、 光吸収層 404 および電荷注入阻止層 405 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原料ガスは、 増倍領域 403 が SiH4.GeH4, CH4,H2、 光吸収層 404 力 SSiH4,H2 、 電荷注入阻 止層 405 が SiH B2H6,H2を用いた。
[0638] 增倍領域 403 は原料ガスのう ち CIU と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 411, 412.413 の 3つの層か ら成っている。
[0639] 第 2図に示した第 1 実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 3図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0640] 第 38図 (a) は第 19実施例の光電変換部が無バイ アス状態にある と きのエネルギ帯図、 第 38図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う ため にバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0641] 第 38図 (a) (b)は、 n型 C- Si基板 501 の禁制帯幅が Eg4、 a- Siい xGex:H〜a-Siい yCy:H 組成変化層 511 , 512 , 513 の 3つの層 からなる増倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 、 a- Si:H層 503 の禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si:H 層 504 の,禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0642] また、 第 38図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 38図 (b) を見てもわかるよ うにキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キ ャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0643] こ こで作成した組成変化層 511, 512.513 のうちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a-SinCy:!! であ り 、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0644] ま た、 組成変化層 511, 512.513 のう ちの最小禁制幅 Eg2 を与 える層は Ge組成比 Xが 0.6 の 3-5 - &6 1!層でぁ り 、 Eg2 は約 1.3eV であった ¾ 503 , 504 の a-Si: H層の禁制帯幅 Eg 1 , EgO は と もに約 l-8eV であった。
[0645] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 400nm の光に対して約 1 105cm- 1 以上、 波長 7D0nm の光に対して約 5 x l03cm— 1 以上 であ り 、 可視部光の吸収が十分に行えている。
[0646] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 70Οηιυ 以下の光に対して、 波長を変化させても増倍 率の変化はな った。
[0647] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かっ た。
[0648] さ らにまた光応答速度は増倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と 同等であ り 、 高速であった。
[0649] 本実施例においては、 増倍領域内の組成変化層が 3層であつた が、 これは単なる一例であ り 、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 增倍率に応じて決めてやればよい。
[0650] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テッブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0651] さ らに、 組成変化層の厚さは本実施例では約 200 Aであるが、 キヤ リ ァが再結合せずに走行できる範囲内の厚さであればよい。 ただし、 薄い方が印加バイ アスを低く するこ とができるので望ま しい。
[0652] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 2 m と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸収係数によ り決められる。
[0653] また、 本実施例の非晶質層の原料ガスには SiH4,B2H6,PH3,CH4,
[0654] GeH4を用いたが、
[0655] SiH4のかわ り に、 SiF4. Si2H6, Si2F6, Si3H8, SiH3F. Si2F2, ·.·等 の鎖状シラ ン化合物、 または Si5H10, Si6Hi 2. Si4H8,…等の環状 シラ ン化合物等を使う こ とができ、
[0656] B2H6のかわ り に、 B (ホウ素) , A£ (アルミニウム) . In (ィ ンジゥム) ,T£ (タ リ ウム) 等の第 ΠΙ族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0657] ΡΗ3 のかわ り に、 Ρ (燐) , As (ひ素) , Sb (アンチモン) 、 Bi (ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、 CH4 のかわ り に、 CH2F2,C2H6,C2H4,C2H2,Si (CH3) 4,SiH(CH3) 3 等の炭素化合物、 N2,NH3,H2NNH2,HN3NH4N3,F3N. F4N等の窒素化合 物、 02,(:02,1^0,1^02. 120,03,1<203,]^204,1^03等の酸素化合物を使ぅ こ とができ、
[0658] GeH4のかわ り に、 GeF4等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ 化合物を使う C とができる。
[0659] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため 0〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。
[0660] また、 非晶質層の作成にはプラズマ CVD 法のほかに ECR ブラズ マ法等も有用である。
[0661] また、 本実施例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶を用 てもよい。
[0662] 本実施例では、 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 増倍領域の価電子帯側にステップバッ ク構造が形成 されるよ うにして、 電荷注入阻止層の n層側から光を入射し、 正 孔によ り増倍動作を起こさせてもよい。
[0663] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.8eV~2.3eV であるが、 H2ガス流量を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得 られるよ う にすること もできる。
[0664] また、 電荷注入阻止層 ( P , n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの小数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ ァの走行性が妨げられないよ うに調製されていればよい。
[0665] (実施例 20)
[0666] 以下、 第 39図を用いて本発明の第 20実施例について説明する。 第 39図は、 本発明の光電変換装置の第 20実施例の光電変換部を 示す概略的縦断面構造図である。
[0667] 第 39図において、 602 が減圧 CVD 法によ り作成した電子注入を 阻止する機能を有する n型ボ リ Si層であるこ と以外は第 2図と同 じであ り 、 601 が A 電極、 603 がキャ リ ア増倍を行うための、 a- Si,— yCy:H の組成を変化させた層 611 , 612, 613 の 3層からなる増倍領域、 604 が光を吸収しキャ リ アを発生させ るための厚さ約 2 u m の a- Si: Hからなる光吸収層、 605 が電子注 入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a-Si:Hからなる電荷注入 阻止層、 606 が酸化イ ンジウムを主体と した透明電極である。
[0668] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 400nm 以下の紫外部光に対して波長を変化させても 増倍率の変化はなかった。
[0669] さ らに暗時の リ 一ク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約
[0670] 0. lnA/cm2 以下と低かった。
[0671] さ らにまた光応答速度は增倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であった。
[0672] 次に、 本発明の光電変換装置の全体構造及び動作について説明 する。
[0673] 以下に説明する実施例は、 実施例 1 に示した光電変換部を、 本 発明者らが既に特開昭 63-278269号公報に提案した走査回路、 読 出し回路上に積層した実施例である。
[0674] 第 40図 (a) は本発明の光電変換装置の一実施例の受光部付近の 概略的断面図、 第 40図 (b) は一画素の等価回路図、 第 40図 (c) は 本装置全体の等価回路およびブロ ッ ク回路図である。
[0675] 第 40図(a) において、 p型シ リ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レクタ領域となる P—層 702 が形成され、 その中に nベース領域 703 、 さ らに p +ェミ ッ タ領域 704 が形成されバィ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0676] nベース領域 703 は隣接画素と分離されてお り 、 また、 水平方 向に隣接する nベース領域との間には酸化膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがって隣接する nベース領域 703 を各々 ソース · ド レイ ン領域と して nチャ ンネル M0S 卜 ラ ン ジス夕が構成されている。 ゲー ト電極 706 は nベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシタ と しても働いている。
[0677] さ らに、 絶緣層 707 を形成した後、 ェミ ッ タ電極 708 を形成す る。
[0678] その後、 絶縁贋 709 を形成し、 続いて、 a-Si,— xGex:H〜 a-Si , -yCy:H の組成変化層 721, 722, 723 を形成して増倍領域 710 を構成する。 次に光吸収層 a-Si:H層 711 を形成し、 p型 a-Si:H層 712 を形成し、 センサにバイ アス電圧を印加するための透明電極 713 を形成する。
[0679] また、 コ レクタ電極 714 が基板 701 の裏面に才一ミ ッ ク接続さ れている。
[0680] したがって、 一画素の等価回路は第 40図(b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成されるバイ ポーラ ト ラ ンジスタ 731 のベースに、 nチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 とキャパシタ 733 及び実施例 1 と同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 nチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 および キ ャ パシタ 733 を駆動する ための端子 736 と 、 セ ンサ電極 737 と、 ェミ ッ タ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0681] 第 40図 (c) は第 40図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 x 3の 2次元マ ト リ ッ クス S置した回路構成図である。
[0682] 同図において * —画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 nMOSト ラ ンジスタのゲー ト電極およびキャパシタ 電極は行ごとに駆動配線 743, 743 ' , 743 " と接続され、 垂直シ フ 卜 レジスタ ( V, S , R ) 744 と接続されている。 またエミ ッ タ電極は列ごとに信号読出しのための垂直配線 746, 746 ' , 746" と接続されている。 垂直配線 746.746 ' , 746" はそれぞれ垂直配 線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ッチ 747 , 747' .747" と読出 しスィ ツチ 750, 750 ' , 750" に接続されている。 リ セッ トスイ ツ チ 747, 747 ' , 747" のゲー ト電極は垂直配線リ セッ 卜 パルスを印 加するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直 ラ イ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されて いる。 読出しスイ ツ チ 750, 750 ' , 750" のゲ一 卜電極はそれぞれ 配線 751 , 751 ' , 751" を介して水平シフ ト レジスタ ( H , S , R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ッチ 754 に接続されている。
[0683] リ セッ トスイ ツ チ 754 は水平配線リ セッ トパルスを印加するた めの端子 755 と水平配線 リ セッ 卜電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0684] 最後にアンプ 757 の出力は端子 758 からと り出される。
[0685] 以下、 第 40図 (a) 〜(c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0686] 第 40図 (a) の光吸収層 711 で入射された光が吸収され、 発生し たキャ リ アが増倍領域 710 で増倍されて、 ベース領域 703 内に蓄 積される。
[0687] 第 40図 (c) の垂直シフ ト レジスタから出力される負方向の駆動 パルスが駆動配線 743 に現われると、 キャパシタを介してベース 電位が下降し、 1 行目の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配 線 746.746 ' ,746" にそれぞれと り出される。
[0688] 次に、 水平シフ 卜 レジスタ 752 から走査パルスが 751, 751 ' , 751 " に順次出力される と 、 スィ ッ チ 750.750 ' .750" が順に 0N.0FF制御され、 信号がア ンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出される。 こ の際 リ セ ッ ト スィ ッ チ 754 は、 スイ ッ チ 750 , 750 ' , 750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を除去している。
[0689] 次に垂直ライ ン リ セッ ト スイ ッチ 747, 747 ' .747" が ON状態と なり 、 垂直配線 746, 746 ' .746" の残留電荷が除去される。 そし て垂直シフ ト レジスタ 744 から駆動配線 743 に正方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の nMOS卜 ラ ンジス夕が ON状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0690] 次に垂直シフ ト レジスタ 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743 ' に瑰われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り 出 される。
[0691] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り 出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ とによ り本装置は動作をする。
[0692] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0693] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明の光電変換装置 を用いた場合に''ついて説明する。
[0694] 第 41図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すブロ ッ ク図である。
[0695] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であり 、 例えば、 実施例 1 , 実施例 2 に示した本発明の光電変換装置が用 いられる。. 光電変換部 801 は信号出力部 805 に接続される。 信号 出力部 805 において、 802 は光電変換部 801 よ り発生した信号電 荷の蓄積手段、 8Q3 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は走査手段 803 によ り転送された信号電荷を増幅 · ノ イズ補償回 路等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄積動 作を行う場合には必要となるが、 なく てもよい。 以上説明したよ う に、 本発明の実施例 19、 20で示した光電変換 装置によれば、 複数の光電変換部と、 前記光電変換部よ り発生し た電気的信号を蓄積する蓄積手段、 前記光電変換部よ り発生した 電気的信号を走査するための走査手段、 前記光電変換部よ り発生 した電気的信号を読み出すための読み出し手段の内、 少なく と も 一つの手段を有する信号出力部と を有する光電変換装置におい て、
[0696] 光を吸収する光吸収層と、 光を吸収して生じたキャ リ アを增倍 する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的 に変化したステ ップバッ ク構造を一層或いは複数層積層してなる 増倍層とを、 光吸収層上に積層した電荷注入阻止層と前記信号出 力部を形成した電荷注入阻止機能を持つ基体との間に狭持するこ と で、 前記光電変換部を構成するこ と によ り 、 増倍層側の電荷注 入阻止機能を持つ基体は、 予めパターニング形成された状態とな り 、 改めて反応性イ オンエッチング等で素子間分離する必要がな く なつた。 したがって、 反応性イ オンエッチング等で生ずるプロ セス上の問題が解決され、 素子間分離に伴う暗電流の リーク増加 等を抑え、 高速応答性に優れ、 且つ低雑音、 高感度で、 種々の波 長光に対応できる大面積化が容易な光電変換装置を提供するこ と ができた。
[0697] (実施例 21)
[0698] 以下、 第 42図及び第 43図 (a) . (b) を用いて本発明の第 1 実施例 について説明する。
[0699] 第 42図は、 本発明の光電変換装置の第 1 実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0700] 第 42図において、 401 は Cr電極、 402 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 50D Aの n型 a- SinGex.'Hからなる電荷注入阻止層、 403 はキャ リ ア增倍を行う ための a- Si xGex:H a- Si yCy:H の 組成を変化させだ増倍領域、 404 は光を吸取しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 2 At m の a-Si:Hからなる光吸収層、 405 は電子 注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a- Si:Hからなる電荷注 入阻止層、 406 は酸化イ ンジウムを主体と した透明電極である。
[0701] Cr電極 401 及び透明電極 406 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 402 、 増倍領域 403 、 光吸収層 404 および電荷注入阻止層 405 の非晶質層は,プラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 402 が SiH4,GeH4,PH3,H2、 增倍領域 403 が SiH GeH4, CH4 H2、 光吸収層 404 が SiH4 H2 、 電荷注入阻 止層 405 が SiH4, B2H6 H2を用いた。
[0702] 增倍領域 403 は原料ガスのう ち CH4 と Gei のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 411, 412.413 の 3つの層か ら成っている。
[0703] 第 42図に示した第 21実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 43図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0704] 第 43図 (a) は第 1 実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 43図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ アスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0705] 第 43図 (a) (b)は、 n型 501 の禁制帯幅が Eg4 3-5 66 11 &- 組成変化層 511, 512, 513 の 3つの層 からなる増倍領域 502 の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 502 の最 大禁制帯幅が Eg3 a- Si:Hからなる光吸収層 503 の禁制帯幅が Egl p型 a-Si:H層 504 の禁制帯幅が EgO であるこ とを示してい る。 、:
[0706] また、 第 43図 . (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 43図 (b) を見てもわかるよ うにキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0707] こ こで作成した組成変化層 511, 512.513 のうちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a-S — yCy:H であ り 、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0708] また、 a-S — xGex:H層 501 の Ge組成比 xは約 0.6 であり 、 禁制 帯幅 Eg4 は約 1.3eV であった。 組成変化層 511, 512, 513 のうちの 最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も a- S -xGex:!!層であり 、 Eg2 も約 1.3eV であった。 503 , 504 の a- S i: H層の禁制帯幅 Eg 1 , EgO は と もに約 1.8eV であった。
[0709] さ らに光吸収層 503 の光吸収係数は波長 400nm の光に対して約 1 X 105cm- 1 以上、 波長 700nra の光に対して約 5 x 103 cm - 1 以上 であ り 、 可視部光の吸収が十分に行えている。
[0710] 本装置の増倍率は 10Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あつた。 また、 波長 700nm 以下の光に対して、 波長を変化させても増倍 率の変化はなかった。
[0711] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0712] さ らにまた光応答速度は増倍層 502 のない pin 型光電変換装置 と同等であり 、 高速であった。
[0713] 本実施例においては、 増倍領域内の組成変化層が 3層であった が、 これは単なる一例であ り 、 層の数はいく つでもよ く 、 得たい 増倍率に応じて決めてやればよい。
[0714] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ッブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステッ プバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステ ップバッ クがな だらかになつていても作用できる範囲にある。
[0715] さ らに、 組成変化層 (ステップバッ ク層) の厚さは本実施例で は約 200 Aであるが、 キャ リ アが再結合せずに走行できる範囲内 の厚さであればよい。 ただし、 薄い方が印加バイ アスを低く する こ とができるので望ま しい。
[0716] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 2 w ni と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸収係数によ り決められる。
[0717] ま た、 本実施の非晶質層の原料ガスには SiH4, B2He, PH3, CH4, GeH4を用いたが、
[0718] SiH4のかわ り に、 SiF Si2H6,Si2F6.Si3H8.SiH3F,Si2F2.…等 の鎖状シラ ン化合物、 ま たは Si5H10, Si6HI 2. S Ηβ,…等の環状 シラ ン化合物等を使う こ とができ、
[0719] Β2Η6のかわ り に、 Β (ホウ素) ,Α£ (アルミニウム) , In (ィ ンジゥム) , T (タ リ ウム) 等の第 ΠΙ族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0720] PH3 のかわ り に、 P (燐) , As (ひ素) , Sb (ア ンチモン) 、 Bi (ビスマス) 等の第 IV族原子を含むガスを使う こ とができ、
[0721] CH4 のかわ り に、 CH2F2,C2H6,C2H4,C2H2,Si (CH3) 4,SiH(CH3) 3 等の炭素化合物、 N2,NH3,H2NNH2,HN3NH4N3, F3N.F4N等の窒素化合 物、 02.(02, 10, 02 20, 03,1*203 ,^04^03等の酸素化合物を使う こ と ができ、
[0722] Gei のかわ り に、 GeF^等のゲルマニウム化合物、 SnH4等のスズ 化合物を使う こ とができる。
[0723] さ らに、 組成変化層の組成比は、 局在準位低減のため 0〜約 0.6 の範囲であるこ とが好ま しい。
[0724] また、 非晶質層の作成にはプラズマ CVD 法のほかに ECR ブラズ マ法等も有用である。
[0725] また、 本実施例では、 半導体層に非晶質層を用いたが、 多結晶 等の非単結晶性材料を用いてもよい。
[0726] 本実施例では、 電荷注入阻止層の P層側から光を入射し、 電子 によ り増倍動作を起こ しているが、 電荷注入阻止層の P層と n層 を入れかえ、 増倍領域の価電子帯側にステッブバッ ク構造が形成 されるよ う に して、 電荷注入阻止層の n層側から光を入射し、 正 孔によ り増倍動作を起こさせてもよい。
[0727] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.8eV であるが、 H2ガス 流量を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られる よ う にする こ と もできる。
[0728] また、 電荷注入阻止層 ( P , n と も) の禁制帯幅、 ドーピング 量は、 電極からの小数キャ リ アの注入が抑制でき、 かつ多数キヤ リ ァの走行性が妨げられないよ うに調製されていればよい。
[0729] (実施例 22)
[0730] 以下、 第 44図を用いて本発明の第 22実施例について説明する。 第 44図 (a) (b)は本発明の第 22実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0731] 第 44図 (a) は第 22実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 44図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ アスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0732] 第 44図 (a) では、 601 が禁制帯幅 Eg4' の n型 a- S iい y Cy: H 層である こ と と 、 604 が禁制帯幅 EgO ' の p型 a- Si,— yCy :H 層 である こ と以外は、 第 3図 (a) と 同 じであ り 、 a- SinGe^H a-Si, -yCy: H 組成変化層 611, 612, 613 の 3層からなる増倍領域 602 の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si:H層 603 の禁制帯幅が Egl であるこ とを示している。
[0733] 本装置の増倍率は 10Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 700nm 以下の光に対して波長を変化させても増倍率 の変化はなかった。
[0734] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約
[0735] 0. lnA/cm2 以下と低かっ た。
[0736] さ らにまた光応答速度は増倍層 602 のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であつた。
[0737] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テツブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行稈以内の範囲であればブバッ クがなだらかになつていて も、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがなだらか になっている場合には材料選択の自由度が大き く なる。
[0738] (実施例 23)
[0739] 本実施例は、 実施例 21に示した光電変換装置を、 本発明者らが 既に特開昭 63-278269号公報に提案した走査回路、 読出し回路上 に積層した実施例である。
[0740] 第 45図 (a) は本発明の実施例の受光部付近の概略的断面図、 第 45図 (b) は一画素の等価回路図、 第 45図(c) は本装置全体の等価 回路およびプロ ッ ク回路図である。
[0741] 第 45図 (a) において、 n型シ リ コ ン基板 701 上にェピタキシャ ル成長によ り コ レクタ領域となる π—層 702 が形成され、 その中に Pベース領域 703 、 さ らに π +ェミ ッ タ領域 704 が形成されバイ ポーラ ト ラ ンジスタを構成している。
[0742] pベース領域 703 は隣接画素と分離されてお り、 また、 水平方 行に隣接する Pベース領域との間には酸化膜 705 を挟んでゲー ト 電極 706 が形成されている。 したがって隣接する pベース領域 703 を各々 ソース ' ド レイ ン領域と して pチ ャ ンネル M0S ト ラ ン ジス夕が構成されている。 ゲー ト電極 706 は pベース領域 703 の 電位を制御するためのキャパシ夕 と しても働いている。
[0743] さ らに、 絶縁層 707 を形成した後、 ェミ ッ タ電極 708 、 および ベース電極 708' を形成する。
[0744] その後、 絶縁層 709 を形成し、 続いて電極 711 を形成し、 画素 ごと に分離する。 電極 711 は電極 708' と電気的に接続してい る。 さ らに n型 a-Si,— xGex:H層 712 を形成して、 画素ごとに分離 する。
[0745] 続いて、 a-Si , -xGex :H~ a-Si , -yCy :H の組成変ィ匕層 721 , 722 , 723 を形成して増倍領域 713 を構成する。 次に光吸収層 a- Si-.H層 714 を形成し、 p型 a- Si:H層 715 を形成し、 センサにバイ アス電 圧を印加するための透明電極 716 を形成する。
[0746] また、 コ レクタ電極 717 が基板 701 の裏面にォーミ ッ ク接続さ れている。
[0747] したがって、 一画素の等価回路は第 45図(b) のよ うに、 結晶シ リ コ ンで構成されるバイ ポーラ ト ラ ンジスタ 731 のベースに、 Pチャ ンネル M0S ト ラ ンジスタ 732 と キャパシタ 733 及び実施例 1 と同様の光電変換装置 734 が接続され、 ベースに電位を与える ための端子 735 と 、 pチヤネンル M0S ト ラ ンジスタ 732 および キ ャ パシタ 733 を駆動するための端子 736 と 、 センサ電極 737 と、 ェミ ッ タ電極 738 、 コ レクタ電極 739 とで表わされる。
[0748] 第 45図 (c) は第 45図 (a) (b)で示した一画素セル 740 を 3 x 3の 2次元マ ト リ ッ クス配置した回路構成図である。
[0749] 同図において、 一画素セル 740 のコ レクタ電極 741 は全画素に それぞれ設けられ、 センサ電極 742 も全画素にそれぞれ設けられ ている。 また、 PMOSト ラ ンジスタのゲ一 卜電極およびキャパシタ 電極は行ごとに駆動配線 743, 743' , 743" と接続され、 垂直シフ フ 卜 レジスタ ( V , S , R ) 744 と接続されている。 またエミ ッ タ電極は列ごと.に信号読出しのための垂直配線 746, 746' , 746" と接続されている。 垂直配線 746, 746' .746" はそれぞれ垂直配 線の電荷を リ セッ 卜するためのスィ ッチ 747 , 747' , 747" と読出 しスィ ッ チ 750, 750' , 750" に接続されている。 リ セッ トスイ ツ チ 747, 747' , 747" のゲー ト電極は垂直配線リ セ ッ ト パルスを印 加するための端子 748 に共通接続され、 また、 ソース電極は垂直 ライ ン リ セッ 卜電圧を印加するための端子 749 に共通接続されて いる。 読出しスィ ヅ チ 750, 750' , 750" のゲー ト電極はそれぞれ 配線 751. 751 ' , 751" を介して氷平シフ ト レジス タ ( H, S , R ) 752 に接続されてお り 、 また ド レイ ン電極は水平読出し配線 753 を介して出力アンプ 757 に接続されている。 水平読出し配線 753 は水平読出し配線の電荷を リ セッ トするためのスィ ッチ 754 に接続されている。
[0750] リ セ ヅ トスィ ツ チ 754 は水平配線リ セッ 卜 ノ ルスを印加するた めの端子 755 と水平配線 リ セッ 卜電圧を印加するための端子 756 に接続される。
[0751] 最後にアンプ 757 の出力は端子 758 からと り出される。
[0752] 以下、 第 45図 (a) 〜(c) を用いて動作を簡単に説明する。
[0753] 第 45図 (a) の光吸収層 714 で入射された光が吸収され、 発生し たキャ リ アが増倍領域 713 で増倍されて、 ペース領域 703 内に蓄 積される。.
[0754] 第 45図 (c) の垂直シフ ト レジス夕から出力される駆動パルスが 駆動配線 743 に現われる と、 キャパシタを介してベース電位が上 昇し、 1 行目の画素から光量に応じた信号電荷が垂直配線 746, 746 ' , 746" にそれぞれと り出される。
[0755] 次に、 水平シフ ト レジスタ 752 から走査パルスが 751 , 751' , 751 " に順次出力される と 、 スィ ッ チ 750, 750' , 750" が順に ON. OFF制御され、 信号がア ンプ 757 を通して出力端子 758 に と り 出される。 この際 リ セ ッ ト スイ ッ チ 754 は、 スィ ッ チ 750 , 750 ' , 750" が順番に ON動作する間に ON状態と な り 、 水平配線 753 の残留電荷を除去している。
[0756] 次に垂直ライ ン リ セッ トスィ ッチ 747, 747' , 747" が 0N状態と なり 、 垂直配線 746, 746' , 746" の残留電荷が除去される。 そし て垂直シフ ト レジス夕 744 から駆動配線 743 に負方向のパルスが 印加される と一行目の各画素の PM0Sト ラ ンジスタが 0N状態と な り 、 各画素のベース残留電荷が除去され、 初期化される。
[0757] 次に垂直シフ 卜 レジスタ 744 から出力される駆動パルスが駆動 配線 743' に現われ、 2行目の画素の信号電荷が、 同様にと り 出 される。
[0758] 次に 3行目の画素の信号電荷のと り 出しも同様に行われる。 以上の動作を繰り返すこ とによ り本装置は動作をする。
[0759] なお、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わない。
[0760] 以下、 一般的な構成の光電変換装置に、 本発明に係る光電変換 装置を用いた場合について説明する。
[0761] 第 46図は一般的な構成の光電変換装置に本発明を用いた場合の 構成を示すプロ ッ ク図である。
[0762] 同図において、 801 は複数の本発明に係る光電変換部であり 、 例えば、 実施例 21, 実施例 22に示した本発明の光電変換装置が用 いられる。 光電変換部 801 は信号出力部 805 に接続される。 信号 出力部 805 において、 802 は光電変換部 801 よ り発生した信号電 荷の蓄積手段、 803 は前述の信号電荷を走査する走査手段、 804 は走査手段 803 によ り転送された信号電荷を増幅 · ノ イズ補償回 路等からなる読み出し手段である。 なお、 蓄積手段 802 は蓄積動 作を行う場合はは必要と なるが、 なく てもよい。
[0763] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ッ プバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以 Λの範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 24 )
[0764] 本実施例は、 E g l なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステッブバッ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる增倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成すると と もに、 前記光吸収層の禁制帯幅 Eg l と前記増倍層の最大禁制帯幅 Eg3 と を略等し く したものである。
[0765] 本実施例では、 光吸収層の禁制帯幅 Egl と増倍層の最大禁制帯 幅 Eg3 とを略等し ぐする こ とによ り、 光吸収層、 増倍層間のバン ド不整合、 及びそれによ り生ずる種々の問題を解消し、 界面順位 の生成等による光吸取層にてキヤ リ ァの走行性に対する障害等か ら生ずる高速応答性の低下を防ぎ、 高速応答性を達成し、 増倍層 を持たないホ 卜 ダイ オー ド と同様の高速応答性が得られる と同時 に光吸収層の禁制帯幅 Eg l を特に紫外部光に対応する禁制帯幅に する こ とで、 紫外部光に対し高感度とするこ とができる。 また、 本実施例では、 ステッ プバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増 幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができる。 また本実施例の光電変換装置の構成要素を少なく と も Si原子を 含む非単結晶性材料から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及 び低温積層が可能と な り 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消す る こ と ができ る。
[0766] 以下、 第 47図及び第 48図 (a) , (b) を用いて本発明の第 24実施例 について説明する。
[0767] なお、 本実施例は、 光吸収層の禁制帯幅 Egl と増倍層の最大禁 制帯幅 Eg3 と を略等し く するこ とを除き実施例 1 と同様であって 説明が重複するため、 説明の一部については省略している。
[0768] 第 47図は、 本発明の光電変換装置の第 24実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0769] 第 47図において、 901 は Cr電極、 902 は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型3-5 - 66 11からなる電荷注入阻止層、 903 はキヤ リ ァ増倍を行う ための a- Si,— xGex:I!〜 a-Si^— yCy:H の 組成を変化させた増倍領域、 904 は光を吸収しキャ リ アを発生さ せるための厚さ約 1 μ m の a- Si! -yC !! からなる光吸収層、 905 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a- Sin :!! か らなる電荷注入阻止層、 906 は酸化イ ンジウムを主体と した透明 電極である。
[0770] Cr電極 901 及び透明電極 906 は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 902,增倍領域 903,光吸収層 904 および電荷注入阻止層 905 の非 晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原料ガ スは、 電荷注入阻止層 902 が SiH4, GeH4, PH3,H2、 増倍領域 903 が SiH4, GeH4, CH4,H2、 光吸収層 904 が SiH4, CH4,H2 、 電荷注入阻止 層 905 が SiH4, CH4, B2H6,H2を用いた。
[0771] 増倍領域 903 は原料ガスの う ち CH4 と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 911, 912.913 の 3つの層か ら成ってレ、る。
[0772] 第 47図に示した第 24実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 48図 (a) , (b) に示すよ う なものであるこ とが 想定される。
[0773] 第 48図 (a) は第 24実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 8図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0774] 第 48図 (a) (b)は、 n型 a- S 1001の禁制帯幅が Eg4 、 a- Si卜 xGex :H〜a- Si , -yCy :H 組成変化層 1011.1012, 1013の 3つの 層からなる増倍領域 1002の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 1002の 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si ! 層 1003の禁制帯幅が Egl 、 P型 a- Si nCy 層 1004の禁制帯幅が EgO であるこ とを示してい る。 また、 第 48図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにェ ネルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態で は、 第 48図 (b) を見てもわかるよ うにキ ャ リ アの走行する方向に エネルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を 阻害していない。
[0775] こ こ で作成した a-Si , -yCy:H 層 1004, 1003の C組成比 y は約 0.4 であ り 、 禁制帯幅 Egl, EgO はと もに約 2.3eV であった。 組成 変化層 1011, 1012. 1013のう ちの最大禁制帯幅 Eg3 を与える層も a-Si . -yCyrH であり 、 Eg3 も約 2.3eV であった。
[0776] ま た、 a- S 1001の Ge組成比 Xでは約 0.6 であ り 、 禁制帯幅 Eg4 は約 1.3eV であった。 組成変化層 1011, 1012, 1013 のう ちの最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も3-5;11 -&63{:11層でぁ り 、 Eg2 も約 1.3eV であった。
[0777] さ らに光吸収層 1003の光吸収係数は波長 540nm の光に対して約 4 X 103cm- 1 、 波長 350nm の光に対して約 3 X 104 cm— 1 以上であ り 、 紫外部光の吸収が十分に行えている。
[0778] 本装置の增倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 400nm 以下の紫外部光に対して、 波長を変化させて も增倍率の変化はなかっ た。
[0779] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0780] さ らにまた光応答速度は增倍層 1002のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であつた。
[0781] 本実施例では光吸収層の厚さは約 1 n m と したが、 入射光が光 吸収層を通過して增倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚 さは光吸収係数によ り決められる。
[0782] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ、J、 ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。
[0783] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 2.3eV であるが、 C組成 比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られるよ う にする こ と もできる。
[0784] (実施例 25)
[0785] 以下、 第 49図を用いて本発明の第 25実施例について説明する。 第 49図 (a) , (b) は本発明の第 25実施例の理想的に想定されるェ ネルギバン ド構造図である。
[0786] 第 49図 (a) は第 25実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 49図(b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにパイ ァスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0787] 第 49図 (a) では、 1101が禁制帯幅 Eg4 ' の n型 a- Siい y Cy: H 層であるこ と以外は、 第 48図 (a) と同じであり 、 a- SinGe^H a-Sii-yCy H 組成変化層 1111 , 1112 , 1113の 3層からなる増倍領域 1102の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si1-yCy:H 層 1103の禁制帯幅が Egl 、 P型 a- Si,— yC H 層 1104の禁制帯幅が EgO である こ とを示している。
[0788] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 400nm 以下の紫外部光に対して波長を変化させても 増倍率の変化はなかつた。
[0789] さ らに暗時の リーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約
[0790] 0. InA/cm2 以下と低かった。
[0791] さ らにまた光応答速度は増倍層 1102のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であった。
[0792] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テツブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 26)
[0793] 本実施例は、 実施例 23と同様に、 実施例 24に示した光電変換装 置を、 本発明者らが既に特開昭 63- 278269 号公報に提案した走査 回路、 読出し回路上に積層したものである。
[0794] なお、 光電変換装置の構成は、 第 45図 (a) の光吸収層たる a- Si: H層 714 を光吸収層たる a- Si,— yCy:H 層と し、 p型 a-Si:H 715 を p型 a-Siい yGy:H 層と したことを除いて同じであり、 その 動作についても同様なので説明を省略する。
[0795] また、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わないこ とは実施例 23 と同様である。
[0796] (実施例 27 )
[0797] 本実施例は、 E g l なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを增倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステップバッ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成する と と もに、 前記光吸収層の禁制帯幅 Eg l と前記増倍層の最小禁制帯幅 Eg2 と を略等し く したものである。
[0798] 本実施例では、 光吸収層の禁制帯幅 Eg l と増倍層の最小禁制帯 幅 Eg2 と を略等し く するこ とによ り 、 光吸収層、 增倍層間のバン ド不整合、 及びそれによ り生ずる種々の問題を解消し、 界面順位 の生成等による光吸収層にてキヤ リ ァの走行性に対する障害等か ら生ずる高速応答性の低下を防ぎ、 高速応答性を達成し、 増倍層 を持たないホ ト ダイ オー ド と同様の高速応答性が得られる と同時 に光吸収層の禁制帯幅 Eg l を特に赤外部光に対応する禁制帯幅に するこ とで、 赤外部光に高感度をもたせるこ どができる。
[0799] また、 本実施例では、 ステップバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができる。
[0800] また、 本実施例の光電変換装置の構成要素を少なく と も S i原子 を含む非単結晶性材料から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性 及び低温積層が可能と なり 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消 する こ とができ る。
[0801] 以下、 第 50図及び第 51図 (a) , (b) を用いて本発明の第 27実施例 について説明する。
[0802] なお、 本実施例は、 光吸収層の禁制帯幅 Egl と増倍層の最小禁 制帯幅 Eg2 と を略等し く するこ と を除き実施例 21と 同様であって 説明が重複するため、 説明の一部については省略している。
[0803] 第 50図は、 本発明の光電変換装置の第 7実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0804] 第 50図において、 1201は Cr電極 、 1202は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型 a- Si i -xGex :!!からなる電荷注入阻止層、 1203はキヤ リ ァ増倍を行ぅ ための3-511 - ^6 1! 3-5 — 11 の 組成を変化させた増倍領域、 1204は光を吸収しキヤ.リ ァを発生さ せるための厚さ約 1 ffl の a-Si, -xGex:Hからなる光吸収層、 1205 は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの p型 a- Si nGex :!!か らなる電荷注入阻止層、 1206は酸化イ ンジウムを主体と した透明 電極である。 ,
[0805] Cr電極 1201及び透明電極 1206は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 1202, 増倍領域 1203, 光吸収層 1204および電荷注入阻止層 1205 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 1202が SiH4, GeH4, PH3,H2、 增倍領域 1203が SiH4,GeH4,CH4,H2、 光吸収層 1204が SiH4 , Ge! H2、 電荷注 入阻止層 1205が SiH4,GeH B2H6,H2 を用いた。
[0806] 増倍領域 1203は原料ガスのう ち CH4 と Ge! のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 1211.1212, 1213の 3つの層 から成っている。
[0807] 第 50図に示した第 27実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 51図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0808] 第 51図 (a) は第 27実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 51図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ ァスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0809] 第 51図 (a) (b)は、 n型 a-Si :}!層 1301の禁制帯幅が Eg4 3-5:1 £66:}1〜3-5 (: 1{ 組成変化層1311, 1312, 1313の 3っの 層からなる増倍領域 1302の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 1302の 最大禁制帯幅が Eg3 、 a- SinGex H層 1303の禁制帯幅が Egl 、 型3-511— 6:!1層 1304の禁制帯幅が EgO であるこ とを示してい る。 また、 第 51図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにェ ネルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態で は、 第 51図 (b) を見てもわかるよ う にキャ リ アの走行する方向に エネルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を 阻害していない。
[0810] こ こで作成した組成変化層 1311, 1312, 1313のうちの最大禁制帯 幅 Eg3 を与える.層は C組成比 yが約 0.4 の a- SinCy:}! であ り 、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0811] ま た、 a-SinGex:!!層 1301 , 1303 , 1304の Ge組成比 x は約 0.6 であ り 、 禁制帯幅 Eg4 , Egl. EgO は約 1.3eV であっ た。 組成変 化層 1311, 1312, 1313 のう ちの最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も a-Sii— xGex:H層であり 、 Eg2 も約 1.3eV であった。
[0812] さ らに光吸収層 1303の光吸収係数は波長 800ηιη の光に対して約 1 X 105cm-' 、 波長 lOOOnmの光に対して約 2 x 104cm- 1 以上であ り 、 赤外部光の吸収が十分に行える。
[0813] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して、 波長を変化させても増倍 率の変化はなかった。
[0814] さ らに暗時の リーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 lOnA/cm2 以下と低かっ た。
[0815] さ らにまた光応答速度は增倍層 1302のない pin 型光電変換装置 と同等であり 、 高速であっ た。
[0816] 本実施例では光吸収層の厚さは約 l iu m と したが、 入射光が光 吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚 さは光吸収係数によ り決められる。
[0817] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ッ プバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステッ プバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステッ プバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。
[0818] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.3eV であるが、 Ge組成 比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られるよ う にする こ と もできる。
[0819] (実施例 28)
[0820] 以下、 第 52図を用いて本発明の第 28実施例について説明する。 第 52図 (a) (b)は本発明の第 28実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0821] 第 52図 (a) は第 28実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ ると きのエネルギ帯図、 第 52図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ ァスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0822] 第 52図 (a) では、 1401が禁制帯幅 Eg4' の n型 a- Si , -yCy :H 層 である こ と以外は、 第 51図 (a) と 同 じであ り 、 a-Si, -xGex:H〜 a-Si,-yCy:H 組成変化層 1411, 1412.1413の 3層からなる増倍領域 1402の最小禁制帯暢が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si,-xGex:H 層 1403の禁制帯幅が Egl 、 P型 a- SinGex:!!層 1404の禁制帯幅が EgO であるこ とを示している。
[0823] 本装置の増倍率は 10Vのバイ ァス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnni以下の赤外部光に対して波長を変化させても 増倍率の変化はなかった。
[0824] さ らに暗時の リ 一ク電流は 10Vのバイ ァス印加時に約 10nA/cm2 以下と低かっ た。
[0825] さ らにまた光応答速度は增倍層 1402のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であっ た。
[0826] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テツ プバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 29)
[0827] 本実施例は、 実施例 23と同様に、 実施例 27に示した光電変換装 置を、 本発明者らが既に特開昭 63-278269 号公報に提案した走査 回路、 読出し回路上に積層した実施例である。 なお、 光電変換装 置の構成は、 第 45図 (a) の光吸収層たる a- Si:H層 714 を光吸収層 たる a- Siい xGex:H層と し、 p型 a-Si:H715 を p型 a-Si , - xGex: H層 と したこ とを除いて同 じであり 、 その動作についても同様なので 説明を省略する。
[0828] また、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わないこ とは実施例 23 と 同様である。
[0829] (実施例 30)
[0830] 本実施例は、 Egl なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを增倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステツブバ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成する と と もに、 前記光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層された一方の 電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記增倍層の最 大禁制帯幅 Eg3 と略等し く なるよ うに したものである。
[0831] 本実施例では、 光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 光吸収層上に積層 された一方の ¾荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前 記增倍層の最大禁制帯幅 Eg3 と略等し く するこ とによ り 、 光吸収 層、 増倍層間のバン ド不整合、 及びそれによ り生ずる種々の問題 を解消し、 界面順位の生成等による光吸収層にてキャ リ アの走行 性に対する障害等から生ずる高速応答性の低下を防ぎ、 高速応答 性を達成し、 増倍層を持たないホ トダイ オー ド と同様の高速応答 性が得られる と同時に、 光吸収層の禁制帯幅 Egl を特に可視部か ら紫外部光に対応する禁制帯幅にするこ とで、 可視部から紫外部 光に高感度をもたせるこ とができる。
[0832] また、 本実施例では、 ステ ップバッ ク構造の層数を選択するこ とで、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができる。
[0833] また本実施例の光電変換装置の構成要素を少なく と も S i原子を 含む単結晶から構成すれば、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積 層が可能とな り 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とが できる。
[0834] 以下、 第 53図及び第 54図 (a), (b) を用いて本発明の第 30実施例 について説明する。
[0835] なお、 本実施例は、 光吸収層の禁制帯幅 Eg l を、 光吸収層上に 積層された一方の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側 で前記増倍層の最大禁制帯幅 Eg3 と略等し く なるよ うに したこ と を除き実施例 21と同様であって説明が重複するため、 説明の一部 については省略している。
[0836] 第 53図は、 本発明の光電変換装置の第 30実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0837] 第 53図において、 1501は Cr電極 、 1502は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの 11型3-5 - (^:11からなる電荷注入阻止層、 1503はキ ャ リ ア增倍を行う ための a-Si,— xGe H a-S -yCy:!! の 組成を変化させた增倍領域、 1504は光を吸収しキヤ リ ァを発生さ せるための厚さ約 2 m の a- Si:H〜 a- Si ,— y Cy: Hの組成を変化さ せた光吸収層、 1505は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの P型 a-Si:Hからなる電荷注入阻止層、 1506は酸化イ ンジウムを主 体と した透明電極である。
[0838] Cr電極 1501及び透明電極 1506は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 1502. 增倍領域 1503, 光吸収層 1504および電荷注入阻止層 1505 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 1502が SiH4. GeH4, PH3.H2、 増倍領域 1503が SiH4, GeH4, CH4,H2、 光吸収層 1504が SiH4. CH4 , H2 、 電荷注 入阻止層 1505が Sii ,B2H6.H2を用いた。
[0839] 増倍領域 1503は原料ガスのうち CH4 と Gei のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 1511, 1512, 1513の 3つの層 から成っている。 光吸収層 1504は原料ガスのうち CH4 のガス流量 を連続的に変化させて形成している。
[0840] 第 53図に示した第 30実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 54図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0841] 第 54図 (a) は第 30実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 54図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ ァスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0842] 第 54図 (a) (b)は、 n型 a-Si!-xGex:!!層 1601の禁制帯幅が Eg4 、 a-Siい xGex'.H a-Sii -yCy:!! 組成変化層 1611 , 1612 , 1613の 3つの 層からなる増倍領域 1602の最小禁制帯幅が Eg2 、 增倍領域 1602の 最大禁制帯幅が Eg3 、 a- Si:H〜a- Sin :!! 層 1603の最小禁制帯 幅が Egl 、 p型 a- Si :H層 1604の禁制帯幅が EgO であるこ とを示し ている。
[0843] また、 第 54図(a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 54図(b> を見てもわかるよ う にキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キャ リ アの走行性を阻害 しない。
[0844] こ こ で作成した組成変化層 1611, 1612, 1613のう ちの最大禁制帯 幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a- Si! -yCy:!! であり 、 Eg3 は約 2.36V であった。 a-Si:H〜a-Siい yCy:H 層 1603の最大禁 制帯幅を与える層も a- Si ! -yCy:!! であった。
[0845] また、 a-Si!-xGex:!!層 1601の Ge組成比 Xは約 0.6 であり 、 禁制 帯幅 Eg4 は約 1.3eV であった。 組成変化層 1611. 1612. 1613のう ちの最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も
[0846] a-Si , -xGex :H層であ り 、 Eg2 も約 1.3eV であっ た。 a-Si :H〜 a-Si j -yCyrH 層 1603の最小禁制帯幅 Egl を与える層は a- Si: Hであ り 、 Egl は約 1.8eV であった。 P型 a- Si:H層 1604の禁制帯幅 EgO も約 1.8eV であった。
[0847] さ らに光吸収層 1603の光吸収係数は波長 700nm の光に対して約 6 X 103cra- 1 、 波長 350nm の光に対して約 S x lf^cnT1 以上であ り 、 可視部から'紫外部光の吸収が十分に行えている。
[0848] 本装置の増倍率は 10 Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 700 以下の可視から紫外部の光に対して、 波長を 変化させても増倍率の変化はなかつた。
[0849] さ らに暗時のリーク電流は 10 Vのバイ アス印加時に約 1 nA/cm 2 以下と低かった。
[0850] さ らにまた光応答速度は増倍層 1602のない pin 型光電変換装置 と 同等であ り 、 高速であっ た。
[0851] 本実施例では光吸収層の厚さは約 2 と したが、 入射光が光 吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚 さは光吸収係数によ り決められる。
[0852] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.8 〜2.3eV であるが、 C組成比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得ら れるよ う にするこ と もできる。
[0853] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テッ プバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステッ プバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 31)
[0854] 以下、 第 55図を用いて本発明の第 31実施例について説明する。 第 55図 (a) (b)は本発明の第 31実施例の理想的に想定されるエネ ルギバン ド構造図である。
[0855] 第 55図 (a) は第 11実施例の光電変換装置が無ソ、'ィ ァス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 55図(b) はキャ リ ア増倍動作を行うた めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0856] 第 55図 (a) では、 1701の禁制帯幅 Eg4' の n型 a- Si ,— yCy: H 層 であるこ と と 、 光吸 1R層 1703の a-Si:H組成の領域が第 54図よ り も広いこ と以外は、 第 54図 (a) と 同 じであ り 、 a- Si , -xGex :H〜 a - Si,— yCy :H 組成変化層 1711.1712, 1713の 3層からなる増倍領 域 1702の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a-Si:H〜 a-Siい yCy: H 層 1703の最小禁制帯幅が Egl 、 p型 a-Si: H層 1704の 禁制帯幅が EgO である こ と を示している。
[0857] 本装置の増倍率は 10 Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 700nm 以下の可視部から紫外部の光に対して波長を 変化させても塔倍率の変化はなかった。
[0858] さ らに暗時のリ 一ク電流は 10Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かっ た。
[0859] さ らにまた.光応答速度は增倍層 1702のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であった。
[0860] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テッ ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステ ヅブバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 32)
[0861] 本実施例は、 実施例 22と同様に、 実施例 30に示した光電変換装 置を、 本発明者らが既に特開昭 63-278269 号公報に提案した走査 回路、 読出し回路上に積層したものである。
[0862] なお、 光電変換装置の構成は、 第 45図 (a) の光吸収層たる a-Si:H層 Π4 を光吸収層たる a-Si:H〜a- S - yCy : !! 組成変化層と したこ とを除いて同じであり 、 その動作についても同様なので説 明を省略する^
[0863] また、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わないこ とは実施例 3 と同様である。
[0864] (実施例 33)
[0865] 本実施例は、 Egl なる禁制帯幅を有し光を吸収する光吸収層 と、 光を吸収して生じたキャ リ アを増倍する最小禁制帯幅 Eg2 、 最大禁制帯幅 Eg3 なる禁制帯幅が連続的に変化したステツブバッ ク構造を有する層を一層或いは複数層積層してなる増倍層とを、 電荷注入阻止層間に狭持するよ うに積層して構成すると と もに、 前記光吸収層の禁制帯幅 Eg l を、 光吸収層上に積層された一方の 電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前記增倍層の最 小禁制帯幅 Eg2 と略等し く なるよ うに したものである。
[0866] 本実施例では、 光吸収層の禁制帯幅 Eg l を、 光吸収層上に積層 された一方の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 増倍層側で前 記増倍層の最小禁制帯幅 Eg2 と略等し く するこ と によ り 、 光吸収 層、 増倍層間のバン ド不整合、 及びそれによ り生ずる種々の問題 を解消し、 界面順位の生成等による光吸収層にてキャ リ アの走行 性に対する障害等から生ずる高速応答性の低下を防ぎ、 高速応答 性を達成し、 増倍層を持たないホ トダイオー ド と同様の高速応答 性が得られる と同時に、 光吸収層の禁制帯幅 Egl を、 特に赤外部 光から紫外部光に対応する禁制帯幅にするこ とで、 赤外部光から 紫外部光に高感度をもたせるこ とができ る。
[0867] また、 本実施例ではステップバッ ク構造の層数を選択するこ と で、 増幅率が 2以上得られ、 且つ低雑音とするこ とができる。
[0868] また本実施例の光電変換装置の構成要素を少なく と も S i原子を 含む単結晶から構成すれぱ、 禁制帯幅の容易な制御性及び低温積 層が可能とな り 、 積層によ り生ずる種々の問題を解消するこ とが でき る。
[0869] 以下、 第 56図及び第 57図 (a) , (b) を用いて本発明の第 33実施例 について説明する。
[0870] なお、 本実施例は、 光吸収層の禁制帯幅 Eg l を、 光吸収層上に 積層された一方の電荷注入層側よ り連続的に変化させ、 增倍層側 で前記増倍層の最小禁制帯幅 Eg2 と略等し く なるよ うにするこ と を除き実施例 21と同様であって説明が重複するため、 説明の一部 については省略するものとする。 第 56図は、 本発明の光電変換装置の第 33実施例を示す概略的縦 断面構造図である。
[0871] 第 56図¾:おいて、 1801は Cr電極 、 1802は正孔注入を阻止するた めの厚さ約 500 Aの n型3-5 - 3^6 }1からなる電荷注入阻止層、 1803はキヤ リ 増倍を行う ための a- SinCy-.H の 組成を変化させた増倍領域、 1804は光を吸収しキヤ リ ァを発生さ せるための厚さ約 1 m の a-S^H a-Si!— xGex:Hの組成を変化さ せた光吸収層、 1805は電子注入を阻止するための厚さ約 100 Aの P型 a- Si:Hからなる電荷注入阻止層、 1806は酸化イ ンジウムを主 体と した透明電極である。
[0872] Cr電極 1801及び透明電極 1806は EB蒸着で作成し、 電荷注入阻止 層 1802, 増倍領域 1803. 光吸収層 1804および電荷注入阻止層 1805 の非晶質層はプラズマ CVD 法で作成した。 非晶質層作成の際の原 料ガスは、 電荷注入阻止層 1802が SiH4, GeH4,PH3.H2、 増倍領域 1803力 sSi! . GeH4, CIU,H2、 光吸収層 1804力 SiH4 , GeH4 , H2、 電荷注 入阻止層 1805が51114,82116.112を用ぃた。
[0873] 増倍領域 1803は原料ガスのう ち CH4 と GeH4のガス流量を連続的 に変化させた厚さ 200 Aの組成変化層 1811.1812, 1813の 3つの層 から成つている。 光吸収層 1804は原料ガスのう ち GeH4のガス流量 を連続的に変化させて形成している。
[0874] 第 56図に示しだ第 33実施例の光電変換装置のエネルギバン ド構 造は、 理想的には第 57図 (a) , (b) に示すよ うなものであるこ とが 想定される。
[0875] 第 57図 (a) ぱ第 33実施例の光電変換装置が無バイ ァス状態にあ る と きのエネルギ #図、 第 57図(b) はキ ャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ ァスを印加した状態にあると きのエネルギ帯図である。
[0876] 第 57図 (a) (b)は、 n型 a- Si,_xGex:H層 1901の禁制帯幅が Eg4 、 a-Sii-xGe H a-Si,— yCy:H 組成変化層 1911.1912.1913の 3つの 層からなる増倍領域 1902の最小禁制帯幅が Eg2 、 増倍領域 1902の 最大禁制帯幅が Eg3 、 a- Si:H〜a- 1903の最大禁制帯 幅が Egl 、 P型 a- Si:H層 1904の禁制帯幅が EgO であるこ とを示し ている。
[0877] また、 第 57図 (a) において、 伝導帯端、 価電子帯端と もにエネ ルギの不連続点があるが、 バイ アス電圧が印加された状態では、 第 57図 (b) を見てもわかるようにキヤ リ ァの走行する方向にエネ ルギ不連続による障壁がほとんどなく 、 キ ャ リ アの走行性を阻害 していない。
[0878] こ こで作成した組成変化層 1911, 1912, 1913のう ちの最大禁制帯 幅 Eg3 を与える層は C組成比 yが約 0.4 の a-Si!-yCy:!! であり、 Eg3 は約 2.3eV であった。
[0879] また、 a- Si,— xGex:H層 1901の Ge組成比 Xでは約 0.6 であり、 禁 制帯幅 Eg4 は約 1.3eV であっ た。 組成変化層 1911.1912 , 1913 の う ちの最小禁制帯幅 Eg2 を与える層も a-Si,— xGex:H層であり 、 Eg2 も約 1.3eV であっ た。 a- Si:H〜a-Si, -xGex:H層 1903の最小 禁制帯幅を与える層も a-Si.-xGe Hであった。 a- Si:!!〜
[0880] a- Si, -xGe H層 1903の最大禁制帯幅 Eglを与える層は a- S i: Hであ り 、 Egl は約 1.8eV であっ た。 P型 a- Si: H層 1904の禁制帯幅 EgO も約 1.8eV であった。
[0881] さ らに光吸収層 1903の光吸収係数は波長 400nm の光に対して約 1 X 105 cm— 1 以上、 波長 lOOOnmの光に対して約 2 x 104cm—1 以上 であ り赤外部, 可視部, 紫外部光の吸収が十分に行えている。 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して、 波長を変化させても増倍率 の変化はなかっ た。 さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cra 2 以下と低かっ た。
[0882] さ らにまた光応答速度は增倍層 1902のない pin 型光電変換装置 と 同等であ り 、 高速であっ た。
[0883] また、 本実施例では光吸収層の厚さは約 1 w m と したが、 入射 光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さがあればよい。 この厚さは光吸収係数によ り決められる。
[0884] また、 本実施例においては、' 理想的ェネルギバン ド図と してス テ ッ ブバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同 じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。
[0885] 光吸収層の禁制帯幅 Eg2 はこ こでは約 1.8 〜; 1.3eV であるが Ge 組成比を変化させて Eg2 を制御し、 所望の分光感度特性が得られ るよ う にするこ と もできる。
[0886] (実施例 34)
[0887] 以下、 第 58図を用いて本発明の第 34実施例について説明する。 第 58図 (a) (b)は本発明の第 34実施例の理想的に想定されるェネ ルギバン ド構造図である。
[0888] 第 58図 (a) は第 34実施例の光電変換装置が無バイ アス状態にあ る と きのエネルギ帯図、 第 58図 (b) はキャ リ ア増倍動作を行う た めにバイ アスを印加した状態にある と きのエネルギ帯図である。
[0889] 第 58図 (a) では、 2001が禁制帯幅 Eg4' の n型 a- Si , -yCy :H 層 である こ と と 、 光吸収層 2003の a-Si:H組成の領域が第 17図よ り も広い こ と以外は、 第 58図 (a) と 同 じであ り 、 a-Siい xGex:H〜 組成変化層 2011 , 2012 , 2013の 3層からなる増倍領 域 2002の最小禁制帯幅が Eg2 、 最大禁制帯幅が Eg3 、 a- Si:H〜 a-Si, -xGex:H層 2003の最大禁制帯幅が Egl 、 p型 a- Si: H層 2004の 禁制帯幅が EgO であるこ と を示している。
[0890] 本装置の増倍率は 10Vのバイ アス印加時に約 10倍以上あった。 また、 波長 lOOOnm以下の光に対して波長を変化させても増倍率 の変化はなかっ た。
[0891] さ らに暗時の リ ーク電流は 10 Vのバイ ァス印加時に約 1 nA/cm2 以下と低かった。
[0892] さ らにまた光応答速度は增倍層 2002のない pin 型光電変換装置 と同等であ り 、 高速であっ た。
[0893] また、 本実施例においては、 理想的エネルギバン ド図と してス テ ッ プバッ クが急峻に変化した構造を想定しているが、 電子の平 均自由行程以内の範囲であればステップバッ クがなだらかになつ ていても、 同じ効果が得られる。 またさ らにステップバッ クがな だらかになつている場合には材料選択の自由度が大き く なる。 (実施例 35)
[0894] 本実施例は、 実施例 23と同様に、 実施例 33に示した光電変換装 置を、 本発明者らが既に特開昭 63- 278269 号公報に提案した走査 回路、 読出し回路上に積層したものである。 なお、 光電変換装置 の構成は、 第 45図 (a) の光吸収層たる a-Si:H層 714 を光吸収層た る a- Si:H〜a-Si,— xGex:H組成変化層と したこ とを除いて同じであ り 、 その動作についても同様なので説明を省略する。
[0895] また、 以上説明した実施例では、 本発明者等の発明による回路 例を示したが、 一般的光電変換装置でも構わないこ とは実施例 23 と同様である。
权利要求:
Claims
請求の範囲
1 . 光電変換装置において、
非単結晶性材料で構成され、 光を吸収しホ 卜キャリアを発生す る光吸収層と、
非単結晶性材料で構成され、 前記光吸収層にて発生したホ 卜 キャ リ アを増倍する増倍層とを有しているこ とを特徵とする光 電変換装置。
2 . 前記非単結晶性材料は非晶質材料、 微結晶質材料及び Z又は 多結晶質材料である請求項 1 の光電変換装置。
3 . 前記增倍曆は誘電率の高い層と誘電率の低い層とを交互に稜 屠してなる請求項 1 の光電変換装置。
4. 前記増倍曆を形成する誘電率の高い屠と誘電率の低い屠の誘 電率の比は 1 . 5 以上である請求項 3の光電変换装置。
5 . 前記增倍屠は少なく とも 1 つのステップバック構造を有する 請求項 1 の光電変換装置。
6 . 前記増倍層は最小禁制帯幅 Eg2 と最大禁制帯幅 Eg3 とが連続 的に変化するステツブバッ ク層の少なく とも 1 つを有する請求 項 1 の光電変换装置。
7 . 前記増倍屠は複数のステ ップバッ ク曆を有し、 該ステ ップ バック層間には不飩物を含有する高濃度不純物含有曆を有する 請求項 5又は 6の光電変換装置。
8 . 前記光吸収曆ほその禁制帯幅 Egl が層厚方向に一定である請 求項 1 の光電変換装置。
9 . 前記光吸収曆はその禁制帯幅 Egl が光入射方向に増加する領 域を有する請求項 1 の光電変換装置。 0 . 前記光吸収曆はその禁制帯幅 E gl が光入射方向とは反対の方 向に増加する領域を有する請求項 1 の光電変換装置。
11. 前記光吸収曆は前記光吸収層と前記増倍屠との界面近傍にて 禁制帯輻 Egl と禁制帯幅 Eg2 とを略同じにした請求項 6の光電 変換装置。
12. 前記光吸収曆は前記光吸収層と前記増倍曆との界面近傍にて 禁制帯輻 Egl と禁制帯幅 Eg3 とを略同じにした請求項 6の光電 変換装置。
13. 前記増倍層は、 既に回路形成された下地基体上に形成されて いる請求項 1 の光電変换装置。
14. 電極、 電荷注入阻止曆、 増倍屠、 光吸収屠、 電荷注入阻止屠 及び透明電極とをこの順で積屠した請求項 1 の光電変換装置。
15. 前記誘電率の大きい層の層厚は前記誘電率の小さい曆の曆厚 の 1.5 倍以上である請求項 3の光電変换装置。
16. 前記誘電率の大きい屠の屠厚は 30A以上 3000A以下である請 求項 3の光電変換装置。
17. 前記誘電率の小さい層の層厚は 20A以上 2000A以下である請 求項 3の光電変換装置。
18. 前記ステップバック曆の曆厚は、 50A以上 1 ^重 以下である 請求項 5の光電変换装置。
19. 前記高濃度不純物曆の曆厚は、 該高 S度不純物層内での電子 の平均自由行程 λ以下である請求項 7の光電変換装置。
20. 前記電荷注入阻止曆の曆厚は 50人以上 2000人以下である請求 項 1^の光電変换装置。
21. 光電変換装置において
非単結晶性材料で構成され、 光を吸収しホ 卜キャ リアを発生 する光吸収層と、
非単結晶性材料で構成され、 最小禁制帯輻 Eg2 、 最大禁制帯 幅 E g3 なる祭制帯輻が連続的に変化したステップバック構造を 有する層領域の少なく とも 1 つを有する増倍層と、
を有するこ とを特徵とする光電変換装置。
22 . 前記非単結晶性材料は非晶質材料、 微結晶質材料及びノ又は 多結晶質材料である請求項 21の光電変換装置。
23 . 前記增倍曆は少なく とも 1 つのステップバック構造を有する 請求項 2 1の光電変换装置。
24 . 前記増倍扈は最小禁制帯幅 Eg2 と最大禁制帯幅 Eg3 とが連 続的に変化するステップバック層の少なく とも 1つを有する請 求項 21の光電変換装置。
25 . 前記增倍脣は複数のステ ップバッ ク層を有し、 該ステ ッ プ バック曆簡には不純物を含有する高嚢度不純物含有層を有する 請求項 23又は 24の光電変換装置。
26 . 前記光吸収曆はその禁制帯幅 Egl が曆厚方向に一定である請 求項 21の光電変換装置。
27 . 前記光吸収屠はその禁制带輻 E gl が光入射方向に増加する領 域を有する請求項 21の光電変換装置。
28 . 前記光吸収曆はその禁制帯幅 Egl が光入射方向とは反対の方 向に増加する領域を有する請求項 21の光電変換装置。
29 . 前記光吸収曆は前記光吸収層と前記增倍曆との界面近傍にて 禁制帯幅 E gl と禁制帯幅 Eg2 とを略同じにした請求項 24の光電 変換装置。
30 . 前記光吸収曆は前記光吸収屠と前記增倍曆との界面近傍にて 禁制帯幅 E gl と禁制帯幅 Eg3 とを略同じにした請求項 24の光電 変換装置。 ,
31 . 前記増倍脣は、 既に回路形成された下地基体上に形成されて いる請求項 21の光電変换装置。
32. 電極、 電荷注入阻止層、 増倍層、 光吸収曆、 電荷注入阻止屠 及び透明電極とをこの順で稜曆した請求項 21の光電変換装置。
33. 前記ステップバッ ク屠の屠厚は、 50A以上 1 μ ^ 以下である 請求項 23の光電変換装置。
34. 前記高濃度不純物曆の曆厚は、 該高濃度不純物曆内での電子 の平均自由行程 λ以下である請求項 25の光電変換装置。
35. 前記電荷注入阻止屠の曆厚は 50入以上 2000Α以下である請求 項 25の光電変換装置。
36. 光電変換装置において、
非単結晶性材料で構成され、 光を吸収しホ 卜キャリアを発生 する光吸収曆と、
非単結晶性材料で構成され、 誘電率の大きい曆と誘電率の小 さい屠とを交互に稜曆した増倍層と、
を有するこ とを特徴とする光電変換装置。
37. 前記非単結晶性材料は非晶質材料、 微結晶質材料及び Ζ又は 多結晶質材料である請求項 36の光電変换装置。
38. 前記増倍層を形成する誘電率の高い屠と誘電率の低い層の誘 電率の比は 1.5以上である請求項 3Sの光電変換装置。
39. 前記増倍層は少なく とも 1 つのステップバック構造を有する 請求項 36の光電変換装置。
40. 前記光吸収曆はその禁制帯轜 Egl が層厚方向に一定である請 求項 36の光電変換装置。
41. 前記光吸収層はその禁制帯輻 Egl が光入射方向に増加する領 域を有する請求項 36の光電変換装置。
42. 前記光吸収曆はその禁制帯輻 Egl が光入射方向とは反対の方 向に増加する領域を有する請求項 36の光電変换装置。
43. 前記增倍層は、 既に回路形成された下地基体上に形成されて いる請求項 36の光電変換装置。
44. 電極、 電荷注入阻止層、 増倍曆、 光吸収層、 電荷注入阻止曆 及び透明電極とをこの顧で積曆した請求項 3(5の光電変换装置。
45. 前記誘電率の大きい屠の層厚は前記誘電率の小さい曆の曆厚 の 1.5 倍以上 ^ある請求項 36の光電変換装置。
46. 前記誘電率の大きい曆の曆厚は 30A以上 3000 A以下である請 求項 36の光電変換装置。
47. 前記誘電率の小さい曆の曆厚は 20A以上 2000A以下である請 求項 36の光電変換装置。
48. 前記電荷注入阻止屠の曆厚は 50A以上 2000 以下である請求 項 39の光電変換装置。
49. 光電変換装置において、
非単結晶性材料で構成され、 光を吸収しホ 卜キャリアを発生 する光吸収曆と、
非単結晶性材料で構成され、 バイアス印加時に、 キャ リアの ド リ フ トは起こるがイオン化は起こ らない電界を生じる屠領域 と、 イオン化を起こすためのステップバック領域とを有する増 倍層と、
を有するこ とを特镥とする光電変換装置。
50. 前記非単結晶性材料は非晶質材料、 微結晶質材料及びノ又は 多結晶質材料である請求項 49の光電変換装置。
51. 前記増倍屠は誘電率の高い層と誘電率の低い層とを交互に積 屠してなる請求項 49の光電変换装置。
52. 前記增倍屠を形成する誘電率の高い曆と誘電率の低い層の誘 電率の比は 1.5 以上である請求項 51の光電変換装置。
53. 前記増倍屠は少なく とも 1 つのステップバック構造を有する 請求項 49の光電変换装置。
54. 前記増倍曆は最小禁制帯輻 Eg2 と最大禁制帯輻 Eg3 とが連続 的に変化するステップバック曆の少なく とも 1 つを有する請求 項 49の光電変換装置。
55. 前記増倍層は複数のステッ プバ ウ ク曆を有し、 該ステ ップ バック層間には不純物を合有する高濃度不純物含有曆を有する 請求項 53又は 54の光電変換装置。
56. 前記光吸収層はその禁制帯幅 Egl が曆厚方向に一定である請 求項 49の光電変換装置。
57. 前記光吸収屠はその禁制帯幅 Egl が光入射方向に増加する領 域を有する請求項 49の光電変換装置。
58. 前記光吸収曆はその禁制帯幅 Egl が光入射方向とは反対の方 向に増加する領域を有する請求項 43の光電変換装置。
59. 前記光吸収曆は前記光吸収屠と前記増倍屠との界面近傍にて 禁制帯轜 Egl と禁制帯幅 Eg2 とを略同じにした請求項 54の光電 変換装置。
60. 前記光吸収曆は前記光吸収層と前記増倍層との界面近傍にて 禁制帯幅 Egl と禁制帯幅 Eg3 とを略同じにした請求項 54の光電 変換装置。
61. 前記増倍曆は、 既に回路形成された下地基体上に形成されて いる請求項 49の光電変換装置。
62. 電極、 電荷注入阻止屠、 増倍屠、 光吸収曆、 電荷注入阻止層 及び透明電極とをこの順で積屠した請求項 49の光電変換装置。
63. 前記誘電率の大きい層の層厚は前記誘電率の小さい層の曆厚 の 1.5 倍以上である請求項 51の光電変换装置。
64. 前記誘電率の大きい屠の曆厚は 30A以上 3000A以下である請 求項 51の光電変換装置。
65. 前記誘電率の小さい層の層厚は 20A以上 以下である請 求項 51の光電変換装置。
6E. 前記ステップバック層の層厚は、 50 A以上 1 it轚 以下である 請求項 53の光電変换装置。
67. 前記高褰度不純物曆の曆厚は、 該高濃度不純物曆内での電子 の平均自由行程 λ以下である請求項 55の光電変換装置。
68. 前記電荷注入阻止屠の曆厚は 50Α以上 2000 Α以下である請求 項 55の光電変换装置。
69. 光電変換装置において、
非単結晶性材料で構成され、 光を吸収レホ 卜キャリアを発生 する光吸収曆と、 非単結晶性材料で構成され、 前記光吸収層に て発生したホ トキャ リアを増倍する増倍屠とを有する画素の複 数を有する光電変換部と、
前記光電変換部からのキャリ アを信号電荷として転送する走 查手段と、
前記走査手段より転送される前記信号電荷を読み出す読み出 し手段と するこ とを特徼とする光電変換装置。
70. 前記非単錄晶性材料は非晶質材料、 微結晶質材料及び 又は 多結晶資材料である請求項 69の光電変換装置。
71. 前記増倍層は誘鼇率の高い屠と誘電率の低い層とを交互に稜 層してなる請求項 69の光電変換装置。
72. 前記增倍層を形成する誘電率の高い層と誘電率の低い層の誘 電率の比は U 以上である請求項 71の光電変換装置。
73. 前記增倍層は少なく とも 1 つのステツプバック構造を有する 請求項 69の光電変换装置。
74. 前記増倍層は最小禁制帯輻 Eg2 と最大禁制帯幅 Eg3 とが連続 的に変化するステップバック曆の少なく とも 1つを有する請求 項 69の 電变換装置。
75. 前記増倍層は複数のステップバッ ク屠を有し、 該ステップ バック曆間には不純物を含有する高濃度不純物含有層を有する 請求項 73又は 74の光電変换装置。
76. 前記光吸収層はその禁制帯輻 Egl が層厚方向に一定である請 求項 69の光電変換装置。
77. 前記光吸収層はその禁制帯幅 Egl が光入射方向に増加する領 域を有する請求項 69の光電変換装置。
78. 前記光吸収屠はその禁制帯輻 Egl が光入射方向とは反対の方 向に増加する領域を有する請求項 69の光電变换装釁。
79. 前記光吸収層は前記光吸収屠と前記増倍屠との界面近傍にて 禁制帯輻 Egl と禁制帯幅 Eg2 とを略同じに した請求項 74の光電 変換装置。
80. 前記光吸収層は前記光吸収層と前記増倍層との界面近傍にて 禁制帯輻 Egl と禁制帯幅 Eg3 とを略同じにした請求項 74の光電 変換装置。
81. 前記增倍曆は、 既に回路形成された下地基体上に形成されて いる請求項 69の光電変换装置。
82. 電極、 電荷注入阻止曆、 増倍層、 光吸収層、 電荷注入阻止曆 及び透明電 Sとをこの順で稜層した請求項 69の光電変换装置。
83. 前記誘電率の大きい屠の曆厚は前記誘電率の小さい屠の層厚 の 1.5 倍以上である請求項 71の光電変换装置。
84. 前記誘電率の大きい曆の曆厚は 30A以上 3000人以下である請 求項 71の光電変換装置。
85. 前記誘電率の小さい層の屠厚は 20A以上 2000A以下である請 求項 71の光電変換装置。
86. 前記ステップバック曆の曆厚は、 50Α以上 1 重 以下である 請求項 73の光電変换装置。
87. 前記高嚢度不純物層の屠厚は、 該高濃度不純物層内での平均 自由行程 λ以下である請求項 75の光電変換装置。
88. 前記電荷注入阻止屠の曆厚は 50Α以上 2000Α以下である請求 項 75の光電変换装置。
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